ゲーム向けマザーボードの選び方

重要なポイント:

  • マザーボードの特徴とは?

  • チップセット

  • フォームファクタ

  • I/O

  • マザーボードの構築方法

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ゲーム向けマザーボードの選択は PC を構築する上で非常に重要な要素です。

マザーボードの機能とは何でしょうか?マザーボードとは、お手持ちのあらゆるハードウェアをプロセッサーに接続したり、電源から電力を供給したりする回路基板のことです。マザーボードによって、お手持ちの PC に接続できるストレージデバイス、メモリーモジュール、グラフィックス・カード (その他の拡張カードを含む) の種類が決まります。

以下では、マザーボードの構造について掘り下げて解説するとともに、PC を構築するためのマザーボードの選び方について、詳しく説明します。

マザーボードの構造

マザーボードは PC において最も重要な回路基板です。マザーボードの外観は時間とともに変化していますが、その基本設計は新しい拡張カード、ハードドライブ、メモリーモジュールなどの接続や、古いパーツの交換がしやすいものになっています。

マザーボードの比較の際によく使われる専門用語について説明しましょう。

プロセッサーのソケット

マザーボードには、通常少なくとも 1 つの CPU ソケットが含まれていますが、これにより CPU (PC の機械的な「頭脳」) がほかの重要なコンポーネントと接続できるようになります。コンポーネントには、メモリー (RAM)、ストレージ、拡張スロットにインストールされているそのほかのデバイスをはじめ、GPU などの内部デバイスや周辺機器などの外部デバイスも含まれます。

(すべてのマザーボードにソケットがあるわけではありません: ミニ PC や多くのノートブック PC のようにわずかなスペースしかないシステム環境においては、CPU はマザーボードに直接はんだ付けされています。)

マザーボードを選ぶ際は、お手持ちの CPU の説明書をご参照のうえ、マザーボードがお手持ちの CPU に対応していることをご確認ください。ソケットは、ピン配列を変更することによって、様々な世代や性能またその他の要素に基づく異なる製品に対応するので、それぞれ形状が異なります。ソケット名はピン数に由来します: 例えば、LGA 1151 ソケットは、第 9 世代インテル® CPU に対応し、ピン数は 1,151 個です。

最新のインテルのマザーボードでは、CPU は RAM に直接アクセスします。これにより RAM はさまざまなプログラムから命令を受け取り、GPU やストレージドライブなど、性能を発揮する上で重要なコンポーネントを実装できる拡張スロットにも CPU から直接アクセスできます。メモリー・コントローラーは CPU 上で動作しますが、ほかのデバイスの多くは、さまざまな拡張スロット、SATA 接続、USB ポート、サウンド・ネットワーク機能を制御するチップセットを介して CPU と通信します。

マザーボードの配線 (導電性の金属) を経由して CPU に接続するピンもあれば、電源ピンまたはグランドピンといった集合端子もあります。お使いの PC で起動やインストールされたメモリーの認識に問題がある場合、考えられる問題のほかに、ピンが曲がっているために CPU に接続できていないことが原因である可能性があります。

ソケットの形状によっては、マザーボード上またはプロセッサーのパッケージ上にピンが配置されています。インテル® Socket 1といった旧式のソケットの多くはピン・グリッド・アレイ (PGA) 形式で、CPU 側に配置されているピンが、ソケット側の導電ランドに接合されます。

ランド・グリッド・アレイ (LGA) ソケットは、最新のチップセットの多くで使用されていますが、本質的に PGA 形式とは反対の方法、つまり、ソケット側のピンが CPU 側の導電ランドに接続します: LGA 1151 は、このソケットタイプの一例です。

現在 CPU ソケットは、ZIF (Zero Insertion Force) タイプの取付方法を採用しています。これにより、所定の位置にプロセッサーを置くだけでしっかりと固定されるので、取り外し時にピンが曲がってしまうような無理な力を加える必要がありません。

