ラボ・オートメーションによる効率とインサイトの向上

コンピューター・ビジョンやその他の種類の人工知能によりラボにおける作業が高速化します。

ラボ・オートメーションの概要:

  • 病院や医療システムでは、臨床用ラボ・オートメーションによる高精度で迅速な診断検査が可能になっています。

  • 医薬品研究開発の現場では、ラボ・オートメーションにより科学者は膨大な数の実験を短時間で実行する上で役立っています。

  • インテル® テクノロジーは、コンピューター・ビジョン対応のロボットアームや高性能画像分析など幅広い範囲でラボ・オートメーション・ソリューションを支えています。

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ラボ・オートメーションにより、技術者と科学者はこれまで時間を浪費していた手動タスクから解放され、もっと重要な作業に注力できるようになります。患者を迅速に診断し、必要な治療をすばやく受けることが可能になります。新薬のテストも迅速に行えるため、画期的な治療法に早くアクセスできます。この未来のラボでは、人工知能が自動化を新たな次元に進化させています。

単純な血液検査でも細胞培養で治療候補薬の効果を解析する場合でも、医療とライフサイエンスに関わる重要な疑問の答えはラボで得られます。ラボの成功には、高速かつ高スループットの高精度の実現が不可欠です。ラボをより効率的に活用できれば、研究者の発見と医師の診断もそれだけ迅速化できるため、世界最高クラスの医療の実現が早まります。

ラボ・オートメーションには、臨床用ラボと研究用ロボにおける膨大な量の手動タスクを自動化する一連のテクノロジーが関わっています。増加を続ける使用事例では、マシンラーニング、ディープラーニング、コンピューター・ビジョンなどの人工知能 (AI) とラボ用ロボット工学などのテクノロジーが導入されています。ラボ用ロボット工学とオートメーションは、ベンチトップの各種計器からスタンドアロンのシステムやマイクロスコープまで、幅広いプロセスと機器に適用することが可能です。ラボ・オートメーション・システムは使用方法によっては、単機能であったり多くの異なる機能を組み合わせたりすることができます。

臨床用ラボ・オートメーション

臨床用ラボにおける自動化では、診断用検査の時間を短縮して効率を向上しつつ、精度を確保することが主に重視されます。臨床用ラボは 24 時間休みなく運用される傾向があります。ラボの検査技師にとって、1 ヵ所以上の病院や診療所から依頼される膨大な数の検査を管理できることは非常に重要です。

臨床用ラボ・オートメーションの最新ソリューションでは、バーコードの読み取りと検体の識別にコンピューター・ビジョンを採用し、正確に移動させるためにロボットアームを役立てています。また、臨床用ラボではデジタル病理学などの領域でマシンラーニングの活用も視野に入れています。これにはエッジサーバー上で高水準のコンピューティング性能が求められます。

医薬品研究開発

研究と医薬品開発の迅速化において科学者を支援しているラボ・オートメーション・システムには、自動分注ロボット、DNA シーケンサー、ハイコンテント・スクリーニング (HCS)、ハイスループット・スクリーニング (HTS) などがあります。研究者は非常に多くの実験を行うことができるため、新薬、がんの治療薬やその他の治療法の発見につながります。マシンラーニングとディープラーニングは、HCS や他の画像処理ワークロードを高速化するアルゴリズムと共に、研究用ラボでは特に重要です。

例えば、インテルと Novartis は、HCS の高速化により早期の創薬を支援するために、ディープ・ニューラル・ネットワーク (DNN) を用いて、画像解析モデルのトレーニング時間を 11 時間から 31 分に短縮しました1。チームは 8 CPU 搭載サーバー、高速ファブリック・インターコネクト、最適化された TensorFlow を使用して顕微鏡画像の処理を大幅に高速化しました。このソリューションにより、研究者は多様な細胞培養における無数の化学治療の効果を研究し、各種薬剤の潜在的な効果を評価することができました。

ラボ・オートメーションの利点

ラボの手動プロセスの自動化には数多くの利点がありますが、特に顕著なのは時間の短縮です。さらに重要なのは、タスクを高速に完了する一方で、高い精度を維持することです。例えば、研究者が薬剤の標的に対して百万個の化合物のテストを実行し、画期的な治療薬をこれまでは不可能だった短期間で発見できるようになります。

