スマート・インフラストラクチャーから始まるスマートロード

スマートロード・テクノロジーにより、より安全で、より持続可能な未来の交通機関がすぐそこまで来ています。

道路は、経済的繁栄の鍵であり、私たちの未来にとって重要なものです。現在、都市は、都市化への対応、交通の流れの効率化、公害の軽減、安全性の向上などの課題に直面しています。スマートロード・テクノロジーは、都市計画家や行政機関が、正面からこうした課題に取り組む上で役に立つことができます。トラフィック管理から、歩行者や車両の安全性、環境モニタリングまで、モノのインターネット (IoT) は、道路をよりインテリジェントに、効率的に、そして適切に管理できるようにします。

スマートロード・テクノロジーとは ?

都市の行政担当者には、より効果的な道路や高速道路を整備するよう新たな責任がのしかかっており、その最新化にはスマート・インフラストラクチャーが不可欠です。IoT テクノロジーを基盤としたスマートシティー・ロードにより、都市の行政担当者は、データを収集して分析し、日常のトラフィック管理を改善して、長期的な交通機関のニーズに適応することができるようになります。IoT センサー、カメラ、レーダーを使用することで、データはほぼリアルタイムで分析され、渋滞を緩和して交通の流れを効率化するために使用されます。また、データをクラウドに送信して長期的な分析を行うことで、CO2 排出量の削減や道路状況の改善などの取り組みに重要な洞察を得ることができます。

エッジ・コンピューティングは、スマートロードおよびコネクテッド・ロード向けに多くの可能性を開きます。適応型交通信号機および統合化された道路など、スマートロード・インフラストラクチャーを支える分析や人工知能 (AI) の低レイテンシーを実現します。例えば、交通信号機はセンサーのデータに基づいて、自動的にタイミングを調整し、交通量を増加させたり、危険なドライバーから道路上の歩行者を保護するために信号を切り替えたりすることができます。

スマートロードとスマート・インフラストラクチャーの特長

スマートロード・テクノロジーを実現するデバイスには、速度センサー、音響センサー、IP CCTV カメラ、スマート信号機、状況 / 気象監視システム、デジタルサイネージなど、多くの種類があります。これらのデバイスにより、ほぼリアルタイムでデータが収集され分析されると、都市の行政担当者は、さまざまなメリットを得ることができます。

  • 道路の渋滞緩和。米国の一般市民の場合、毎年渋滞による損失時間は 99 時間、1,377 米ドルのコストがかかっています。2 スマートロード・テクノロジーは、車両を追跡し、近づいてくる車両が少ない、もしくはまったくない場合、交通信号機を調整することで交通渋滞の解消に役立つことができます。運転手と乗客は、毎年 9.4 時間を節約することができるようになります。1
  • 道路交通と歩行者の安全性の向上。コンピューター・ビジョンを搭載したトラフィック監視ソリューションにより、車両、歩行者、および自転車乗用者が検出され、安全対策を講じるができるようになります。路上での衝突や犯罪が発生した場合、スマートデバイスは、直ちにファーストレスポンダーにアラートを通知することができます。
  • パーキングと自動料金収受システムの機能拡張 自動料金収受システムは、ナンバープレート認識と車両追跡を使用して、車両を停止したり、減速したりすることなく自動的に高速道路および橋の通行料金を徴収することで、渋滞を緩和します。

