AN 958: ボード・デザイン・ガイドライン

ID 683073
日付 1/28/2022
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ドキュメント目次

5.1.3.1. ノイズのフィルタリング

電源に起因する低周波 (1kHz未満) のノイズを低減するには、電源がPCBおよび各デバイスに接続されているポイントで電源ラインのノイズをフィルタリングします。100μFの電解コンデンサーを、電源ラインがPCBに入る場所に隣接させて配置すると良いでしょう。電圧レギュレーターを使用する場合は、コンデンサーの配置は、デバイスにVCC信号を提供する最終ステージの直後に行います。コンデンサーは、電源からの低周波ノイズをフィルタリングするだけでなく、多数の出力が回路内で同時に切り替わるときに電流を追加供給します。

電源ノイズをフィルタリングする別の方法は、電流を処理するのに十分な大きさの非共振表面実装フェライトビーズを電源と直列に配置することです。フェライトビーズの隣に10μFから100μFのバイパス・コンデンサーを配置します (図 16 参照)。適切な終端、レイアウト、およびフィルタリングをデザインで行えば、フェライトビーズは不要になります。この場合、フェライトビーズの代わりに0Ωの抵抗を使用します。

図 16. フェライトビーズを使用したノイズのフィルタリング

PCBエレメントにより、高周波ノイズが電源プレーンに加わります。高周波ノイズをデバイスでフィルタリングするには、デカップリング・コンデンサーをVCCとグランドの各ペアのできるだけ近くに配置します。電源プレーンとグランドプレーンを並列に配置し、誘電体材料で分離すると、もう一段のバイパス容量が得られます。このタイプのキャパシタンスには、実効直列抵抗 (ESR) やリード・インダクタンスがないため、これらの並列プレーンによって電力に関連する高周波ノイズが低減します。