エッジからクラウドに至るまで、進化する高精度医療とゲノム解析

クラウド、HPC、および AI 向けのインテル® テクノロジーで、研究を加速し、ケアのアウトカムを向上させましょう。治療学の研究者やデバイスメーカーが、強力なハードウェアや特化型の開発者向けツールからメリットを得る方法をお読みください。

重要ポイント

  • 高精度医療の実現には、エッジからクラウドに至るまで大規模な演算能力が必要です。

  • インテルは、高精度医療に不可欠な AI および HPC ワークロードを支える専門技術を提供しています。

  • インテルのソフトウェア・ツールは、高精度医療技術提供者が開発プロセスを簡素化し、パフォーマンスを向上させるために役立ちます。

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インテルが強化する高精度医療技術

高精度医療は、遺伝子マーカー、遺伝的形質、または遺伝子状態が共通な特定の人々に対して、パーソナライズされた医療と患者中心のケアを提供します。この革新的な医療モデルの実現に必要なテクノロジーは、エッジで生成されたデータから、クラウドまたはオンプレミスのハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) プラットフォームのデータサイエンス・ワークロードにまで及びます。臨床的応用、学術研究、および医薬品の発見や製造には、強力な機器、分析、そして HPC が必要です。

地球上のあらゆる人の生活を向上させる、世界を変革するテクノロジーを創造するというわたしたちの使命の一環として、インテルは高精度医療ソリューションを実現するために不可欠な役割を担っています。メーカーはインテル®のハードウェア技術やソフトウェア・ツールを使用して、例えば生物学的プロセスの捕捉、バイオマーカーの分析、薬物相互作用の予測などを行う、高精度医療ソリューションを作成しています。

次世代シーケンサーのエッジにおけるパフォーマンスを最適化するための、AI 対応の実験室設備プロバイダーと協力する場合も、高度な分析を加速化する HPC アーキテクチャーを構築するため、OEM やクラウドプロバイダーと取り組む場合も、インテル® アーキテクチャーでソリューションを最適化するために ISV を支援する場合も、インテルはゲノム解析と高精度医療を通じて人々の生活を改善できるよう務めているのです。

例えば、組織がゲノム解析のためにスケーラブルな HPC クラスターを導入するために役立つインテル® Select ソリューションを作成するため、インテルは Broad Institute と協力してきました。最新のリリースでは、ユーザーは生殖細胞系列バリアント・コーリング Broad Institute の GATK ベスト・プラスティス・パイプラインを実行して、1 日でコンピューティング・ノード 1 つあたり最大 8 つの全ゲノム配列を処理できます。

また、パフォーマンスを改善し、ユーザーや開発者の体験を向上するため、多くのヘルス・アプリケーションやライフサイエンス・アプリケーションのプロバイダーともコードの最適化において協力してきました。

私たちが実現しているイノベーションについて、さらに多くの例をインテル® ソリューション・マーケットプレースでご確認いただけます。

高精度医療のツールと手法

高精度医療では、分子診断 (遺伝子検査を含む)、分子イメージング、次世代シーケンシング、分子動力学などの手法を使用して、病気を診断し個人に合わせた治療を行います。

分子診断とゲノム解析

分子診断には、ゲノム解読を通じた患者のバイオマーカー分析が伴います。こうした遺伝子検査により、最も効果的な治療法を提供したり、患者に最適な薬品を予測したりするのに使用できる情報が明らかになります。

次世代シーケンシング

次世代シーケンシングなどの進歩は、ゲノム研究に劇的な影響を与えてきました。従来のシーケンシング技術では結果を出すために 10 年間以上が必要な一方、次世代シーケンシング技術は、ヒトの全ゲノム配列を およそ 40 時間で解読できるのです。

分子イメージング

分子イメージング、特に低温電子顕微鏡 (cryo-EM) と呼ばれるものは、タンパク質およびその他の生物学的物質の 3D 構造について知見を得るため、創薬過程ににおいて広範に利用されています。さらに最近では、この技術は薬らしい小分子の特定にも適用されています。医用イメージングに含まれるその他の様式の分子イメージングには、造影剤を使用して患者の生物学的プロセスを可視化、特徴付け、定量化するさまざまな方法 (MRI、CT、PET) の利用が含まれます。