この技術革新については1989年に、80486 (または486) と呼ばれる CPU で動作するインテル® Socket 1 より使用が開始されました。インテル® Socket 1 の初期設計では CPU を挿入するのに 最大100 ポンドの力が必要でしたが、当時の CPU と同世代のメーカーによって使い勝手の良いデザインが開発され、ほぼ力を加えず、道具を使わずに取り付けが可能となりました。

チップセット

チップセット とは、特定の CPU で動作するマザーボードに搭載されているシリコンの集積回路です。チップセットには、接続されたさまざまなストレージや拡張デバイスと CPU との間における通信を中継する機能があります。

CPU は (内蔵メモリー・コントローラーを介して) RAM に直接接続し、限られた数の PCIe* レーン (拡張スロット) に接続しますが、チップセットは、マザーボード上の他のバス (追加の PCIe レーン、ストレージデバイス、USB スロットなどの外部ポート、および多くの周辺機器) を制御するハブとして機能します。

標準モデルのチップセットと比べると、ハイエンドなチップセットであるほど、より多くの PCIe* スロットや USB ポートの追加が可能です。また、より直接的に CPU と接続することで、最新のハードウェアを構成したり、PCIe* スロットをそれぞれ割り当てることも可能です。

インテル® Pentium® プロセッサー・ファミリー向けのチップセットによく見られる、従来型のチップセット設計は、マザーボードの異なる機能を処理するノースブリッジとサウスブリッジに分割されていました。2つのチップが組み合わさり、「チップセット」となりました。

この旧型設計のノースブリッジすなわち「メモリー・コントローラー・ハブ」が、システムバスまたはフロント・サイド・バス (FSB) と呼ばれる高速のインターフェイスを経由して、直接 CPU に繋がっていました。このノースブリッジが、メモリーやグラフィックス・カードと接続された拡張バスなど、システムの性能に重要なコンポーネントを制御していました。サウスブリッジ、すなわち「I/O コントローラー・ハブ」は、低速の内部バスでノースブリッジとつながり、そのほかの拡張スロット、イーサネット、USB ポート、内蔵音声など、ほぼすべてのコンポーネントを制御していました。

2008年の 第 1 世代インテル® Core™ プロセッサーより、ノースブリッジの機能を CPU に集約したチップセットとなりました。チップセットの性能に影響を与える主な要因であるメモリー・コントローラーは、現在では CPU の中に内蔵され、CPU と RAM 間の通信遅延を低減しています。CPU は2つのチップというより 1 つのチップ、つまりプラットフォーム・コントローラー・ハブ (PCH) に接続し、PCIe* レーン、I/O 機能、イーサネット、CPU クロックなどを制御します。ダイレクト・メディア・インターフェイス (DMI) の高速バスにより、CPU のメモリー・コントローラーと PCH をポイントツーポイントで接続します。

チップセットの選択

最新のチップセットでは、かつてはマザーボードに接続されている各コンポーネントに分離していた多様な機能が統合されています。オンボードのオーディオ、Wi-Fi、Bluetooth®3 テクノロジー、さらには暗号化ファームウェアさえもがインテル® チップセットに統合されています。

Z390 などのハイエンドのチップセットは、オーバークロックへの対応や、より高速のバススピードといった多くの利点を提供することができます。しかし、インテル® チップセットはさらなる改善をもたらします。

