インテル® FPGA Power and Thermal Calculatorユーザーガイド

ID 683445
日付 4/01/2024
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ドキュメント目次

4.7. インテル® FPGA PTC - Clockページ

インテル® FPGA Power and Thermal Calculator (PTC) の Clock ページの各行は、デザイン内のクロック・ネットワークもしくは個別のクロックドメインを表します。

Agilex™ 5 Agilex™ 7、および Stratix® 10デバイスは、グローバル、リージョナル、およびペリフェラルのクロック・ネットワークをサポートします。 インテル® FPGA PTCは、グローバルクロックとリージョナル・クロックを区別しません。これらのクロックの消費電力に大きな差はありません。

図 40.  インテル® FPGA PTCのClockページ


表 15.  Clockページの情報
列の見出し 詳細
Entity Name この列にはクロック・エンティティーの名前を入力します。これはオプションの値です。
Full Hierarchy Name この行で示されているエンティティーの完全な階層名を入力します。階層レベルはバーティカル・バー (|) 記号で区切ります (a|b|c など)。
Clock Freq (MHz) クロックドメインの周波数を入力します。この値は、デバイスファミリーの最大周波数仕様によって制限されます。
注:

Quartus® Prime開発ソフトウェアからデザインをインポートする際に、インポートされたクロックの周波数の一部が0MHzになる場合があります。これは、次のいずれかの理由によります。

  • クロックの制約が不完全なため、 Quartus® Prime開発ソフトウェアでクロック周波数を特定するための情報が不足しています。
  • ほとんどトグルしないリセット信号の配線にクロックリソースが使用されているため、周波数は0MHzとして報告されています。
Total Fanout

このクロックによって供給されるフリップフロップ、ハイパーレジスター、RAM、デジタル信号処理 (DSP) ブロック、およびI/Oピンの総数を入力します。

それぞれのグローバルクロックおよびリージョナル・クロック信号によって駆動されるリソースの数は、 Quartus® Prime Compilation Reportの Fan-out 列で報告されます。Compilation Report で Fitter を選択し、Place Stage をクリックします。Global & Other Fast Signals Summary を選択して、Fan-out の値を確認します。

注: Stratix® 10デバイスの場合、 Stratix® 10 MLABクロックによって消費される電力は、RAMページで考慮されます。そのため、このページのクロック・ファンアウトには、このクロックドメインによって駆動されるMLABは含まれません。 Agilex™ FPGAポートフォリオ・デバイスの場合は、MLABはファンアウトに含まれています。
Global Enable % クロックツリー全体が有効になっている時間の平均割合を入力します。各グローバルクロックのバッファーにはイネーブル信号があり、それを使用してクロックツリー全体を動的にシャットダウンすることができます。
Local Enable %

クロックイネーブルが送信先のフリップフロップに対してHighになる時間の平均割合を入力します。

ALMのフリップフロップのローカル・クロックイネーブルは、LAB全体の信号に昇格されます。特定のフリップフロップが無効になると、LAB全体のクロックが無効になり、クロックの電力とダウンストリーム・ロジックの電力が切断されます。このページは、クロックツリーの消費電力への影響のみをモデル化しています。

Utilization Factor

クロック・ネットワークのコンフィグレーションが消費電力に与える影響を表します。

消費電力への影響が大きく、この項目でキャプチャーされる特性には、次のものがあります。

  • ネットワークが広範囲に広がっているか
  • ファンアウトが小さいか大きいか
  • 各LAB内のクロックの設定

このフィールドのデフォルト値は、代表的な値です。実際の値はデザインのクロック間で異なり、デザインの配置によっても異なります。最も正確な結果を得るには、デザインをコンパイル後にこの値を Quartus® Prime開発ソフトウェアからインポートする必要があります。 Quartus® Prime開発ソフトウェアは、詳細な配置情報にアクセスすることができます。

Quartus® Primeのデザインがない場合、より大きな値は一般的に、FPGA上で長い距離に広がり、多くの送信先にファンアウトされる信号に対応します。また、小さな値は、よりローカル化されている信号に対応します。

このフィールドをデフォルト値から変更し、ブロックの配置に応じて起こりうる消費電力の変動を調べることができます。この値を変更する際は、一般的なデザインでは極端な値が使用されることはほとんどなく、デザインのわずかなサブセットにのみ使用されることに注意してください。

Power (W) クロックの分配に起因する消費電力の合計を示します (W)。
User Comments 任意のコメントを入力します。この入力はオプションです。
注: PTCの以前のバージョンに表示されていた Domain 列は、現在は Full Hierarchy Name 列に変更されています。PTCの以前のバージョンからデザインファイルをインポートすると、Domain の入力内容は、Full Hierarchy Name 列に表示されます。

Agilex™ 7デバイスのクロック・ネットワークの詳細に関しては、 Agilex™ 7のクロッキングおよびPLLユーザーガイドを参照してください。