未来のインテリジェント・ファクトリー

インテルの調査により、インテリジェント・ファクトリーを構築するには、スマートマシンだけでは十分ではなく、製造メーカーは従業員、データ、テクノロジーを適切に結びつける必要があることが明らかになりました。

多くの製造メーカーがスマートマシンを製造プロセスに統合し始めたことで、作業現場の未来にどのような影響があるのか、産業界全体の従業員が理解しようと努めています。

新たな産業テクノロジーが従業員に及ぼす影響を理解するため、インテルの IoT 部門は調査を実施し (英語)、製造の現場から役員会議室まで、すべての従業員が未来のインテリジェント・ファクトリーに何を期待するかを明らかにしました。

産業イノベーション・ディレクターの Irene Petrick 博士と主席エンジニア兼研究者の Faith McCreary 博士が主導したグローバル調査には、主に北米を拠点として展開する石油化学、金属製作、食品飲料メーカーなどの製造現場で働く 145 人の従業員へのインタビューが収録されています。

「新たにデジタル化の導入を検討している現在の製造業者は、テクノロジー要素だけでなく、労働力についても見直す必要があります」と、戦略的なロードマッピングおよびイノベーションの世界的なエキスパートである Petrick 博士は語ります。

「変化するのは仕事の数だけに限りません。仕事の種類とそれぞれのニーズも関わってきます。製造現場では、テクノロジーと人とが共に進化することになります」

インダストリー 4.0 へのアップグレード

製造業、ビジネス、社会のデジタル変革を意味する用語であるインダストリー 4.0 は、世界経済フォーラムによると、テクノロジーの進化によって現実の世界、デジタルな世界、生物学的な世界が融合する第 4 次産業革命 (英語) の推進力です。

この現代の産業革命の土台となるのが、産業用 IoT (IIoT) です。インダストリー 4.0 という言葉を生み出したドイツで開催される見本市のハノーバーメッセ (英語) によれば、製造ロボットから在庫管理、マイクロチップに至るまで、IIoT が継続的なデータ交換を可能にします。スマート・ファクトリーは、自動ロボット、人工知能 (AI)、クラウド・コンピューティング、センサー、そしてデータ分析を利用して、すべての製造プロセスと物流プロセスを結びつけ、製造をよりインテリジェントで効率的、持続可能なものにします。

McCreary 博士と Petrick 博士の調査から、従業員の側では未来のインテリジェント・ファクトリーを歓迎すると同時に、不安を抱いていることも明らかになりました。

「変化に対する強い意欲が存在し、それは企業のどの立場にいても同様に見られます」と Petrick 博士。

しかし、既存のシステムとスマート・テクノロジーの統合方法については、認識のギャップが存在することも確かです。従業員の中には、こうしたスマート・テクノロジーの実際の働きについて迷信的な考え方を持つものも多く、一体的なソリューションの構築に必要とされる基盤テクノロジーに対する明確な理解の不足が示されています。

新たなマシンの導入や更新だけでは十分ではありません。まだまだ多くの製造メーカーが、データを実際に収集、接続、分析する広帯域の新たな通信インフラストラクチャーを構築するために、重要となる次の一歩をどのように踏み出すか検証する必要があると、Petrick 博士は指摘しています。

「優れた最新マシンを手に入れたというレベルの単純なことではありません。本来の効果を発揮させるには、最新テクノロジーの組み合わせが不可欠です」

データが収集された後は、分析と活用も必要となります。今回の調査では最終的に、製造業界の従業員は、データこそが意思決定の原動力となり、スマート・ファクトリーでは役職に関係なくすべての従業員にデータ・サイエンティスト的な思考が必要になると認識していることが明らかになりました。

McCreary 博士によると、従業員は「この組織の中心にどうやってデータを集めるか」と非常に実践的な判断をしているということです。「データを持ち出して、データ サイエンティストに渡し、その後に自分たちの現場についての意思決定を行う」のではなかったのです。

品質に目を向けるインテリジェント・ファクトリー

企業はさまざまな方法でデジタル環境を採用できます。一般的なシナリオでは人間が作業のほとんどを行いますが、 高度にデジタル化が進んだ企業では、従業員が自動化されたプロセスに結びつけられます。さらにインテリジェント・ファクトリーでは、人間の介入なく自律的に意思決定を行い処理を最適化する IIoT デバイスと分析で、こうしたレベルを一気に飛び越えます。

新しいテクノロジーを導入するモチベーションは、企業の現時点でのデジタル移行レベルにより異なりますが、その結果は研究者を驚かせました。McCreary 博士は、デジタル化レベルの低い企業にとって、特定の作業の実行にかかる時間が最大の動機付けとなっていると言います。人と機械とが一緒に働く半自動化された企業では、生産性に目が向きます。

ところがデジタル化が高度に進んだ企業では、「話題がインテリジェント・ファクトリーに及ぶ時点で、一番の動機付けは品質なのです」と、McCreary 博士は明かします。

「これは本当に驚きでした。効率性という答えが返ってくるものだと考えていました。効率、効率、かつてはそれがすべてでしたから。今回の結果では、さらに高いデジタル度を示す微妙な違いも現れています」と、Petrick 博士は振り返ります。

製造現場のデジタル化レベルの違いにかかわらず、すべての従業員が新しいテクノロジーの採用についてスキルギャップへの懸念を示していますが、デジタル化がほとんど進んでいない企業ではその兆候は顕著です。テクノロジーとそれに伴う変化を歓迎する従業員にとっては、長期的な雇用関係を維持するための手段になるだろうという期待が動機付けとなっています。

未来のインテリジェント・ファクトリー

スマート・テクノロジーが急速に進化する一方で、インダストリー 4.0 のテクノロジーはまだ多くの製造業者のレーダーに捉えられていません。調査対象企業の 78% は業務にコンピューターを使用し、32% は工場フロアにロボットをどのように配備するかを検討中です。

調査に参加した従業員の多くは、現状の問題を解決するためにインダストリー 4.0 のテクノロジーに関心を示していますが、その対象は大規模な製造変革ではなく、プロセス面での課題や特定作業の改善に限定されます。

「インテリジェント・ファクトリーへの道を突き進む場合、その全体構想を従業員が関心を持つ変化へと転換して、直面している問題を解決できなければなりません」と、McCreary 博士は指摘します。

予想される最悪の未来とはどんな状況でしょうか。それは現在のやり方から全く変わらないことです。こうした考え方は、調査参加者から例外なく挙げられています。産業界の従業員は、仕事の本質の根本的な変化を予測し、同時にそれを望んでおり、テクノロジーが面倒な作業を肩代わりしてくれることを期待する従業員も多くいます。

「これはただ工場が変革するだけではありません。組織の役割、さらにそこで働く人々の変革でもあります」と、McCreary 博士は言います。

未来の工場を作るというのは、スマートマシンを使って業務を自動化するだけではありません。職場全体の変革を意味しているのです。

インテリジェント・ファクトリー

データ主導のあらゆる需要に対応可能な製造現場の未来を見据え、インテルが製造メーカーの成長をどのように支援するかご覧ください。

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インテルの調査が解明: 多くの工場がまだ 20 世紀の運営方法を続けている理由

この調査により、調査対象となった従業員の半数以上が変革を期待し、労働負荷の高い作業を支援する「インテリジェンス」ソリューションを求めていることが判明しました。一方で、新しいテクノロジーに懐疑的な従業員も多く存在します。

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