AN 958: ボード・デザイン・ガイドライン

ID 683073
日付 1/28/2022
Public
ドキュメント目次

5.1.8.2. ストリップライン・インピーダンス

回路トレースが、PCBの外層に配線されていて、その下に低電圧リファレンス・プレーン (電源とグランドGND) が2つある場合、ストリップライン・レイアウトを構成します。次の式を使用して、ストリップライン・トレース・レイアウトのインピーダンスを計算します。

式2:

標準値 (W = 9ミル、H = 24ミル、T = 1.4ミル、εrおよび (FR-4) = 4.1) を使用し、ストリップライン・インピーダンス (ZO) を計算します。

図 75 では、インピーダンスとトレース幅の関係を示しています。ストリップライン・トレース・インピーダンスの式を使用しています。ストリップライン・トレースの高さと厚さは一定に保たれています。

図 75. トレース幅の変化に伴うストリップライン・トレース・インピーダンス

図 76 では、ストリップライン・トレース・インピーダンスとトレース誘電体の高さ (H) の関係を示しています。ストリップライン・トレース・インピーダンスの式を使用しています。トレースの幅と厚さは一定に保たれています。

図 76. 誘電体の高さの変化に伴うストリップライン・トレース・インピーダンス

マイクロストリップ・レイアウトと同様に、ストリップライン・レイアウトのインピーダンスもまた、線幅に反比例し、高さに正比例して変化します。ただし、トレース高さがGNDを超える場合の変化率は、ストリップライン・レイアウトでは、マイクロストリップ・レイアウトと比べると、はるかに緩やかになります。ストリップライン・レイアウトでは、信号がFR-4材料で挟まれていますが、マイクロストリップ・レイアウトでは、1つの導体が空気に開放されています。この露出により、マイクロストリップ・レイアウトと比べて、実行誘電率ストリップライン・レイアウトが高くなります。したがって、同じインピーダンスを実現するためには、誘電体スパンは、ストリップライン・レイアウトの場合は、マイクロストリップ・レイアウトの場合よりも大きくする必要があります。したがって、ストリップライン・レイアウトPCBは、インピーダンス・ラインが制御されている場合、マイクロストリップ・レイアウトPCBよりも厚くなります。

図 77 は、ストリップライン・トレース・インピーダンスとトレースの厚さの関係を示しています。式2を使用しています。トレースの幅と誘電体の高さは一定に保たれています。この図から、特性インピーダンスは、トレースの厚さが増加すると減少することがわかります。

図 77. トレース厚の変化に伴うストリップライン・トレース・インピーダンス
  • Z0 = [(60/√εr) ((4H/0.67π(T+0.8w))] Ω の場合)
  • Z0 = [(60/√(4.1)) ((4(24)/0.67π(1.4)=0.8(9))] Ω の場合)
  • Z0 は約50 Ω