選択したデータをクラウドに送信して経時的に分析することで、例えばトラフィック管理、道路整備、環境品質などの継続的な改善を進めることができます。

  • 問題地点の特定。分析により、衝突事故または、車両と歩行者間のニアミスが多発する交差点や他の地点を検出できるようになります。これにより、都市の行政担当者が、当該地点に「ゆずれ」や「一時停止」標識、横断歩道、または交通信号を設置することでメリットが得られるかどうかを判断するのに役立ちます。
  • 舗装状態の改善。時間の経過と供に、道路の侵食または風化が進みます。道路状況を監視することで、都市の行政担当者は舗装状態を評価し、必要に応じて対策をとることができます。ミネソタ州交通局によると、舗装のひび割れへの早期対処が適切に行われない場合、年間約 62.50 米ドル / 車線 / キロのコストがかかりますが、適切に対処されない場合は年間 1,000 米ドル / 車線 / キロのコストがかかります。3
  • 公害の軽減 スマート・インフラストラクチャーにより、交通の流れが最適化されることで、エンジンのアイドル状態が回避され、日々の走行から排出される二酸化炭素の量が削減できるようになります。また、電気自動車用の充電ステーションの最適な設置場所を把握することで、都市の公害を軽減することができます。

米国の一般市民の場合、毎年渋滞による損失時間は 99 時間、1,377 米ドルのコストがかかっています。2

インテリジェントな交通政策の推進に向けて

都市交通に IoT テクノロジーを導入するには、政策および標準化が重要です。インテルは、世界中にセルラー・ビークル・トゥー・エブリシング (C-V2X) を導入するために、5GAA のメンバーとして、政策立案者、自動車メーカー、デバイスメーカー、インフラストラクチャーのオーナー・オペレーターと提携しています。この 5G 規格に準拠したテクノロジーは、車両、インフラストラクチャー、その他の道路利用者を確実に接続して、安全に作動するようにします。またインテルは、技術団体の現行メンバーであり、協調的認識、操縦調整、誤作動検出の規格開発に貢献しています。

世界中の使用事例と導入事例

スマートロード・テクノロジーは未来的な概念ではありません。すでに、世界中で導入されており、一部の都市と国では、現在そのメリットを享受しています。

未来の都市を実現する道路への導入事例については、以下の動画をご覧ください :

都市や行政機関が、実際にどのようにスマート・ロード・インフラストラクチャー・ソリューションを利用して市民生活の向上に貢献しているかを紹介します。以下にいくつかの導入事例をご紹介しますが、電子書籍さらに詳細をチェックしてください。

ロードサイド向けエッジサービス

ドイツの工業製品メーカーは、自動運転車の敏捷性、車両の安全性、高速道路における全体的な交通の流れを向上させることを目的としたリサーチ・プロジェクトでインテルとコラボレーションを行いました。このプロジェクトでは、ミュンヘンとニュルンベルク間の高速道路 2km の区間にわたりインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したエッジノードを設置し、対向車に交通情報を送信して、前方の潜在的なリスクの存在を知らせます。

自動料金収受システム (ETC)

Shenzhen JHC Technology Development Co.(JHCTECH) は、中国の既存の交通インフラと ETC システムを改善するためにインテルと提携しました。JHCtech ETC IPC シリーズは、自動的に車両を検出し識別することができ、運転手は停車することなく通行料金の支払いができるようになります。これにより、ボトルネックが解消され、車両の流れをスムーズに維持することができようになります。エッジ・ソリューションは、高性能とリモート管理機能を提供するするインテル® Core™ vPro® プロセッサー・ファミリーで実現しています。

インテリジェントなトラフィック管理

GRIDSMART システムは、インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーを搭載し、コンピューター・ビジョンを利用して交差点を監視し、ほぼリアルタイムでトラフィック・データを収集します。GRIDSMART のカメラシステムにより、アリゾナ州のベルロード・ハイウェイにおいて遅延が、平日は 20%、週末は 43% 削減されました。4

道路インフラストラクチャー向けスマートセンサー

Hitachi Vantara は、Intel® IoT Solutions Alliance のメンバーとして、スマートカメラやその他のエッジ・テクノロジーを使ってトラフィック管理を改善するソリューションを設計しています。Hitachi は、インテル® テクノロジーを搭載したカメラシステムを開発し、エッジでのリアルタイムのデータ、解析、ストレージを提供しています。カメラは屋内外の環境に適しており、展開が容易で、過酷な気象条件下でも機能します。

