PC が正しく起動しないとイライラします。組み立てる場合でも、システムが突然停止した場合でも、コンピューターをどこから直したらよいか途方に暮れます。オペレーティング・システムにアクセスできないとなると、この問題はさらに深刻になります。
このガイドでは、コンピューターの電源がオンで、ディスプレイが動作しているにもかかわらず、オペレーティング・システム (OS) にアクセスできず、BIOS 画面で停止する場合の手順について説明します。この問題には多くの原因が考えられます。そこで、対処の必要がある一般的な問題をいくつか取り上げ、システムを元に戻して動作させるための方法を見てゆきましょう。
コンピューターの電源が全くオンにならない場合 (電源ボタンを押しても何も起こらない) や、一瞬オンになってから再びオフになる場合などの問題については、こちらで説明しています。
OS にアクセスできても、まだ問題が残っている場合は、ソフトウェアのトラブルシューティングを行います。こちらに、OS 関連の問題に対処するための豊富なリソースをご用意しています。
個々の状況に応じて、この記事の該当セクションを参照してください。新しい USB 式キーボード、マウス、ヘッドセットなどの周辺機器を接続している場合は、このまま読んでください。新しいストレージデバイスを最近追加した場合は、「BIOS のアップデート」セクションから読み始めてください。コンピューターが正常に起動しなかった場合は、「BIOS エラーメッセージ」セクションを参照してください。
外的要因の排除
設定を変更する前に、接続されているすべての周辺機器をコンピューターから取り外してみます。これには、電源ケーブル、モニターに接続されているディスプレイ・ケーブル、メニューを操作するためのキーボード以外のすべてが含まれます。外付けハードドライブや USB 給電式マウスなどの周辺機器を接続すると、電源の問題、ドライバーの競合、ブート順の問題が発生する可能性があり、システムが OS から起動しなくなる場合があります。
デバイスが接続されていない状態でシステムが正常に OS から起動する場合は、それぞれのデバイスを個別に接続して再起動させ、問題の原因となっている周辺機器を特定します。
BIOS エラーメッセージ
疑わしい外付け周辺機器を取り外したら、BIOS でエラーメッセージを確認します。
BIOS がハードウェアの問題を検出すると、多くの場合、BIOS メニューにアクセスする前に通知されます。エラーメッセージは、使用している BIOS と現在の問題によって異なりますが、参考のためにいくつか例を紹介します。
- CPU ファンが検出されませんでした - ファンまたはクーラーの問題。
- 起動デバイスエラー - ストレージドライブの 1 つに問題があります。
エラーが発生し、問題の原因がすぐに明らかにならない場合は、マザーボードの説明書またはメーカーのウェブサイトで詳細を調べてください。これは、問題がどこにあるかを特定し、それを修正するための次の手段を講じる上で重要なステップとなります。
エラーメッセージを調べて解決しても OS にアクセスできない場合は、BIOS をデフォルトの状態にリセットしてみてください。
デフォルトの復元
警告: BIOS はシステムの基本的な動作を制御するため、変更を行う際は注意してください。
1. BIOS メニューがまだ表示されていない場合は、BIOS メニューにアクセスします。 このプロセスはメーカーによって異なりますが、通常はシステムの電源を入れた直後にキーを押す必要があります。F2 キーまたは DEL キーが一般的です。ほとんどのシステムでは、起動直後に該当するキーが画面で指示されます。システムの電源を入れてすぐに、このキーを繰り返し押すと、BIOS メニューが表示されます。
2. デフォルト設定にリセットします。この方法については、マザーボードのメーカーごとに正確に調べてください。通常、このオプションはメニューの [Save and Exit (保存して終了)] セクションにあります。これにより、BIOS 設定がデフォルトにリセットされ、設定変更が原因の問題を解決できる場合があります。保存して再起動し、変更を適用します。
BIOS のアップデート
これは、既製品のコンピューターを使用している場合や、コンピューターが動作していて故障し始めた場合には関係ない可能性がありますが、新しい PC を自作する場合、特に古いマザーボードを流用する場合は、起動時の問題のトラブルシューティングに BIOS のアップデートが役立つ場合があります。
ここでも、プロセスはメーカーによって若干異なるため、具体的な手順について調べてください。適切な手順については、マザーボードのメーカーから提供されている説明書またはウェブサイトに記載されている可能性があります。メーカーごとにさまざまなプロセスがあり、ハイエンドのマザーボードの中には自動アップデート機能を備えているものもあります。
大容量ストレージドライブのような最新のハードウェアを古いマザーボードとペアリングすることで発生する問題などは、ファームウェアをアップデートすることで解決できる場合があります。
ストレージ
OS はストレージドライブにインストールされているため、OS のロードに失敗する場合は、ドライブに問題がある可能性があります。ストレージの問題を診断するにはいくつかの方法があります。ブート順の確認から始めましょう。
ブート順 (起動優先順位) は、使用可能なストレージオプションを PC がスキャンし、優先順位を決める順序です。OS ドライブがブート順の中で最も高い優先順位になっていない場合は、正しくロードされない可能性があります。これらの設定を調整すると、ディスクまたは外部ストレージから起動できます。これは上記の BIOS アップデートと同様に役に立つ方法です。また、起動優先順位が正しくない場合や、システムがプライマリー・ストレージデバイスを検出していない場合にも、問題が発生することがあります。
1. 外部ストレージを取り外します。 ブート順を確認するには、外部ストレージドライブまたはフラッシュドライブを取り外した状態でシステムを再起動し、起動プロセス中に適切なキーを押して BIOS 画面を表示します。
