インテルのみ表示可能 — GUID: mwh1410471103784
Ixiasoft
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1.4.3. Mentor Graphics* HyperLynx*ソフトウェアを使用したデザインのシミュレーション
Mentor Graphics* 社のHyperLynx*ソフトウェアは、最も一般的なデザイン・シミュレーション・ツールの1つです。HyperLynx*ソフトウェアを使用すると、IBISモデルをシミュレーションに簡単に統合できます。
HyperLynx*ソフトウェアは、LineSimとBoardSimの2つの製品で構成された高速デザイン用のPCB解析およびシミュレーション・ツールです。
LineSimは初期シミュレーション・ツールです。ボード・ルーティング実行前に、LineSimを使用して、ルーティング・ルールの作成およびボード・パラメーターの定義を支援する「what if」シナリオをシミュレートします。
BoardSimは、既存のボード・ルーティングを解析する目的で使用するポスト・レイアウト・ツールです。ボード・レイアウト・ファイルから1つまたは複数のネットを選択すると、BoardSimはそれらのネットをLineSimと同じ要領でシミュレートします。ボードおよびルーティングのパラメーター、および周囲の信号配線は既知であるため、最終的に製造されるPCBの非常に正確なシミュレーションが可能です。
この項では、LineSimに焦点を当てて説明します。シミュレーションの作成と実行のプロセスはLineSimとBoardSimの両方で非常に似ているため、LineSimでのIBISモデル使用の詳細はBoardSimのシミュレーションにも適用されます。
I/Oバッファー、ルート・トレース・セグメント、および終端コンポーネント間の接続とトポロジーを作成するために、スケマティックGUIを使用して、LineSimでのシミュレーションをコンフィグレーションします。LineSimは、ルーティング回路図を作成するために、セルベースとフリーフォームの2つの方法を提供します。セルベースの回路図は、バッファー、トレース・インピーダンス、およびコンポーネントの典型的な配置からなる固定セルに基づいています。グリッドベースのセルの一部は、トポロジーを作成するために最適のオブジェクトで埋められています。セルベースの回路図のトポロジーは、セル内およびセル間で使用可能な接続によって制限されます。
シミュレーション用の回路図を作成するための、より堅牢で拡張可能な方法は、LineSimでフリーフォーム回路図形式を使用することです。フリーフォーム形式の回路図形式では、パーツを任意のコンフィグレーションに配置し、必要に応じてパーツを容易に編集することができます。この項では、フリーフォーム形式の回路図でのIBISモデルの使用について説明しますが、手順はセルベースの回路図とほぼ同じです。
HyperLynx*ソフトウェアを使用してシミュレーションを実行する場合、一般的には次の手順を実行します。
- 新しいLineSimフリーフォーム回路図ドキュメントを作成し、Stackup Editorを使用してPCB用のボード・スタックアップを設定します。このエディターで、レイヤーの厚さ、誘電率、トレース幅といったボードの層のプロパティーを指定します。
- シミュレートするネットに向けて回路図を作成します。回路図は、ソースおよびデスティネーションI/Oバッファー、終端コンポーネント、伝送経路セグメント、およびビアまたはコネクターなどのインピーダンス不連続部の表現を含む、ルーティングされたネットのすべての部分を表します。
- 実行中の動作を表現するために、IBISモデルをソースおよびデスティネーションI/Oバッファーに割り当てます。
- LineSimに組み込まれているデジタル・オシロスコープのプローブを、シミュレーション中に監視したい回路の位置に接続します。一般的には、少なくとも1つのプローブがデスティネーションI/Oバッファーのピンに接続されます。差動信号の場合は、差動プローブを接続先の正と負の両方のピンに接続することができます。
- シミュレーションをコンフィグレーションして実行します。立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジをシミュレートし、異なるドライブ強度の条件下で回路をテストすることができます。
- 結果を解釈して調整を加えます。デジタル・オシロスコープでキャプチャーした波形を基にして回路図の任意の箇所を調整することで、オーバーシュートやリンギングなどのシグナル・インテグリティーの問題を修正することができます。必要に応じて、I/O割り当ては インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアで変更可能です。IBIS WriterでIBISモデルを再生成し、更新したIBISモデルをHyperLynx*ソフトウェア・スケマティックのバッファーに適用します。
- 満足のいく結果となるまで、シミュレーションと回路の調整を繰り返します。
- ネットの動作がデザイン要件を満たしているのであれば、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアでI/O割り当てに変更を適用します。またオプションで、シミュレーションに適合するように、ボード・ルーティングの制約、コンポーネントの値、および配置を調整することも可能です。