ここでは、インテル® チップセットシリーズの違いを簡単にご説明します。

Z シリーズ

  • オーバークロックに対応する、「K」付きの CPU
  • 最大 PCIe* レーン数 24
  • 最大 6 基の USB 3.1 Gen 2 ポート

H シリーズ

  • オーバークロック非対応
  • 最大 PCIe* レーン数 20
  • 最大 4 基の USB 3.1 Gen 2 ポート

B シリーズ

  • オーバークロック非対応
  • 最大 PCIe* レーン数 20
  • USB 3.0 ポート 1 基

これらの異なる選択肢により、インテル® チップセットの 300 シリーズの利点を提供しつつ、多様な価格帯をご用意できます。

拡張スロット

PCIe*

Peripheral Component Interconnect Express (PCIe*) は、お手持ちの CPU および / またはマザーボードのチップセットに搭載されている、高速のシリアル拡張バスです。これにより、グラフィックス・カード、ソリッドステート・ドライブ、ネットワーク アダプター、RAID コントローラー・カード、キャプチャー・カードなど多くの拡張カードを、マザーボードの PCIe* スロットに取り付けることができます。また、多くのマザーボード上で機能する内蔵周辺機器は、PCIe* を経由して接続されます。

各 PCIe* 接続は、「1 本」、「2 本」と言ったように、×1、×4、×8、×16 と記載される特定のデータレーン数が含まれます。各レーンは、2 本のワイヤ: ーで構成され、片方は発信データ、もう片方は受信データ用です。

最新の世代の PCIe* 実装により、PCIe* ×1 接続はサイクル当たり 1 ビットの転送速度を持つデータレーン 1 本を備えています。PCIe*×16 レーンは、一般的にマザーボード上で最も長いスロットで、グラフィックス・カード用に最も頻繁に使用されるスロットの 1 つでもあり、1 サイクルあたり最大 16 ビットのデータ転送が可能な 16 本のデータレーンを備えています。しかし、PCIe* の将来のイテレーションによって、クロックサイクル当たりのデータレートの倍速化も可能となるでしょう。

PCIe* の各改訂版は、前世代のほぼ 2 倍の帯域幅を持ち、これにより PCIe* デバイスの性能が向上します。PCIe* 2.0 ×16 接続は理論上、毎秒 16 GB の双方向の最大帯域幅を持ち、PCIe* 3.0 ×16 接続では、毎秒 32 GB の最大帯域幅を持ちます。PCIe* 3.0 を比較する際に挙げられる、ソリッドステート・ドライブで主に使用する PCIe* ×4 接続では、理論上、毎秒 8 GB の最大帯域幅を持つのに対して、GPU を活用する PCIe* ×16 接続ではその 4 倍の最大帯域幅を持ちます。

PCIe* の持つそのほかの機能としては、レーン数を減らしてスロットを使用するのではなく、レーン数を増やしてスロットを使用するというオプション機能があります。例えば PCIe* ×4 拡張カードは、PCIe* ×16 のスロットに挿入でき、問題なく動作します。しかし、その場合のスループットは、PCIe* ×4 スロットに挿入した時と同じ処理量となり、残りの 12 レーンは使われないままです。

M2 スロットや PCIe* スロットを備えるマザーボードもあり、プラットフォーム上で実際に利用できる PCIe* レーンよりも多くの PCIe* レーンを使用することができます。例えば、7 基の PCIe x16 スロットを備えるマザーボードについて言えば、理論上は 112 本のレーンを使用できますが、プロセッサーやチップセットの機能上は 48 本のレーンしかありません。

すべてのレーンが使用されている場合、PCIe* スロットにより低帯域幅の構成に切り替ることが多くなります。例えば、2 基の GPU が 2 基の ×16 PCIe* スロットに取り付けられている場合、PCIe* ×16 ではなく PCIe* ×8 での接続となることがあります(最新の GPS では、PCIe* 3.0 ×8 接続がボトルネックとなる可能性は低いです)。最高水準のマザーボードによっては、実際のレーンに展開される PCIe* の切り替えモードを使用することもありますが、スロットレーンの構成は変わらないままです。

Z シリーズなどのエンスージアスト向けのマザーボードは、より多くの PCIe* レーンや より優れた PC 構築のための柔軟性を提供します。

M.2 と U2

M.2 は、Non-Volatile Memory Express (NVMe) ソリッドステート・ドライブ、インテル® Optane™ メモリー、Wi-Fi カード、およびそのほかのデバイスを含む、小型の拡張デバイス (長さ 16~110mm) に適合するコンパクトなフォームファクターです。

