授業中にデバイスを使って学習する学生

教育の未来

教育におけるテクノロジーの役割は、特にパンデミック後の世界では、良い方向に変化しています。

未来の教育の重要なポイント

  • テクノロジーは促進剤の役割を果たし、弾力性のある、将来を見据えた学習システムを可能にします。

  • テクノロジーを中心とした教育アプローチは、将来のキャリアに必要なスキルの開発を支援し、将来の混乱に直面しても教育の継続性を確保できる、適応性のある学習環境を実現します。

  • テクノロジー・ベースのスマート・クラスルームでは、アクティブラーニングや反転授業、インタラクティブ・ホワイトボードなど、いくつかの教育戦略と教育テクノロジーを用いることができます。

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教育の未来はここに

教育におけるテクノロジーの役割は変化しています。テクノロジーはもはや補助的な役割ではなく、不可欠な要素となっています。近年の出来事により、カリキュラムの教え方から、学生が学び、つながるための方法まで、教育のあらゆる面でテクノロジーの利用と統合が加速しています。

さらに、テクノロジーの進歩により、現代の職場と職場環境は劇的に変化しています。デジタルシステムと物理システムが融合し、ヒューマン・マシン・インタラクションが増大する第 4 次産業革命では、実質すべてのキャリアがテクノロジーの影響を受け、新たなスキルセットを必要とするようになります。学生は、将来のキャリアで成功するために必要なマインドセットとスキルセットを身につけ、次世代イノベーターになる必要があります。

教育政策立案者、技術的意思決定者、教育者が、将来につながる学校を検討する際、テクノロジーはすべての議論の中心となるべきものです。

課題と機会

パンデミックの発生以降、健康上の問題、自然災害など、学生が物理的に学校のキャンパスに立ち入ることができなくなるような、あらゆる変化や混乱に対応し、かつ学習の継続性を確保できる、より弾力性と適応性に優れた教育システムの必要性が浮き彫りになりました。

その結果、アクセスの公平性におけるギャップやデジタルデバイドの拡大、1 社会的交流の喪失がすべての人の感情的幸福に及ぼす影響、23 完全なリモートでの学習モデルと、その後のハイブリッド学習モデルをサポートするための課題に対する認識が高まりました。

一方、今後の可能性を示す例もありました。教育者は新たな教授アプローチを採用し、カリキュラムを調整しました。学校区では学生にデバイスを提供し、既存のインフラストラクチャーを最大限に活用しつつ、学生のニーズに可能な限り応える方法を見出しました。

最も成功をおさめた人々は、テクノロジーを中心とした将来の計画をすでに開始し、効果的なテクノロジーの統合方法や利用方法、学校や教室のデバイス教育テクノロジーに投資している地区の出身者でした。4

ハイブリッド学習環境のための教育戦略

テクノロジーを活用した授業と学習を可能にする複数の教育戦略とプログラムがあります。ここで紹介するものをはじめとするそれぞれの戦略とプログラムは、学生のエンゲージメントを高め、第 4 次産業革命のキャリアに必要なスキルとマインドセットを構築します。

アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、従来の講義形式ではなく、学生に直接参加してもらい、「やってみる」ことで学ぶ教育方法です。学生はリモートで学習している間も、協働的で実践的な授業に参加します。アクティブラーニングでは、ほとんどの授業が何らかのテクノロジーを使用するように設計されており、それによりリモートでの学習も可能となっています。インテル® AI for Youthインテル® Future Skills などのインテルプログラムでは、アクティブラーニングを使用して、学生の AI スキルに対する自信向上、就業力育成トレーニングの体験、革新的な実践体験学習をサポートします。

課外活動としてますます人気が高まっている eスポーツは、数多くあるアクティブラーニング・ゲームの 1 つで、学生がリーダーシップ、チームワーク、戦略的思考、順応性などの社会性と情動スキルを習得できるだけでなく、専門的なスキルやコンピューティング・スキルを身につけることができます。他の課外活動と同様に、教師は通常、学生の成績、出席率、高等教育への意欲、自尊心の向上を実感しています。また、eスポーツは参加者とのより公平なゲームプレイを確立できるため、性別、年齢、身体能力が異なる生徒同士がチームとなって対戦することができます。

反転授業

反転授業は、学生が自宅で授業の課題を終え、教室でのハンズオン活動に参加することを目指す教育的アプローチです。これにより、学生の積極的な参加を促すだけでなく、より高いレベルの認知機能を獲得することができます。反転授業はアクティブな学習環境を可能にするだけでなく、テクノロジーを通して、またテクノロジーについて学んでもらうことで、学生主導の学習を促進し、将来へ備えるよう学生を促します。教育者は、教室全体を反転させる前に、授業を 1 つだけ反転させる、週に 1 日反転授業を実施する (「反転金曜日」)、または 1 単位から開始することができます。教師がどのようなアプローチを選択しても、反転授業のカリキュラムは教室内外で行う授業を含めるよう開発されています。

インテル® Skills for Innovation

インテル® Skills for Innovation (インテル® SFI) イニシアチブは、将来のスキルアップを促進するために、教育者や意思決定者がテクノロジーをカリキュラムと学習環境に簡単かつ効果的に統合できるよう支援することを目的に開発されました。