スマートロード向けインテル® テクノロジー

センサー、AI、インテリジェント・カメラは、スマート・インフラストラクチャーを実現する IoT テクノロジーの推進役のいくつかの例です。インテルと当社のパートナーは、スマートロード・テクノロジー向けエッジとクラウド・コンピューティングをサポートするためのテクノロジーとハードウェアを開発しました。インテルは、道路インフラストラクチャーを最新化するソリューションを実現する検証済みのリファレンス・デザインとリファレンス実装を提供しています。

ロードサイド・ユニットのリファレンス・デザイン

インテルが提供するロードサイドにおけるエッジ・コンピューティング向けのリファレンス・デザインは、街灯やその他の設備に取り付け可能なユニットを強化します。このロードサイド・ユニットは、リアルタイムのビデオ分析やその他のパフォーマンスを必要とするタスクに最適です。都市のスマート街灯、スマート信号機、スマートパーキングまたは自動料金収受システムの基地局用のソリューションの一部として、これらのユニットを導入することができます。ナンバープレートの検出、歩行者の検知、交通渋滞の監視に必要な処理機能を提供します。これらのエッジノードは、公共の Wi-Fi カバレッジを提供することもできます。AAEON* Atlas エッジ・コンピューティング・ノードは、統合セキュリティ機能を備えたインテル®ビジョン・プロダクトをサポートしており、このリファレンス・デザインに基づく、すぐに導入できるソリューションです。

コンバージド・エッジ・リファレンス・アーキテクチャー (CERA)

CERA は、IoT とネットワーク・ワークロードの融合向けのプラットフォーム・アプローチです。このアーキテクチャーにより、インテルのパートナーは、センサー・モダリティーを処理し、センサー・フュージョンを実行するためのロードサイドの設備向けソリューションを設計することができます。これにより、5G ネットワーク機能とマイクロサービスをホストしながら、エッジにインテリジェンスをもたらします。このプラットフォーム上に構築されたソリューションを交差点やオンプレミスに設置して、複数の IoT デバイスに対して、ニアエッジ・コンピューティングやデータ処理を行うことができます。ソリューションは、OpenVINO™ ツールキットのインテル® ディストリビューションと OpenNESS を使用して最適化することができます。5G 接続により、CERA は、エッジで異なる IoT デバイスが通信したり、クラウドにデータを送信したりするネットワーク機能を提供します。カメラ、レーダー、その他のさまざまなセンサーからの情報を処理します。

リファレンス実装 

インテルのリファレンス実装は、サンプル・アプリケーション全体の事前構成済みのソフトウェアを提供します。インテルのインテリジェント・トラフィック管理向けリファレンス実装は、IP カメラを介して交差点を監視し、交通の流れを最適化するように設計されています。インテルのワイヤレス・ネットワーク対応インテリジェント・トラフィック管理向けリファレンス実装には、OpenNessed エッジノードでホストされ、5G RAN をホストするために必要なすべてのソフトウェア・スタックが含まれています。