  • エラーの減少。設計上、ラボ・オートメーションは、プロセスから手作業を取り除くことで、ヒューマンエラーの可能性を低減します。2 これは、テストの再現性と一貫性にもつながります。
  • 完了までの時間の短縮。自動化されたシステムでは、ハイスループット・スクリーニングや他の実験を人力では不可能な速度で、精度を確保したまま実行できます。3
  • スタッフの戦略的な活用。ラボの技術者と科学者は、反復的な作業を延々と続けることなく、専門的技能を必要とする業務を行い、戦略的に重要なタスクに注力できるようになります。
  • コストの削減。ラボ・オートメーション・システムは、必要とする試薬の量を減らし、廃棄を最小限に抑えることで、コストの削減に役立つことがあります。
  • 職場の安全性。ラボ・オートメーションは、人の介入の必要性を最小限に抑えることで、病原体や有害な化学物質に対する曝露を制限し、反復的な動作による負傷を減らす上でも役立ちます。

インテルと Novartis はディープ・ニューラル・ネットワーク (DNN) を使用して画像分析モデルのトレーニング時間を 11 時間から 31 分に短縮しました1

ラボ・オートメーション・テクノロジー

ロボットアームから画像処理まで、インテル® テクノロジーは最新のラボ・オートメーション・ソリューションを実現しています。当社の多岐にわたるコンピューティング・テクノロジーの製品ポートフォリオは、ビジョンおよび他の種類の AI 向けのソフトウェア対応機能に加えて、各種のパワーと性能の要件に対応する広範囲なコンピューティング・オプションを機器メーカーに提供しています。

さらに、インテル® テクノロジー搭載サーバーとストレージは、ラボ全体のデータ管理に適した堅牢な基盤となります。このように、人の介入なく自動化システムで FAIR データの原則 (データを見つけられる「Findable」、アクセスできる「Accessible」、相互運用できる「Interoperable」、再利用できる「Reusable」) をサポートしています。

ラボ・オートメーション向けインテル® テクノロジー
インテル® Core™ プロセッサーIntel Atom® プロセッサー インテルのプロセッサーは、ラボのプロセス自動化に必要なパフォーマンスと消費電力を正しく提供します。検体の処理と採取、分類、遠心分離、その他の分析の前処理と後処理の作業に最適です。
インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、ラボのエッジサーバーに十分なハイパフォーマンスを提供します。特にハイコンテント・スクリーニング (HCS) やその他の画像処理に有用です。
インテル® Movidius™ VPU インテル® Movidius™ VPU はエッジにおけるコンピューター・ビジョンを目的に設計されています。この低消費電力の VPU により、バーコードの読み取り、ロボットアームの移動、検体の分析などの作業が可能になります。
インテル® Optane™ パーシステント・メモリーと SSD インテル® Optane™ パーシステント・メモリーとソリッドステート・ドライブ (SSD) は、大規模なインメモリー・アプリケーションをサポートしています。ラボ・オートメーションの画像処理と AI ワークロードに最適です。
AI ソフトウェア・ツール3 開発者向けにインテルはソフトウェア・ライブラリーと、TensorFlow や Caffe など一般的フレームワークの最適化を提供し、インテル® アーキテクチャー上でのパフォーマンスを向上させています。OpenVINO™ ツールキットのインテル® ディストリビューションは、VPU や CPU を含むインテル・プラットフォーム上でのビジョン・アプリケーションの開発を効率化します。
インテル® Wi-Fi 6インテル 5G 最新の Wi-Fi と 5G 規格に対応することで、インテルはラボ用機器の接続プロセスを合理化しています。高速接続により、リモート制御、リアルタイム・モニタリング、その他のエッジ・クラウド間のユースケースを実現します。

未来のラボを実現

モノのインターネットはすでにデータのサイロ化を克服し、新たな次元の自動化を可能にし始めています。顕微鏡画像をリアルタイムで処理して、実験結果を分析して世界中のラボと共有できるようになりました。センサーデータに AI アルゴリズムを適用して、メンテナンスの予測を通知できるため、装置のダウンタイムも回避できます。