M.2 デバイスには、マザーボード上のソケットとの互換性を決定する、異なる「Key」 (金色の接続端子の配置) があります。M.2 デバイスにより、使用するインターフェイスはさまざまですが、最も一般的である M.2 カードは、4 本の低レイテンシーの PCIe* データレーンまたは旧型の SATA バスを使用します。

その理由として、M.2カードは比較的小型で、ストレージ容量や小さいシステム環境でのシステム容量を拡張しやすいことが挙げられます。M.2カードをマザーボードに直接接続することにより、従来の SATA ベースのデバイスで必要としていたケーブルを使わずにすみます。

U.2 コネクターとは、2.5 インチ SSD に接続する代替インターフェイスのことで、PCIe* 接続ケーブルを使用します。U.2 ストレージドライブは、データセンターやデータサーバーなどプロフェッショナル向けの構築で頻繁に使用されるもので、コンシューマ向けの構築ではあまり使われません。

U.2 と M.2 では、同数の PCIe レーンが使用されます。U.2 ではホットスワップ (ドライブを使用するシステムを稼働させたまま、そのドライブを取り外すことが可能) や M.2 よりも多くの電力構成に対応できるものの、U.2 と M.2 は同等の速度で動作することができます。

SATA

SATA (シリアル ATA) は、現在ではあまり使われなくなったコンピューター向けの旧型バスで、2.5 インチまたは 3.5 インチのハードドライブ、ソリッドステート・ドライブ、DVD や Blu-Ray を再生する光学ドライブに接続します。

PCIe* よりも低速ではありますが、一般的な SATA 3.0 インターフェイスは、最大毎秒 6Gbit のデータ転送速度に対応しています。最新の SATA Express (SATAe) 形式では、2 基の PCIe レーンを使用して、最大毎秒 16Gbit の速度に達します。SATA Express (SATAe) は、(対応する) 外付けハードドライブを簡単に接続できる外部ポートである、外部SATA (eSATA) とは別のものです。

拡張スロットは、1981年に最初の IBM Personal Computer が発売されて以来、PC マザーボードの機能として期待されてきたもので、ISA (Industry Standard Architecture) と呼ばれる 16 ビット拡張バスが使用されています。続いて、PCI* (Peripheral Component Interconnect) VESA ローカルバス、PCI*-X、AGP (Accelerated Graphics Port) などの拡張バス規格がいくつか追加されました。これにより、グラフィックス・カードをノースブリッジに接続するために使用される PCI* 規格において、ポイントツーポイントの改良が可能になりました。

PCIe* と以前の PCI* テクノロジーの重要な違いは、並列接続ではなくシリアル接続を使用することです。PCI* の並列データ転送において、共有バスはそのバスに接続される最も遅い周辺機器の速度に制限されるということがありました。PCIe* により、各レーンで順次データの転送を行うため、各それぞれのデバイスはポイントツーポイントで接続することができます。

RAM

マザーボードには、高速受信のための一時データを格納する揮発性メモリースティックである、RAM モジュール: 用のスロットも用意されています。高速 RAM に備わる複数のスティックにより、PC が速度を落とさず同時進行でプログラムを稼働させることができます。

ATX フォームファクターなどのフルサイズのマザーボードには 4 基のスロット、mITX などのサイズに制約があるマザーボードには 2 基のスロットが用意されているのが一般的です。しかし、インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー X シリーズ対応のマザーボードをはじめ、インテル® Xeon® プラットフォーム準拠サーバー / ワークステーション用マザーボードなどの HEDT マザーボードは、最大 8 基のスロットを備えることができます。

