インテル® Stratix® 10 SEU (Single Event Upset) 緩和 ユーザーガイド

ID 683602
日付 10/10/2018
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ドキュメント目次

1.4. トリプル・モジュール・リダンダンシー

トリプル・モジュール・リダンダンシー (TMR) は、SEUが原因のダウンタイムを許容できないシステムに対して使用します。 TMRは、確立したSEU軽減手法として、ハードウェア・フォールト・トレランスの向上のために使用されます。TMRのデザインには、同一のハードウェア・インスタンスが3つあり、出力に投票ハードウェアが備えられています。SEUによっていずれかのハードウェアのインスタンスが影響を受ける場合、投票ロジックでは過半数出力を記録します。この操作によって、誤動作しているハードウェアがマスクされます。

TMRを使用すると、シングルSEUではデザインのダウンタイムはなくてすみます。システムで障害のあるモジュールが検出された場合、システムではエラーをスクラブするためにそのモジュールを再プログラムします。誤り検出訂正時間は、SEUイベントのMTBFより何桁も少なくなります。したがって、システムではソフト割り込みを修復して、別のSEUによってTMRアプリケーション内の別のインスタンスが影響を受けないようにします。

TMRの欠点は、ハードウェア・リソースのコストです。3倍のハードウェアが必要になり、加えて投票ロジックも必要です。このハードウェア・コストを最小限に抑えるために、TMRの実装は、デザイン内の最もクリティカルな部分のみで実行します。

複数の方法を使用して、TMRデザインの生成のために、指定機能の自動複製および必要な投票ロジックの自動合成を行います。Synopsysでは自動TMR合成を提供しています。