分子動力学

分子動力学は、化学的および生物学的構造の考え得る三次元構造を推定し、その運動をシミュレートする計算手法です。分子動力学は、よく分子ドッキング (単に「ドッキング」と呼ばれることも多い) と組み合わせて使用されます。

ドッキングは、小分子の薬剤候補が特定の病気についてのタンパク質標的とどの程度効率的に相互作用するかを予測するために用いられる手法です。こうしたシミュレーション手法により、各薬剤候補の結合相互作用を評価でき、最終的にはさまざまな薬剤候補の有効性について研究者がランキングを作成できるようになります。

ゲノム解析および高精度医療向けエンドツーエンド・プラットフォーム

技術的観点からすると、高精度医療にはエッジにおける医療機器またはワークステーションと、データセンター内の IT システムの両方が関与します。インテル® ハードウェアは、このつながりの全体にわたるソリューションを供給します。

例えばゲノム解析においては、エッジ・テクノロジーである インテル Atom®インテル® Core™インテル® Xeon® E などのプロセッサーが、インテルの多くのパートナーによって提供されている研究室装置において試料の 1 次分析を高速に処理できるようにしています。また、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、バックエンド・システムにおいて 2 次分析をするために用いられるベースコール・アルゴリズムやシーケンス・アライメント・ツールも動かしています。これらの例においては、スループットやソリューション全体のパフォーマンスを向上させるため、インテルのメモリー、GPU、ストレージ、接続テクノロジーも使用されることがあります。

高精度医療におけるハイパフォーマンス・コンピューティング

2 次分析においては、HPC システムはこうした集約的なコンピューティング・ワークロードをいくつかの一元管理されたノードに分配し、情報を並列で処理することで、成果を生み出す速度を劇的に向上させます。インテル搭載 HPC インフラストラクチャーは、発見を迅速化し、より効果的な研究を行って、予測やモデルを向上させるために役立ちます。

高精度医療のワークロードに対応する多くの HPC システムで重要な部分を担うインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、次のような主要ユースケースや一般的な用途の進行を促進するために役立ちます。

  • ゲノム解析: Genome Analysis Toolkit (GATK) 4.x などのアプリケーションを使用することで、個人の遺伝子に関する理解を深め、健康上のアウトカムを改善します。
  • Cryo-EM: RELION 3.x を使用して、生物学的研究や新薬開発を行うため、分子構造を特定します。
  • 量子力学: VASP や NWChem を使用して、原子、分子、および高分子間の相互作用を描写します。
  • 分子動力学: NAMD、GROMACS、LAMMPS を使用して、原子および分子の動作をシミュレーションおよび分析します。

高精度医療のユースケースにおけるパフォーマンスを最適化し、導入を簡素化するため、私たちはインテル® Select ソリューションを分子動力学ゲノム解析の両方において提供しています。

これら研究に不可欠なワークロードは、それぞれに異なる要件がある一方、大規模な集約的処理能力が必要であるという点では共通しています。第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、スループットの高速化と、より大容量の I/O およびメモリーへの対応により、こうしたニーズに応えます。インテルは業界全体にわたりパートナーと緊密に連携し、研究機関、ソリューション・プロバイダー、およびソフトウェア・ベンダーが各ワークロードに適切なハードウェアを選択し調整できるよう支援しています。

分散型 HPC 上でこうしたコンピューティング集約的なアプリケーションを構築する際は、ソフトウェアの開発において独自の課題に直面します。開発者は、インテル® oneAPI ベース・ツールキットインテル® oneAPI HPC ツールキットを使用して、複数の種類のアーキテクチャーにわたって HPC アプリケーションの構築、分析、最適化、スケーリングが簡単に行えます。これらのリソースには、ベクトル化、マルチスレッド、マルチノード並列化、メモリーの最適化における最新技術が盛り込まれています。

高精度医療における人工知能 (AI)

優良な健康アウトカムにつながる研究を加速させるため、高精度医療ツールは、AI 機能を搭載することが多くなってきています。これらのワークロードは分散型 HPC またはエッジで実行されますが、処理を加速・強化し、データ・サイエンティストや研究者がより迅速かつ効果的に知見を得るため、研究室装置には AI モデルが組み込まれています。

