インテルのテクノロジーが CPU のパフォーマンスを向上させます

アダプティブ・ブースト・テクノロジーなどのイノベーションにより、第 11 世代 CPU はより高速化しました。ターボ・ブースト、サーマル・ベロシティー・ブースト、アダプティブ・ブースト・テクノロジーが連携して機能する方法については以下をご覧ください。1 2 3

重要なポイント:

  • ブースト・テクノロジーの連携で、CPU のパフォーマンスを向上します。

  • ターボ・ブースト 2.0 は、必要に応じて CPU を基本動作周波数より高くすることができます。

  • ターボ・ブースト・マックス 3.0 は、パフォーマンスを最適化する最速のコアを識別します。

  • サーマル・ベロシティー・ブーストは、サーマル・ヘッドルームがある場合に、すべてのコアを高速化します。

  • 第 11 世代で新たに採用されたアダプティブ・ブースト・テクノロジーは、2 つ以上のコアが動作している場合に、フリークエンシーを加速します。

BUILT IN - ARTICLE INTRO SECOND COMPONENT

ワークロードによって、システムの CPU に対する要求は異なります。通常、プロセッサーは、ワード・プロセッサーを実行したり、ウェブの閲覧などの軽量なリクエストを簡単に処理することができます。しかし、ゲームをしたり、ビデオを編集したり、コンテンツをストリーミングするなどの膨大なタスクは、より負荷がかかります。

ブースト・テクノロジーはこの違いに対応し、インテルのプロセッサーが、作業中のジョブに適応できるようにします。これは、CPU フリークエンシー (動作周波数) を上げることによって行われます。

ブースト動作の仕組みを説明する前に、理解しておくべき 2 つの仕様があります。

基本動作周波数とは、システムが動作していない状態や軽負荷の時に CPU が実行するフリークエンシーのことです。基本動作周波数で実行している時は、CPU の消費電力と発熱量は低くなります。常にフルスピードで動作させるのではなく、時々低いフリークエンシーで動作させることで、プロセッサーの寿命を延ばすことができます4

最大ターボ・フリークエンシーとは、ゲームのような要求が厳しいアプリケーションで、CPU に負荷をかけた場合に、CPU が目標とするフリークエンシーのことです。これは、CPU がオーバークロックなしで達成する、シングルコアの最大フリークエンシーのことです。

例えば、インテル® Core™ i9-11900K の基本動作周波数は 3.50GHz で、これは毎秒 35 億回のサイクルを完了することを意味します。しかし、その最大ターボ・フリークエンシーは、それよりはるかに高速な 5.30GHz です。(オーバークロック前。) システムに十分なパワーとサーマル・ヘッドルーム (高性能な空冷式または水冷式の CPU クーラーなどを考慮した場合) があれば、より負荷の高いワークロードに対応するために、フリークエンシーを飛躍的に向上させることができます。

第 11 世代インテル® Core™ CPU では、複数のブースト・テクノロジーが連携して動作し、その中には単一のコアに影響するものもあれば、新しいアダプティブ・ブースト・テクノロジーのように、複数のコアに影響を与えるものもあります。以下にそれぞれの項目について掘り下げて説明しますが、簡単な参照表はこちらをご覧ください:

概要 機能 搭載している第 11 世代 CPU の種類
インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0 より集中的なワークロードを処理する際に、全コアのフリークエンシーを、基本動作周波数より高くし、指定された最大フリークエンシーまで上昇させます。CPU が電力、電流、温度の制限内で動作している場合に可能です。 すべての第 11 世代インテル® Core™ CPU
インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0

優先する 1 つまたは 2 つのコアのフリークエンシーを上昇させます。CPU が電力、電流、温度の制限内で動作している場合に可能です。

インテル® Core™ i7 および i9 デスクトップ CPU、インテル® Core™ i9 および i7-11375H モバイル CPU
インテル® Thermal Velocity Boost 状況に応じて、クロック周波数を最大 100MHz まで上昇させます。CPU の温度が制限内 (デスクトップは 70°C、モバイルでは 65°C) で、ターボ機能向け電力の範囲内で可能です。 インテル® Core™ i9 デスクトップ CPU (i9-11900T を除く)
シングルコア TVB 優先する 2 つの CPU コアのうち、より高速なコアをターボ・ブースト・マックス 3.0 を上回る速度に上昇させます。  
全コア TVB

すべてのコアがアクティブで、CPU が温度の閾値以下の場合、超高速で動作します。

 
インテル® アダプティブ・ブースト・テクノロジー 電流、電力、サーマル・ヘッドルームがある場合、状況に応じて、全コアのターボ周波数を上昇させます。制限温度 100°C 以下で動作します。 インテル® Core™ i9-11900K および KF のみ

ターボ・ブースト 2.0 とは?

