インテルが医療のエッジ分析強化を支援

場所を問わずにインテリジェンスが利用可能になるエッジ分析が、医療用 IT の進歩を支援します。

インテル® テクノロジーは、エッジ・コンピューティングと分析により、データを患者の治療効果の改善に役立つ新しいインサイトに変換すると同時に、医療機関の財務とオペレーションの価値も提供しています。

エッジ・コンピューティングが医療の進歩を推進

最新の医療システム、病院、医療機関は、患者により良いサービスを提供するために、新しいツールを導入し、画期的な新しいケアモデルを構築しています。臨床意思決定支援 (CDS) を重視した戦略を取り、適時に、絞り込んだ患者固有の情報を医師に提供して、ケアの向上に役立てています。

このような取り組みにより、過去数年間に医療環境に導入される医療機器は増加し、その範囲はタブレットやウェアラブル端末からヘルスモニター、人工知能 (AI) による画像処理システムにまで及んでいます。

ウェアラブル端末は、心拍数、血圧など、患者の重要なバイタルの状態を医師にタイムリーに通知し、医療スタッフに対して警告を発して問題を未然に防ぎます。ヘルスモニターは、患者のデータを収集し、結果に基づきアクションを起こすことで、遠隔医療を支援します。例えば血糖値をモニタリングして、インシュリンを投与するインシュリン・ポンプなどのコンパニオン・デバイスにその情報を送信します。AI による画像処理モデルでは、X 線で潜在的な懸念事項を検出し、放射線科医や医師が確認する優先度を画像に設定できます。

このような新たなイノベーションの潜在力は高く、医師のワークフロー向上、コスト削減、患者のケアの向上をもたらしています。ただし、こういったエッジデバイスは一般的に、ほかの特徴も持っています。つまり、データを生成するということです。

したがって、医療システムと医療機関は、かつてないほど膨大なデータを管理し、最大限に活用する方法を決定する必要があります。帯域幅のコスト、アクセス、プライバシーを考慮しつつ、クラウドにはどのデータを送信するか、ローカルで管理した方が良いデータはどれかといったようなことです。

エッジ・コンピューティングによって、病院のオンプレミス・サーバーや患者の自宅のモバイルデバイスなど、データ生成場所の近くで、データの処理や分析、保存ができるようになりました。IT の意思決定者は、エッジ・コンピューティングでクラウドを補い、さまざまなコンピューティングのワークロードに最適な場所を選択できます。こうした戦略は、平均的な病院で 1 年に生産されるデータが 50 ペタバイトにも達している、医療システムによるデータの収集、保存、分析を最適化できます。1

クラウドとエッジ・コンピューティングの組み合わせ

最近では、医療システムと医療機関は、データの保存、分析、処理をクラウドに大きく依存しています。医療 / ライフサイエンス業界は、インテルの支援を得て、ニーズ、コスト、メリットに基づいてクラウドやエッジ・コンピューティングを戦略的に採用する新たなデータ管理戦略を策定しています。例えば医療用ウェアラブル端末で読み取ったデータをクラウドに転送するのを制限して、事前に定められた間隔でサマリー合計のみを報告する方が合理的です。

反対に、大量の運用データや財務データを取得するシステムについては、クラウドは引き続き組織全体のコスト、購買と請求のスケジュール、サプライチェーンの需要を予測するための望ましい手段である可能性を残しています。

さらに、個人データや機密データをオンプレミスに保存しておけば、医療システムと医療機関は、データの取り扱いとプライバシーに関する厳格な要件に準拠できます。例えば 1996年の医療保険の相互運用性と責任に関する法律 (HIPAA、Health Insurance Portability and Accountability Act) などです。現在 HIPAA には、デジタル・テクノロジーの急増に対応するために議会が義務付けた、個人を識別可能な医療情報の保護に関する米国連邦政府の法律が含まれています。

エッジ・コンピューティング向けのインテル® テクノロジー

インテルは、医療データの収集、分析、合成の向上を目的として、製品とテクノロジーの包括的なスイートを活用し、エッジ・コンピューティング、エッジ AI、エッジとクラウド間の接続を強化しています。ハードウェアとソフトウェアのビルディング・ブロックとツールの幅広いポートフォリオを通して、最も必要とされている分野に適したインテリジェントを利用するプロセスを簡素化しています。

インテル® QuickAssist テクノロジー (インテル® QAT) は、エッジまたはクラウドのサーバーのパフォーマンスを大幅に高めるテクノロジーの 1 つです。インテル® QAT2 は、演算負荷の高いオペレーションを高速化するよう開発されており、MRI と CT スキャンなどの医療用画像、および外科手術の映像などのビデオの圧縮と圧縮解除に対応します。

インテル® バーチャライゼーション・テクノロジー (インテル® VT) は、実用的な仮想化を実現するテクノロジーのポートフォリオであり、パフォーマンス・オーバーヘッドの削減やセキュリティーの改善を実行します。インテル® VT を使用すると、複数のアプリケーションを 1 台のサーバーで実行できます。したがって、医療システムと医療機関は、重要なトラフィックの優先度設定を効果的に実行して IT の負担を軽減し、コストの削減を促進できます。

インテルは、エッジからクラウドまでのあらゆる場所で分析と AI を実現して、医療業界が臨床意思決定支援 (CDS) の向上、診断の迅速化、患者のモニタリングと回復の向上を図れるように支援しています。