最新のインテル® マザーボードでは、デュアルチャネル・メモリーのアーキテクチャーに対応し、CPU のメモリー・コントローラと DIMM (dual in-line memory modules) RAMの間でデータを転送する独立した 2 つのチャネルが存在しています。RAM スティックが周波数に合わせて 2 つとも実装されている限り、アプリケーション使用時のデータ転送の高速化や、性能の向上が実現します。

従来のチップセットにおいては、フロント・サイド・バスを経由してノースブリッジ / メモリー・コントローラーを接続するといった多段階のプロセスを踏むことで、CPU は RAM と通信を行っていました。最新のインテル® チップセットにおいては、メモリー・コントローラーは CPU に統合され、低レイテンシーで接続でき、インテル® ウルトラ・パス・インターコネクト (インテル® UPI) と呼ばれるポイントツーポイントのつながりが可能となりました。

フォームファクター

マザーボードのフォームファクタにより、必要な筐体のサイズ、動作する拡張スロット数、マザーボードのレイアウトや冷却などのあらゆる観点が決まります。一般的には、フォームファクタが大きいほど、動作する DIMM、フルサイズの PCIe*、M.2 をより多く構築できます。

ユーザーや各製造業者の双方で扱いやすいよう、デスクトップ用マザーボードの寸法は高度に標準化されています。その一方で、ノートブック PC のフォームファクタは、それぞれ独自のサイズに制約があるため、メーカーによって異なります。これは優れた特別仕様のプレビルドデスクトップ PC にも当てはまります。

一般的なデスクトップ PC 用マザーボードのフォームファクタには、以下のようなものがあります:

  • ATX (12 インチ×9.6 インチ): フルサイズのマザーボードにおける現在の標準規格です。標準規格のコンシューマー向け ATX マザーボードは、一般的に 0.7 インチ間隔の拡張スロット 7 基と DIMM (メモリー) スロット 4 基を持つのが特徴です。
  • 拡張 ATXeATX (12インチ x 13インチ): エンスージアストやプロフェッショナル向けに設計された ATX フォームファクタには、多彩なバリエーションが用意され、より柔軟性の高いハードウェア構成を実現するために、追加でプラットフォームを実装することができます。
  • Micro ATX (9.6 インチ × 9.6 インチ): 2 基のフルサイズ (×16) 拡張スロットと 4 基の DIMM スロットを持つ、ATX における小型のバリエーションです。ミニタワーに適していますが、これより大型の ATX 筐体の取り付け穴にも対応しています。
  • Mini-ITX (6.7 インチ × 6.7 インチ): ファン冷却のない小型のコンピューターでの使用向けに設計さ れた小さなフォームファクタです。フルサイズの PCIe* スロット と 一般的な 2 基の DIMM スロットを備えています。この取り付け穴も ATX 筐体に対応しています。

BIOSについて知っておくべきこと

まず初めに、コンピューターの起動が BIOS (Basic Input/Output System) かどうかを確認してください。BIOS とはオペレーティング・システムの起動前にロードされるファームウェアのことで、接続されているすべてのハードウェアを起動したりテストしたりする役割があります。

ユーザーによっては、BIOS をマザーボードの名称と同じものとして見なすことが多々ありますが、最新のマザーボードのファームウェアは UEFI (Unified Extensible Firmware Interface) が一般的です。柔軟性の高いこの環境では、大容量ストレージ・パーティション、起動の高速化、最新の GUI (グラフィカル・ユーザー・インタフェイス) に対応するなど、使い勝手の良い拡張が可能です。

マザーボードのメーカーは、UEFI ユーティリティを追加することで、PC の CPU またはメモリをオーバークロックするプロセスを合理化し、便利な事前設定を提供します。また、型にはまった外観が特徴で、ロギングとスクリーンショットの機能の追加、別のドライブからの起動などのプロセスの簡素化、モニターメモリー、温度、ファン速度の表示などを行うこともできます。