スマートロードおよびスマート・インフラストラクチャー向けインテル® テクノロジー
エッジ・コンピューティング
IoT および組込み機器向けインテル® プロセッサー インテル® プロセッサーは、IoT や組込み機器用ユースケース向けに強化されており、コンピューティング・パフォーマンスと消費電力によって、さまざまなオプションが用意されています。ロードサイドに設置されたインテリジェント・カメラやセンサーに最新のオーディオおよびビジュアル品質を提供します。
インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、エッジサーバー向けの高性能を実現し、スマートロード・センサーのデータ上でのリアルタイム分析や AI の実行に最適です。
AI とコンピュータ・ビジョン
インテル® Movidius™ VPU インテル® Movidius™ VPU により、スマート交差点における ナンバープレートおよび車両の検出や「見える化」など、特定の用途向けのコンピューター・ビジョンの利用が可能になります。
ネットワーキング
インテル対応の 5G ネットワーク インテル対応の 5G ネットワークは、エッジでのリアルタイム・トラフィック・データを改善すると同時に、ワイヤレス・ネットワークとの間の接続性とトランスミッションを向上させます。
開発者向けリソース
Intel® Edge Software Hub インテリジェント・トラフィック管理向けのリファレンス実装を含む、スマートロード・インフラストラクチャー・ソリューションの開発を加速するためのソフトウェアを検索してください。
OpenVINO™ ツールキット 4 OpenVINO™ ツールキットのインテル® ディストリビューションは、VPU や CPU を含むインテル・プラットフォーム上でのビジョン・アプリケーションの開発を効率化します。このポートフォリオにより、コンピューター・ビジョンで歩行者、車両、道路標識の位置を特定することができます。
OpenNESS OpenNESS オープンソース・ソフトウェアは、多様なネットワーク・プラットフォームやアクセス・テクノロジーにわたる複雑なオーケストレーションとエッジサービスの管理を簡素化します。
インテル® DevCloud for the Edge 最適な AI アプリケーション・パフォーマンスを実現する適切なハードウェアを決定する時間とコストを短縮します。インテル® DevCloud for the Edge は、仮想 AI プロトタイピング・ツールを介してフィードバックを瞬時に提供します。
Open Visual Cloud このオープンソース ・スタックとパイプラインのコレクションは、エンコード、デコード、推論、レンダリング向けに最適化された構成要素で構築されています。これにより、ビデオ・オンデマンド (VOD) や SVT-AV1 対応 ライブ・ストリーミングを含むサービスのテスト、評価、導入を容易にする再利用可能な開発者環境が実現します。

スマートロード・テクノロジーで拡張

すでに世界中で多くのスマートロード・テクノロジーが導入されていますが、スマート・インフラストラクチャーの未来は、スタートしたばかりです。今日の都市は、交通渋滞の緩和、公共安全、CO2 排出量の削減などの恩恵を受けています。最新世代の IoT テクノロジーにより、都市計画家は、効果を発揮するスマートロードテクノロジーに自信を持って投資することができます。

スマートシティとエッジ・コンピューションについて詳しく知る

スマートシティー・インフラストラクチャーとエッジ・コンピューティング向けの最新のテクノロジーの詳細をご覧ください。

スマートシティー

環境モニタリング、スマート照明、モビリティー、公共のキオスクなどに関するテクノロジーの詳細を説明します。

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インテリジェントな交通システム

インテリジェントな交通機関向けの最新のテクノロジーと導入事例をご覧ください。

インテリジェントな交通機関の詳細

IoT

より多くのデータを取得し、より迅速に分析し、より早く行動に移します。エッジへの移行が進む中、インテルは、さらにインテリジェントなモノのインターネット (IoT) を実現しつつあります。

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エッジ・コンピューティング

エッジ・コンピューティングが、データ移動による複雑さを解消し、新しいデータをフルに活用するためにどのように役立つかをご覧ください。

エッジ・コンピューティングの詳細

コンピューター・ビジョン

インテル® テクノロジーは、エッジデバイス上、エッジサーバー、またはクラウド上のコンピューター・ビジョン・ソリューションを実現します。

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法規制および免責事項 5

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免責事項

1

「Paving the Way Forward: Intelligent Road Infrastructure」2020年5月、インテル、intel.com/content/dam/www/public/us/en/documents/guides/intelligent-road-infrastructure-ebook.pdf

2

「Congestion Costs Each American Nearly 100 Hours, $1,400 a Year」2020年3月、Inrix、inrix.com/press-releases/2019-traffic-scorecard-us/#:~:text=The%20report%20found%20that%20on,average%20of%20%241%2C377%20per%20year

3

「Pothole Prevention and Innovative Repair」2018年3月、ミネソタ州交通局、dot.state.mn.us/research/reports/2018/201814.pdf

4

「5G and Distributed Computing Tackle Critical Challenges for Cities」2020年9月、インテル、blogs.intel.com/technology/2020/09/5g-distributed-computing-tackle-critical-challenges-for-cities/#gs.gspvml

5

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