臨床用エッジ・コンピューティング・アプリケーション

インテルは、業界のパートナー企業と幅広いエコシステムを構成して、医療におけるエッジ・コンピューティング・ソリューションを促進させています。インテルとパートナー企業は、既存のクラウドやデータセンター・リソースで機能する複数のエッジデバイスやアプリケーション、サービスを単一の共通プラットフォーム上でサポートするソリューションに共同で取り組んでいます。

インテルとパートナー企業がエッジ・コンピューティングとエッジ分析により、臨床上で複数のエッジデバイスやアプリケーション、サービスによる新たな価値を医療機関にもたらした 2 つの事例をご紹介します。

OpenVINO™ ツールキットを採用した GE Healthcare の Optima XR240amx の X 線システムは、気胸の検出が 3 倍以上増加しました。2

AI に対応した画像処理

GE Healthcare は、同社の Critical Care Suite を開発するにあたり、インテルの支援を求めました。これは、胸部の X 線で臨床に関連した気胸などの生命を脅かす肺の状態を検出するために構築された AI アルゴリズム・セットです。インテルは、OpenVINO™ ツールキットを使用して、Critical Care Suite アルゴリズムの最適化を支援しました。

OpenVINO™ ツールキットが提供するコンピューター・ビジョンおよびディープラーニング推論ツールには、GE Healthcare の画像処理システムで使用される、インテル® プロセッサーに最適化された従来型の画像ベースの分類モデルも含まれています。医療スタッフは、OpenVINO™ ツールキットと AI を使用して、気胸の可能性を示す画像の特定、トリアージ、放射線科医が見る優先度設定の向上に役立てています。

インテルの支援によりアルゴリズム・パフォーマンスが向上し GE Healthcare の Optima XR240amx X 線システムでの気胸の検出は 3 倍以上増加しました。3

リモートケア

インテルは、HARMAN と共同で、医療における有望な分野の 1 つであるリモートケア分野において信頼性の高いリモートケアの実現に取り組み、さまざまな医療用デバイスと医療用以外のデバイスを接続して、医療データにアクセス可能な遠隔患者モニタリング・ソリューションを開発しました。

遠隔患者モニタリングを目的とした HARMAN Remote Care Platform (RCP) は、インテル® アーキテクチャーをベースにしたゲートウェイを使用した、インテルによる最先端のプラットフォームで構築されています。患者へのケアサービス、慢性疾患管理、患者向けの医療プログラムなどのアプリケーションがあるこのプラットフォームは、自宅にいる患者や高齢者向けの継続的なケアを可能にし、コストを最小化するように設計されています。

エッジ・コンピューティングをベースにしたリモートケアには、大きなメリットがあります。2015年に実施された調査によると、リモートケアを受けた患者は、30 日間の再入院が 50 %減少し、180 日間の再入院も 19 %減少しました。4 収益上のメリットだけでなく、遠隔医療だけでも米国の雇用主の医療コストが 1 年に 60 億ドル削減可能という推定も示されています。5

医療でエッジ分析を活用して患者の治療効果の改善を支援

画期的な新しいモバイルデバイスと診療用のデバイスが急増して、医療システムと医療機関の環境は大きく変化しています。インテルは、CDS とケアの向上のために、独自の立場でエッジデバイスの機能強化と医療機関の既存の戦略を支援しています。

インテルは、業界の知識、テクノロジー、幅広いエコシステムを活用して、医療機関がデータから実用的な価値を引き出せるようにしています。McKinsey の推定によると、現在の医療データは、コストだけで 1 年に 3,000 億ドル以上の削減が可能です。6 エッジ・コンピューティングとエッジ分析は、ケアを通してオペレーション、臨床、財務の価値を高める新たな機会をもたらし、大きな影響力があります。

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免責事項

1Bresnick, Jennifer.「Desire for Predictive Analytics Outpaces Hospital Investment」(病院の投資が追い付かない予測分析の必要性の高まり) Health IT Analytics、2016年9月8日: healthitanalytics.com/news/desire-for-predictive-analytics-outpaces-hospital-investment.
2

インテル® テクノロジーの機能と利点はシステム構成によって異なり、対応するハードウェアやソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。実際の性能はシステム構成によって異なります。絶対的なセキュリティーを提供できる製品やコンポーネントはありません。詳細については、各システムメーカーまたは販売店にお問い合わせいただくか、http://www.intel.co.jp/ を参照してください。

3 システムテスト構成の開示: インテル® Core™ i5-4590S プロセッサー CPU @ 3GHz、x86_64、VT-x 対応、16GB メモリー、OS: Linux magic x86_64 GNU/Linux、Ubuntu 16.04 inferencing service docker コンテナー。テストは GE Healthcare が 2018年9月に実施しました。テストでは、TensorFlow モデルの合計推論時間 3.092 秒と、OpenVINO™ ツールキットのインテル® ディストリビューションで最適化した同じ TF モデルの合計推測時間、0.913 秒を比較しました
5 「Current Telemedicine Technology Could Mean Big Savings」、MarketWatch、2014年8月: https://www.marketwatch.com/press-release/current-telemedicine-technology-could-mean-big-savings-2014-08-11
6 「Using It or Losing It?:The Case for Data Scientists Inside Health Care」、NEJM Catalyst, 2017年05月04日: https://catalyst.nejm.org/doi/full/10.1056/CAT.17.0493