UEFI は従来からある BIOS の機能にも対応しています。レガシーモード (CSM、互換性サポート・モジュール) で起動することで、従来の BIOS にアクセスでき、古いオペレーティング・プログラムやユーティリティとの互換性の問題が解決されます。しかし、レガシーモードで起動する場合は、2 TB を超えるパーティションへの対応など、UEFI の最新の利点が明らかに損なわれます。(注: 起動モードに切り替える前は、常に重要なデータをバックアップしてください)。

内部コネクター

マザーボードのすべての部分に電力を供給するには、電源装置用ケーブルと筐体用ケーブルをマザーボードのコネクタとヘッダー (露出したピン) に差し込む必要があります。マニュアルの関連資料や、CPU ファンなどマザーボード本体上にある印刷された小さな文字列などを確認して、各ケーブルを適切なコネクタに結合させます。

電源とデータ接続

  • 24ピンの電源コネクター
  • 8 / 4 ピン 12V CPU 電源コネクター
  • PCIe* 電源コネクター
  • SATA Express/SATA 3 コネクター
  • M.2 コネクター

ヘッダー

  • フロント・パネル・ヘッダー: 電源ボタン、リセットボタン、ハードドライブ LED、電源 LED、内蔵スピーカー、ケースの特性に合わせた個々のピンの集まり
  • フロント・パネル・オーディオ・ヘッダー: ヘッドフォンとスピーカーのポートに電力を供給
  • ファンとポンプのヘッダー: CPU、システム、水冷用
  • USB 2.0、3.0、3.1 のヘッダー
  • S/PDIF (デジタルオーディオ) のヘッダー
  • RGB の細いヘッダー

外部ポート

マザーボードは外部デバイスが接続するハブであり、I/O コントローラーがこれらのデバイスを管理します。コンシューマ向けマザーボードには、モニター (ディスクリート・グラフィックス・カードをお持ちでない場合や、ディスプレイの問題をトラブルシューティングする場合に便利です) をはじめ、キーボード、マウス、オーディオデバイス、イーサネットケーブルなどのさまざまな周辺機器に、CPU の統合グラフィックスを接続するポートが用意されています。USB 3.1 Gen 2など USB ポートのさまざまな改訂版を使用することにより、高速化が実現します。

マザーボードは、取り外し可能な統合型の「I/O シールド」で覆われている背面パネル側の外部ポートを集積化します。I/O シールドは、頻繁に金属筐体と接触するため堅牢な設計となっています。I/O シールドは、マザーボードに取り付けられている場合もあれば、システムを組み立てるときに個別に取り付けられる場合もあります。

周辺機器とデータ転送

  • USB ポート: マウス、キーボード、ヘッドフォン、スマートフォン、カメラなどの周辺機器に接続するためにいつでもどこでも使用できるポートです。USB ポートは、電力とデータ (USB 3.2 を使用時、最大毎秒 20 GBit の速度) の両方を供給します。最新のマザーボードには、従来からの USB Type-A コネクターと薄型でリバーシブルの Type-C コネクターの両方が搭載されています。
  • Thunderbolt™ 3 ポート: USB-C コネクターを使用する高速ポートです。Thunderbolt™ 3 テクノロジーにより、最大毎秒 40 GB の速度でデータ転送ができ、DisplayPort 1.2 と USB 3.1 規格にも対応しています。DisplayPort 対応により、複数の互換性のあるモニターを「デイジーチェーン接続」して、同じ PC からドライブを動作することが可能になります。
  • PS/2 ポート: ​​​レガシーポートとも言われ、色分けされた 6 つのピン接続により、キーボードやマウスにつながります。

ディスプレイ

これらの DisplayPort は、マザーボードに内蔵するグラフィックス・ソリューションに接続します。拡張スロットの1つに取り付けされたグラフィックスカードにより、独自の DisplayPort オプションを提供します。

