Intel Agilex® 7のクロッキングおよびPLLユーザーガイド: FシリーズおよびIシリーズ

ID 683761
日付 4/10/2023
Public
ドキュメント目次

3.1. ガイドライン: クロック・スイッチオーバー

FシリーズおよびIシリーズのI/O PLLでクロック・スイッチオーバーを実装する場合は、次のガイドラインを参照してください。

  • 自動クロック・スイッチオーバーを使用するには、inclk0inclk1 の周波数が、相互に20% 以内であることが必要です。この要件を満たさないと、clkbad[0] 信号と clkbad[1] 信号が正常に機能しなくなります。
  • 手動クロック・スイッチオーバーを使用する場合、inclk0inclk1 の差が100% (2×) になることもあります。ただし、この2つのクロックソースの周波数差、位相差、あるいはその両方によって、PLLがロックを失う可能性があります。I/O PLL をリセットすると、入力クロックと出力クロック間の正しい位相関係が維持されます。
  • 手動クロック・スイッチオーバー・イベントを開始するには、extswitch 信号がLowになったときに、inclk0inclk1 の両方が実行中である必要があります。
  • クロック・スイッチオーバー機能および小さな周波数ドリフトが必要とされるアプリケーションには、低帯域幅のI/O PLLを使用してください。入力クロックの変化を参照する場合、低帯域幅I/O PLLの反応は、高帯域幅I/O PLLよりも遅くなります。スイッチオーバーが発生すると、低帯域幅I/O PLLによってクロックの停止を出力に伝播する速度は、高帯域幅I/O PLLの場合よりも遅くなります。ただし、低帯域幅I/O PLLの場合は、ロック時間も増加します。
  • スイッチオーバーの発生後に、I/O PLLが新しいクロックにロックするための再同期期間は有限である場合があります。I/O PLLが再ロックするまでにかかる時間は、I/O PLLのコンフィグレーションによって異なります。
  • I/O PLLへの入力クロックとI/O PLLからの出力クロックの間の位相関係がデザイン上重要な場合は、クロック・スイッチオーバーを実行した後、少なくとも 10ns の間リセット信号をアサートしてください。ロックされた信号がHighになって安定するまで待った後で、I/O PLLからの出力クロックを再度イネーブルしてください。
  • VCO周波数は、現在のクロックが失われると徐々に低下し、VCOがバックアップ・クロックにロックすると上昇します。これについて、次の図で示しています。
図 24. VCOのスイッチオーバー動作周波数