第 4 次産業革命に向けた人材育成のために設計されたインテル® SFI では、教育者は、学生がテクノロジーの理解を深めつつ、新たに得た知識や柔軟なスキルを身の回りで活かす能力を身につけるための専門的なスキルセットや考え方を構築できるようにサポートすることが可能です。

インテル® SFI フレームワークは、教育者、管理者、およびその他の意思決定者が、革新的で魅力的な学習体験を学生に提供する際のガイドとなるものです。テクノロジーによってどのように教室が形成され、変化し、テクノロジーに支えられた学習環境を実現していくのか、教師の理解を促すことを目的としています。インテル® SFI Starter Pack には、教育者向けの総合ガイド、ティーチング・デッキ、テクノロジーを活用した 70 以上のプロジェクト活動ライブラリーが含まれており、140 時間の授業時間に対応しています。

ハイブリッド学習環境向けのテクノロジー

今日の新しいハイブリッド学習環境での教育と学習をサポートするテクノロジーの導入は、適応性が高く、将来を見据えた学習システムを構築するために非常に重要です。

テクノロジーをうまく導入できれば、混乱や状況の変化があった場合でも、学生と教師は状況や学習ニーズに合わせて最適な学習モデルへと切り替えることができ、教育者は安心していられます。

学校向けテクノロジー

インタラクティブ・ホワイトボードIntel Unite® ソリューションといったコラボレーション・クラスルーム・テクノロジーは、各個人の物理的な場所に関係なく、教師と学生、学生と学生の交流を促進し、積極的な参加を促します。

インタラクティブ・ホワイトボード、別名インタラクティブ・フラットパネル・ディスプレイ (IFPD) を使用すれば、教師は自宅と教室で同時に学習している学生に対して魅力的な授業を実施できます。学生がデバイスを持っている場合は、IFPD によってクラスメートと宿題やプロジェクトなどのクラス活動で協力することができます。また教師は、後から使用するためにセッションを録画することができ、学生がさらに学習するため授業を思い出す助けとなります。

さらに、合理化されたワイヤレス・コラボレーション・ツールである Intel Unite® のようなソリューションにより、教師と学生は、教室などのあらゆる場所からコンテンツ、作業、アイデアを安全にストリーミングおよび共有できます。

学生と教師向けのテクノロジー

学生と教師が成功を収めるためには、使用用途とパフォーマンス要件に対応できるデバイスが必要です。弾力性に富むハイブリッド学習環境の学生向けにデバイスを検討する際には、学生の学問的ニーズに合ったポータブルな持ち帰りデバイスを用意することが重要です。デスクトップ PCノートブック PC、2-in-1 タイプ、デタッチャブル型、または Chromebook など、年齢や学年のレベルに応じて、教育活動に必要なパフォーマンスと機能を備えたデバイスを選択する必要があります。

教育者もまた、教育上のニーズに応じたデバイスを用意する必要があります。インテル® vPro® プラットフォーム搭載デバイスのように、安定したセキュリティー機能と優れたパフォーマンを備えたデバイスを使用することで、中断や遅延を減らして学生と接する時間を増やすことができます。

また、IT スタッフにとっては、学生と教師が現在のニーズと将来的なニーズを満たす信頼性の高いデバイスを使用できるようにすることも付加価値となります。例えば、インテル® vPro® Enterprise を搭載したデバイスには、リモート管理用のツールが含まれており、ルーチン・メンテナンスやトラブルシューティングに費やす時間を短縮することができます。また、インテル® プロセッサーを搭載したデバイスには、ハードウェア・ベースのセキュリティー機能のレイヤーが追加されており、進化し続ける最新のセキュリティー脅威からデバイスユーザーを保護します。

接続性とアクセス

接続性は、とりわけハイブリッド学習とリモート学習をする学生の成功にとって重要です。インターネットに接続できなければ、生徒は深刻な不利益を被ります。デバイスの性能、携帯性、耐久性がどんなに優れていようと接続して授業にリモートで出席できなければ意味がありません。家庭によっては、インターネットへのアクセスは高価な選択肢であるか、まったく選択肢ではない場合があります。

学校は教育への平等なアクセスを目指して、接続性の制約による影響が大きい生徒には PC にオンボードの LTE またはホットスポットを付属して提供することを検討しています。

平等なアクセスを提供するため、インテルは教育の成功に向けた投資を続けています。Creating Learning Connections Initiative のようなイニシアチブでは、支援が必要な学生や教育者に重要なツールやリソースへのアクセスを提供することに焦点を当てています。また、あらゆる地域の教師と学生が質の高い教育と学習をより簡単に利用できるようにするため、世界各国の教育者や管理者と将来を見据えた協力を行い、革新的なソリューションとイニシアチブに取り組んでいます。

教育の将来にとってテクノロジーは不可欠

教育におけるテクノロジーの役割は進化し続けています。より俊敏で将来に備えた教育システムを確立し、学生が将来のキャリアで成功するために必要なスキルを身につけられるよう支援するためには、今やテクノロジーが重要な要素になっています。

より統合されたテクノロジーのアプローチを教育に積極的に計画することで、学校、教師、学生が将来どのような状況になっても対応できるようになります。