  • HDMI (High-Definition Multimedia Interface):​​​​ いつでもどこでも使用できるデジタル式の接続により、新規格の HDMI 2.1 では最大 8K/30Hz の解像度に対応しています。
  • DisplayPort: ディスプレイ用の標準規格のことで、DisplayPort 1.4 において最大 8K/60Hz の解像度に対応します。マザーボードよりもグラフィックス・カードの方が一般的ですが、多くのボードは Thunderbolt™ 3 ポートを介して DisplayPort をサポートします。
  • DVI (Digital Video Interface): このレガシーポートの起源は1999年まで遡ります。デジタル式 29 ピンの接続により、シングル接続または高帯域幅のデュアル接続 DVI のいずれかに対応しています。デュアル接続により最大 2560 × 1600 / 60Hz の解像度に対応します。アダプターで VGA に簡単に接続できます。
  • VGA (Video Graphics Array): アナログ式 15 ピンの接続により、最大 2048 × 1536 の解像度/ 85Hz のリフレッシュレートに対応します。このレガシーポートはマザーボード上でも見かけることがあります。高解像度やケーブルが短い状況下では、シグナル低下がよく起こります。

オーディオ

PC 筐体の前面には、ヘッドフォン用にラベルが付けられた 2 基のアナログ式 3.5mm オーディオポート (ヘッドフォン出力) とマイク (内蔵マイク) を備えています。

マザーボードの背面パネルには通常、色分けされた 6 つのラベル付き3.5mm アナログ式オーディオポートがあり、マルチチャネル・スピーカー・システムに接続することができます。

マザーボード上のオーディオポートの色は、メーカーによって異なりますが、以下のものが標準です:

後方スピーカー出力

オレンジ中央スピーカー / サブウーファー出力

ピンクマイク内蔵

前方スピーカー (またはヘッドフォン) 出力

ラインイン

銀色 サイドスピーカー出力

また、マザーボードには、デジタル式スピーカー、ホームシアター受信機といったオーディオデバイスで動作する、同軸ポートや光学オーディオポートなどの S/PDIF (Sony/Philips Digital Interface) コネクタが搭載されていることもあります。これは、使用しているデバイスが HDMI 経由のオーディオ転送に対応していない場合に便利です。

ネットワーキング

コンシューマー向けマザーボードのほとんどは、イーサネット・ケーブル経由でルーターまたはモデムに接続できる RJ45 LAN ポートを備えています。Wi-Fi アンテナで使用できるデュアルポートだけでなく、また、10ギガビットイーサネットポートなどの高度な接続機能も備えているマザーボードもあります。

PCB とは?

メーカーの広告とマニュアルでは、しばしば PCB の構築方法が言及されるため、マザーボードの製造に関する基本的な用語をいくつか知っておくと役立ちます。

最新のマザーボードは、ガラス繊維と銅の層から作られるプリント回路基板 (PCB) で、そのほかのコンポーネントは、マザーボード内に取り付けられたり、ソケットに入れられたりします。

最新の PCB では 10 層ほどの層があるのが一般的で、表面に見えるよりもはるかに高密度で相互接続されています。

導電性「トレース」はそれぞれ、マザーボードの基盤の表面を覆う可視線を指し、別個の電気的接続を行います。これらのトレースが破損した場合、回路にて処理が完了できず、マザーボードのコンポーネントも正しく機能しなくなります。たとえば、PCIe 接続から PCH への伝送時にトレースに深い傷が入ってしまうと、PCIe スロットに取り付けられている拡張カードの電源が入らなくなる可能性があります。

導電性トレースが化学エッチングにより形成された後、酸化を防止するため、従来からある緑のポリマーコーティング、すなわち、ハンダマスクをメーカーにて追加工します。また、損傷を防ぐこともできます。これにより、マザーボードをケースに取り付ける際に、小さなスクラッチやバンプによってトレースが破壊されることがなくなります。

メーカーがほかに追加で行うこととは?