インテルでは、高速化した AI を提供しています。これは迅速でシームレスな性能を実現するため、研究者、デバイスメーカー、およびソフトウェア・プロバイダーにとって必要です。インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、インテル® AVX-512 およびインテル® ディープラーニング・ブースト機能による AI アクセラレーションで、データセンターの AI 性能を簡単に強化できます。

研究室においては、デバイスメーカーやソフトウェア開発者が AI をソリューションにより簡単に組み込めるよう支援しています。AI は一般的に高価な専用のハードウェアが必要であると思われていますが、インテルのツールとイノベーションは、高度な AI アルゴリズムを手ごろな価格の汎用コンピューティング・ハードウェアに直接統合できるようにしています。

例えば、インテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットは、アーキテクチャー全体で AI 推論アルゴリズムのトレーニングや導入を簡素化し、パフォーマンスや精度を犠牲にすることなく、コスト効率の高いインテル® アーキテクチャー上のなじみのあるフレームワークに導入することを容易にしています。

HPC インフラストラクチャーで AI と分析を高速化するため、インテルはインテル® oneAPI AI アナリティクス・ツールキットを提供しています。この包括的なパッケージは、データ・サイエンティストと AI 開発者、研究者に使い慣れた Python ツールと AI フレームワークを提供し、インテル® アーキテクチャー上でエンドツーエンドのデータサイエンスと分析パイプラインを高速化します。

インテル® oneAPI HPC ツールキットと同様、インテル® oneAPI アナリティクス・ツールキットのコンポーネントも、低レベルのコンピューティング最適化を実現するため、oneAPI ライブラリーを使用して構築されています。このツールキットは、事前処理から機械学習に至るまで、エンドツーエンドのパフォーマンスを最大限に高め、効率的なモデル開発のための相互接続性を提供します。

AI 高精度医療ソリューションを作成するために不可欠な要素は、さまざまなデータソースを安全に集めて、AI アルゴリズムやモデルをより良くトレーニングすることです。そのためには、インテル® ソフトウェア・ガード・エクステンションズ (SGX) を使用して、保護された連合学習を実現できます。これはクラウドやオンプレミスで、ワークロードやデータを安全な機密情報コンピューティングのエンクレーブ内に保護することで、プライバシーを保護し、セキュリティー基準を維持するものです。

クラウド分析向けのゲノム解析最適化

インテルは、クラウドにおいて最適なパフォーマンスで柔軟にゲノム解析のワークロードを実行できるようにすることに焦点を当てています。私たちはエコシステム・パートナー間でクラウドネイティブの設計を促進するため協力し、顧客がクラウドに移行するにあたって、コストとパフォーマンスの両面においてプラスの成果を得られるようにしています。

さらに、Broad Institute との取り組みには、オンプレミス、パブリック・クラウド、およびハイブリッド・クラウドのユースケースにわたってゲノミクスのワークロード用におすすめのハードウェアを提案する、GATK ベスト・プラクティスの最適化も含まれています。

高精度医療の未来を切り開く

高精度医療が進化し続ける中、インテルはパートナー、研究者、およびヘルスケア・プロバイダーと協力し、引き続きイノベーションと進歩を牽引していくことに尽力しています。ハードウェアとソフトウェアの両面から、インテルは高精度医療技術およびゲノム解析の構築に不可欠な要素を提供するとともに、ワークフローを簡素化し、インサイト獲得を高速化し、世界中で患者へのケアを改善します。

よくある質問

高精度医療は、患者の特定のサブグループが持つニーズをターゲットに、医療、疾患研究、新薬開発を行うアプローチです。特定の状態、形質、遺伝子マーカーを深く理解することで、研究者が治療計画や薬物治療を最適化し、特定の人々に最善の結果をもたらすために役立ちます。

AI は、研究者のワークフローを強化し、高精度医療に関する大量のデータを迅速に分析するために用いられます。さまざまな種類の詳細な分析実施を支援するため、ゲノム解析や量子力学などの主な高精度医療分野全般に適用されています。

高精度医療は、さまざまなグループの人々の健康における傾向や特定のニーズをより深くりかいするために用いられています。高精度医療技術から獲得した知見は、新薬開発の調整からケアプランの最適化に至るまで、健康アウトカムの改善に役立ちます。

免責事項

インテルの製品およびサービスは、医療機器として認定されておらず、臨床や診断に用いることは意図されておらず、サードパーティー製品およびソリューション内のみで使用されることが意図されています。