このグラフは、ターボ・ブースト 2.0 による、i5-11600K のすべてのコアのフリークエンシーの上昇を示しています。

インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0 は、2011年以降リリースされたインテル® Core™ i5、i7、 および i9 の多くの CPU に搭載されており、誰もが一度は耳にしたことがあるブースト・テクノロジーでしょう。

これは前述のブースト動作のベースライン・バージョンと考えることができます。これは、軽量の作業時には、CPU を低い基本動作周波数で実行し、ワークロードがピークになると、高いフリークエンシーで実行させる、電力効率の高いテクノロジーです。

ターボ・ブースト 2.0 はすべてのコアをブーストします。また、速度上昇の効果を得るためには、CPU が電力、電流、温度の制限内で動作する必要があることにご留意ください。

ターボ・ブースト 3.0 とは?

このグラフは、i7-11700K に搭載されている 1 つまたは 2 つの「優先するコア」に対する、インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 によるブーストを示しています。

製造上の違いにより、プロセッサー・コアの可能な最大周波数は異なります。インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 は、CPU 上の最速のコアを 2 つまで、「優先するコア」として識別します。次に、それらのコア (またはそのコア) にフリークエンシー・ブーストを適用し、重要なワークロードを割り当てます。

インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 は、ターボ・ブースト 2.0 を置き換えたものではありません。これは、優先するコアに追加のブーストを与えるもう 1 つのテクノロジーです。これにより、軽量なスレッド化されたアプリケーションのパフォーマンスが向上します。

それと比較して、マルチスレッド・アプリケーションは、より多くの作業を並行して実行し、コア数の増加やハイパースレッディングなどの機能によって拡張します。その他の第 11 世代ブースト・テクノロジーは、高度に並列化されたプログラムに有効な全コアのブーストを提供します。

ゲームや多くの一般的なアプリケーションは4、高周波コアが使用されており、インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 のメリットを活かしています。最大 4.90GHz のターボ・フリークエンシーを備えたインテル® Core™ i7-11700 などの、第 11 世代インテル® Core™ i9 および i7 の両方の CPU に含まれています。

他のブースト・テクノロジーと同様に、インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 が効果を発揮するためには、電力、電流、温度が、仕様の設定値以下で動作する必要があります。

サーマル・ベロシティー・ブーストとは?

このグラフは、i9-11900K の最初の 2 つのコアに対するサーマル・ベロシティー・ブーストの効果を示しています。

2018年に導入されたインテル® サーマル・ベロシティー・ブースト (TVB) は、サーマル・ヘッドルームとターボ用電力が利用可能な場合に、追加の CPU のパフォーマンスを開放するテクノロジーです。これは、第 11 世代インテル® Core™ CPU が、より高い最大ターボ・フリークエンシーに到達するための、技術スタックのもう 1 つのビルディング・ブロックです。

デスクトップ PC 向けの第 11 世代インテル® Core™ CPU の場合、TVB は、プロセッサーの温度閾値が 70°C 以下の時、クロック周波数を 100MHz 上昇させます。モバイル向けの CPU の場合、温度閾値は 65°C 以下になります。Cryo Cooler などの高性能な空冷式または水冷式のクーラーを使用することで、システムの温度を閾値以下に保つことができます。

TVB は、バースト的なワークロード (CPU 使用率が急激に上昇するプログラム) に対応するのに最適です。これにより、システムのレスポンスにおけるパフォーマンスが一時的に向上し、通常気付くことの多い速度低下が解消される可能性があります。

作業中のタスクに応じて、TVB は、単一のコアまたはすべてのコアのフリークエンシーを上げることができます。

シングルコア TVB は、CPU の最速コアに影響を与えます。これは、インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 により優先的に動作するコアのパフォーマンスをさらに向上させるためのものです。

全コア TVB はすべてのコアを強化し、通常のブースト動作に加えて、最大 100MHz までのフリークエンシー向上を提供します。

アダプティブ・ブースト・テクノロジーとは?