2. BIOS の [Boot (ブート)] セクションに移動します。 名称は若干異なる場合がありますが、ストレージ専用のセクションを探している場合は、通常は [Boot Priority (起動優先順位)] メニューまたは [Boot Order (ブート順)] メニューです。
3. 該当するブートドライブを特定します。 プライマリー・ドライブは、OS がインストールされているドライブである必要があります。どのドライブから起動するか分からない場合は、ドライブ自体を確認する必要があります。通常は容量とブランドがラベルに記載されており、この情報は BIOS でも参照できます。どのドライブに OS がインストールされているか分からない場合は、BIOS で 1 つを除くすべてのドライブを無効にして、システムが起動するかどうかを確認します。システムが起動しない場合は、正しいドライブが見つかるまで、このプロセスを繰り返します。ブートドライブが見つかったら、BIOS に戻り、他のストレージドライブを再度有効にします。OS がインストールされているドライブが優先順位リストのいちばん上にあることを確認します。
4. 変更を保存します。 ブート順に適切な優先順位を付けたら、変更を保存して終了します。
BIOS がドライブを全く検出しない場合 (オペレーティング・システムがインストールされているディスクが [ブート順] メニューに表示されない場合) は、ドライブ自体またはその設定方法に問題がある可能性があります。
ハードウェアの問題
過去にシステムが正常に起動したにもかかわらず、BIOS がストレージドライブを検出しなくなった場合は、ドライブ自体に問題がある可能性があります。
その場合は、ハードウェアのトラブルシューティングを行います。ここでは、システムのケースを開けて作業します。
ケースを開ける前に、電源ケーブルを抜いて、ケースを安全に開ける方法を確認してから作業してください。既製品のシステムで作業する場合は保証に違反する可能性があるので注意してください。ケースを開けてよいかどうか不明な場合は、システムのメーカーにお問い合わせください。
システムのケースを開けたら、ストレージドライブのケーブルが正しく接続されていて緩んでいないことを確認します。M.2 ドライブを使用している場合は、マザーボードの正しいスロットに正しく装着されていることを確認します。
すべて正常に見える場合は、ストレージを取り外して、正常に動作する別のシステムでテストします。機能する別のシステムにドライブを取り付けてテストすることができる場合は、これが最適な方法です。ドライブを取り付けることができない場合は、別のシステムの USB ポートに USB アダプターを使ってドライブを接続し、ドライブが検出されているかどうかを確認するという方法もあります。この方法では、別の OS がドライブを検出できるかどうかを確認し、Windows* ディスク・ユーティリティーなどのツールを使用して診断チェックを実行して、ドライブの状態を判断できます。
別のシステムでもストレージデバイスが検出されない場合は、ドライブに障害が発生している可能性があります。どうやってもドライブが動作しない場合は、ドライブを交換してください。
CMOS
まれに、CMOS バッテリーの問題が原因でシステムが正常に起動しないことがあります。
マザーボードの CMOS (Complementary Metal-Oxide-Semiconductor) バッテリーは、基本的なハードウェア設定や日付などの重要なシステム情報を保存するバッテリー駆動のチップです。CMOS に不具合がある場合は、時計が常にリセットされたり、CMOS に関連する BIOS エラーメッセージが表示されたりします。これらのバッテリーの寿命は、通常の使用条件下では約 10 年ですが、状況によって変わります。古いマザーボードまたは中古品のマザーボードを使用している場合は、バッテリーが正しく動作しているかどうかを再確認することをお勧めします。CMOS バッテリーは比較的安価で、通常は簡単に交換できます。
1. バッテリーを見つけましょう。マザーボード上にある銀色の薄いコイン型電池が CMOS です。見つからない場合は、マザーボードの説明書を参照してください。
2. バッテリーを取り付け直します。交換を試みる前に、バッテリーを引き出して取り付け直してみてください。バッテリーの取り外しは非常に簡単です。ラッチまたはクリップで固定されている場合がありますが、通常は手で取り外すか、ドライバーを当ててそっと取り外すことができます。その後、元のように取り付けます。
3. CMOS バッテリーを取り外して交換します。 取り付け直しても問題が解決しない場合は、新品と交換してください。最も一般的な CMOS バッテリーは CR2032 ですが、バッテリーを取り外すときは、同規格の製品を入手できるように、その特徴をメモしておきます。
4. システムを再起動します。バッテリーの取り付け直しまたは交換が正常に完了したら、システムを再起動して BIOS 画面を表示します。次に、日付と時刻の設定をリセットし、保存して終了します。
その他のハードウェア
ストレージ以外で、特にエラーメッセージが表示された場合は、その他のハードウェアが原因で起動に失敗している可能性があります。すべてのケーブルを確認し、ほかに何も動作していない場合は、他のすべてのハードウェアが正しく取り付けられていることを確認してください。このガイドに従って、ハードウェアを 1 つずつテストする方法の作業手順を使って調べ、問題が解決するかどうかを確認します。
さらなるテスト
上記のすべての推奨事項を試しても BIOS 画面で停止した場合は、新しいマザーボードで現在のハードウェア構成をテストしてみてください。この場合、CPU とクーラー、必要なコンポーネントをすべて取り付け直す必要がありますが、マザーボードの問題を解決するのに役立ちます。
交換用のハードウェアを使用したテストは、特定のコンポーネントが原因であることが BIOS で確認できる場合に特に有効です。
ほとんどの PC の問題は解決できますが、古いシステムを使っている場合は、アップグレードした方が適切なこともあります。コンピューターのハードウェアは、適切にメンテナンスされていれば長期間使用できますが、PC のテクノロジーは日々進化し続けているため、信頼性の高いコンポーネントであっても、理想的なユーザー体験を実現するには、結局のところシステムを一新する必要があります。