さらに高速な処理、ストレージ、ネットワーク・テクノロジーは、今後も未来のラボの効率を向上し続けていきます。例えば、Translational Genomics Research Institute (TGen) の研究者は、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリー搭載ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) インフラストラクチャー上で患者ゲノムのシーケンシングを実施し、その後ゲノミクス解析を実行しています。最新の HPC ハードウェアを使用して迅速に分析を実行することにより、遺伝カウンセラーと医師はより迅速に治療の選択肢を特定できるようになります。最新の HPC ハードウェアは、膨大な量のデータにマシンラーニングの手法を適用し、高精度医療の新たな高み到達できるインサイトを研究者に与える基盤を提供します。

TGen は、ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) インフラストラクチャーを構築しました。ライフサイエンスに最適化された同インフラストラクチャーには、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリー、インテル® Optane™ メモリー、Dell ラックサーバーが使用されています。

臨床用、研究用、製薬会社のラボのネットワーク化と自動化が進んでいる現在、インテルはデータを効率よく移動、保存、処理するテクノロジーの基盤を提供します。クラウドにおけるゲノミクス解析でもエッジにおけるロボットアームの制御でも、インテル® テクノロジーは自動化されたラボのあらゆる段階でインテリジェンスを実現します。

よくある質問

ラボ・オートメーションでは、臨床用ラボや研究用ラボの手動による大量のタスクを自動化するために、ロボット工学、AI、その他のテクノロジーを使用しています。

オートメーションにより、臨床用ラボと研究用ラボのどちらでも完了および発見までの時間を短縮できます。病院や製薬会社、バイオテクノロジー企業、大学、その他の研究機関のラボが含まれます。

ラボのロボット工学とオートメーションは幅広いハードウェアとソフトウェアにより実現されていますが、場合によってはコンピューター・ビジョンやその他の種類の AI といった特別な機能も使用されます。

免責事項

インテル® テクノロジーを使用するには、対応するハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。

絶対的なセキュリティーを提供できる製品またはコンポーネントはありません。

コストと結果は状況によって異なります。

免責事項

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20 倍の速度は、シングルノードのシステムから 8 ソケットのクラスターにスケーリングしたことによる 21.7 倍の速度向上をもとにしたものです。8 ソケットクラスターのノード構成: CPU: インテル® Xeon® 6148 プロセッサー (2.4GHz、コア数: 40、ソケット数: 2)、ハイパースレッディング: 有効、ノード当たりメモリー: 192 GB、2666 MHz、NIC: インテル® Omni-Path ホスト・ファブリック・インターフェイス (インテル® OP HFI)、TensorFlow: v1.7.0、Horovod: 0.12.1、Open MPI: 3.0.0、クラスター: ToR Switch: インテル® Omni-Path スイッチ。シングルノード構成: CPU: インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7290F、192 GB DDR4 RAM、1.6TB インテル® SSD DC S3610 シリーズ SC2BX016T4 x 1、480GB インテル® SSD DC S3520 シリーズSC2BB480G7 x 1、インテル® マス・カーネル・ライブラリー (インテル® MKL) 2017/DAAL/Intel Caffe。*参考資料: BBBC-021: Ljosa V, Sokolnicki KL, Carpenter AE, Annotated high-throughput microscopy image sets for validation, Nature Methods, 2012.ImageNet: Russakovsky O et al, ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge, IJCV, 2015.TensorFlow: Abadi M et al, Large-Scale Machine Learning on Heterogeneous Systems, Software (tensorflow.org より入手可能)。テスト結果は、特定のシステムにおける個々のテストでのコンポーネントの性能を実証するものです。ハードウェア、ソフトウェア、システム構成などの違いにより、実際の性能は掲載された性能テストや評価とは異なります。システムやコンポーネント製品の購入を検討される場合は、ほかの情報や性能テストも参考にして、性能を総合的に評価してください。性能やベンチマーク結果について、さらに詳しい情報をお知りになりたい場合は、https://www.intel.co.jp/ を参照してください。インテル® テクノロジーの機能と利点はシステム構成によって異なり、対応するハードウェアやソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。実際の性能はシステム構成によって異なります。絶対的なセキュリティーを提供できるコンピューター・システムはありません。詳細については、各システムメーカーまたは販売店にお問い合わせいただくか、http://www.intel.co.jp/ を参照してください。

2“Advantages and limitations of total laboratory automation: a personal overview,” Clinical Chemistry and Laboratory Medicine (CCLM)、2019年2月、degruyter.com/view/journals/cclm/57/6/article-p802.xml
3

性能は、使用状況、構成、その他の要因によって異なります。詳細については、www.Intel.com/PerformanceIndex を参照してください。