マザーボードメーカーは独自のチップセットを作成しませんが、製造、美学、レイアウトや冷却、BIOS機能、Windowsマザーボードソフトウェア、プレミアム機能など、さまざまな決定を下します。これらの機能の範囲は広すぎて完全にカバーできませんが、一般的な追加はいくつかの一般的なカテゴリに分類されます。

オーバークロック

ハイエンドマザーボードは、自動テストとチューニングを自動的に実行してCPU、GPU、およびメモリをオーバークロックすることができます。これにより、UEFI環境における周波数および電圧番号の手動調整に代わる使いやすい代替手段が提供されます。また、CPU 速度を微調整するオンボードクロックジェネレータ、強化された VRM(Voltage Regulator Module)、オーバークロックコンポーネント近くの追加熱センサー、およびマザーボード上の物理ボタンでも、オーバークロックを開始して停止することができます。お手持ちの PC をオーバークロックする詳細については、こちらをご覧ください。

冷却

PCH や VRM などのマザーボードコンポーネントを稼働させると、かなりの熱が発生します。安全な動作温度を維持するために、マザーボードの製造元はさまざまな冷却ソリューションをインストールしています。これらの範囲は、ヒートシンクによって提供されるパッシブ冷却から、小型ファンまたは統合水冷却などのアクティブソリューションまでの範囲です。

アクティブな冷却ソリューションは、ウォータークーラーや回転ファンのポンプなどの可動パーツがあります。受動冷却ソリューションはヒートシンクに見られるように、可動せずに冷却を行うものです。受動冷却ソリューションは厳しい状況での使用が好まれることがあり、アクティブな冷却ソリューションは寿命が短めで、より小さい動作音の方が好まれます。

ソフトウェア

マザーボード・ソフトウェア・スイートにより、Windows* 搭載のマザーボードの管理がしやすくなります。機能セットはメーカーによって異なりますが、ソフトウェアは古いドライバーのスキャン、温度の自動監視、マザーボード BIOS の安全な更新、ファン速度の簡単な調整、Windows* 10 よりも詳細な省電力プロファイルの提供、ネットワーク・トラフィックの追跡さえ可能な場合もあります。

オーディオ

高度なオーディオコーデック、内蔵アンプ、強化されたコンデンサにより、オンボードオーディオシステムの出力が向上します。信号干渉を回避するために PCB の異なる層で異なるオーディオチャネルを分離することもできます。

建設

多くのメーカーは、メモリ回路の隔離と信号の完全性の向上に役立つと言われている PCB 構築技術を宣伝しています。マザーボードによっては、コネクターの保護やグラフィックスカード(通常のラッチで固定されたもの)のサポートを目的として、PCB の上部に余分なスチールメッキを追加することもあります。

RGB 照明

ハイエンドのマザーボードでは、RGB ヘッダーを使用して、カスタマイズ可能なカラーと効果を備えた LED ライトのアレイを出力することができます。ノートブック PC (高速化や影響などの異なる接続により)、接続を交互に切り替えます。複数のカラー・チャネルを持つ RGB ヘッドにより、Portable LLED (PLED) により、一度に複数のメッセージが表示することができます。内蔵型ソフトウェアとスマートフォン により、内蔵されている PC の簡単に LDD の構成が簡単に簡単に実現できるようになります。

選択する

次のビルドを計画する場合でも、現在のゲーム用 PC のアップグレードをする場合でも、ゲーム向けマザーボードのコンポーネントを理解しておくことは非常に重要です。それぞれが何をするのかを理解したら、ビルドに最適なゲーム向けマザーボードの選び方が分かります。

CPU に合ったソケット、ハードウェアの可能性を最大限に引き出すチップセット、そして最後にコンピューティングのニーズに合った機能セットが必要です。互換性のあるマザーボードをいくつかリストアップし、決定する前にそれぞれの主要な利点を比較してください。探しているものを正確に見つけることができます。