このグラフは、アダプティブ・ブースト・テクノロジーによって向上した、i9-11900K のコア 3 ~ 8 を示しています。

第 11 世代インテル® Core™ CPU に新たに搭載されたインテル® アダプティブ・ブースト・テクノロジーは、全コアのターボ・フリークエンシーを、状況に応じて従来のターボブースト動作周波数より上昇させます。インテル® Core™ i9-11900K およびインテル® Core™ i9-11900KF の CPU でのみ有効で、コア 3 ~ 8 に影響を与えます。

アダプティブ・ブーストのメリットは、多くの最新ゲームを含む、複数のコアで拡張するカテゴリーである、マルチスレッド化されたプログラムで発揮されます。また、ゲーム、ストリーミング、Discord を同時に実行するような、マルチタスクの状況にも役立ちます。

インテル® アダプティブ・ブースト・テクノロジーは、CPU が ICCMax 制限 (最大電流) を下回り、および温度制限が 100°C 以下の場合に作動します。つまり、サーマル・ベロシティー・ブーストの閾値である 70°C を超える温度でも、動作を維持することができます。

アダプティブ・ブーストによるフリークエンシーの上昇やその持続時間は、さまざまなワークロード、冷却ソリューション、およびプロセッサーの機能によって異なります。

CPU に影響を与える、その他のブースト・テクノロジー

上記のテクノロジーは、CPU のフリークエンシーに影響を与える、主なブーストです。しかし、その他のテクノロジーは、特定のアプリケーションにおける CPU の動作を最適化するのに役立ちます。

インテル® ディープラーニング・ブーストは、複雑な AI ワークロード向けに設計されており、AI の推論やデータセットからの学習を高速化します。これにより、画像分類、翻訳、音声認識、その他のタスクに役立ちます。日常的なユーザーにとっては、AI が支援するいくつかのタスクを迅速に行えるようになります。例としては、アルバムの画像を、被写体や場所ごとに自動的に分類するプログラムを使用するなどが挙げられます。

オーバークロックをしながら BIOS で UEFI オプションを探査すると、インテル® スピード・シフト・テクノロジーという言葉を目にする機会が多いでしょう。2015年に導入されたこの技術は、CPU のフリークエンシーをより緻密に制御し、最大動作周波数への素早い飛躍を可能にします。これにより、システムの応答性と効率性が向上するため、スピード・シフトをイネーブルドにしておくことを推奨します。

ターボ・ブーストを使用する方法

ターボ・ブースト・マックス 3.0 やアダプティブ・ブースト・テクノロジーなどの技術によるパフォーマンス向上は、それに対応する CPU さえあれば、体験することができます。ほとんどのブースト・テクノロジーは、コンフィグレーションの必要はありませんが、新しいアダプティブ・ブーストは BIOS 設定で有効にする必要があります。

第 11 世代インテル® Core™ CPU の主要モデルであるインテル® Core™ i9-11900K は、上記のブースト・テクノロジーをすべて搭載しています。ターボ・ブースト・マックス 3.0 とサーマル・ベロシティー・ブーストにより、CPU の最速コアは最大 5.30GHz になり、軽量スレッド化されたゲームのパフォーマンスを向上させることができます。TVB とアダプティブ・ブーストの両方のメリットがあるマルチスレッド・アプリケーションは、最大 5.10GHz の全コアのターボ周波数が可能です。

または、インテル® Core™ i7-11700K は、高度な冷却ソリューションの購入を予定していないユーザーにとって最適な選択肢です。サーマル・ベロシティー・ブーストとアダプティブ・ブーストは搭載していませんが、最大 5GHz の速度を備え、ターボ・ブースト・マックス 3.0 が最大周波数に追加されています。

免責事項

1

性能の測定結果は構成情報に記載された日付時点のテストに基づくものです。また、公開中のすべてのアップデートが適用されているとは限りません。構成の詳細については、補足資料を参照してください。絶対的なセキュリティーを提供できる製品やコンポーネントはありません。

2

動作周波数または電圧を改変すると、製品の保証が無効になる場合があり、プロセッサーや他のコンポーネントの安定性、セキュリティー、パフォーマンスや耐用年数が低下するおそれがあります。詳細についてはシステムおよびコンポーネントの製造元にお問い合わせください。

3

インテルは、サードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。正確さを評価するには、他のソースを参照する必要があります。コストと結果は状況によって異なります。

4ワークロードと構成については、バックアップを参照してください。結果は異なる場合があります。