コンピューターの紹介
インテル® Education プログラム、The Journey Inside℠
デジタル世界
デジタルの世界を理解するには、今お使いのデバイス、つまりコンピューターから始めるのが一番です。このセクションでは、コンピューターの歴史、コンピューターの 4 つの基本的な構成要素、脳とコンピューターの違いについて学びます。
レッスン 1: コンピューターの歴史
長い間、人間は独創的な計算機を発明してきました。最も古いものの 1 つにそろばんがあります。約 5000 年前に生まれました。足し算と掛け算ができる (引き算はできない) 機械式計算機が発明されたのは、1600年代になってからでした。1820年、シャルル・ザビエル・トーマス・デ・コルマーが計数器を発明しました。これは、足し算、引き算、掛け算、割り算ができる機械でした。しかし、1800年代半ばに、現在のコンピューターの真の原型となる機械式計算機を設計したのは、チャールズ・バベッジでした。エイダ・バイロン・キング (ラヴレース伯爵夫人) は、バベッジのもとで密接に協力して仕事をし、今日、コンピューター・プログラミングの母と言われています。
バベッジは、究極の計算機である分析エンジンの設計図を作成しましたが、完成に至ることはありませんでした。しかし、その設計は、現代のコンピューティングに不可欠な入力、格納、処理、出力の 4 つの要素を先取りしていました。
バベッジの (他の) 機械式計算機の唯一の問題は、機械式であることでした。それらが依存していた可動部品は、動作が遅く故障しやすかったのです。現代のコンピューターを可能にしているのは、計算などの情報処理を可動部品なしで高速に実行できるようにする電子部品です。
レッスン 2: コンピューター処理の 4 つの構成要素
コンピューターは情報を処理します。トースターはパンを加工します。トースターは単純なデバイスですが、コンピューター処理の 4 つの構成要素 (入力、格納、処理、出力) を説明するのに適しています。
- 入力: トースター内に食パンを入れます。
- 格納: トースターは、その内部に食パンを格納します。
- 処理: トースターは食パンを焼きます。
- 出力: 焼き上がった食パンが飛び出し、食べる準備ができました。
ハードウェアとソフトウェアの比較
トースターもコンピューターも、物理的に触れる部分があります。例えば、トースターには、焼く時間を選ぶダイヤルと、押し下げてトーストを開始するレバーがあります。コンピューターにはキーボード、トラックパッド、モニターがあります。これらの物理的な部品はハードウェアと呼ばれます。
しかし、コンピューターだけが、与えられた入力をどう処理するかを判断できるソフトウェアと呼ばれるものを持っています。ソフトウェアによって、コンピューターはさまざまな種類の情報を処理できます。それに対して、トースターで処理できるのはパンの種類だけです。
もう 1 つの重要な違いは、コンピューターにはマイクロプロセッサーが搭載されていることです。マイクロプロセッサーは、コンピューター内部にあるデバイスで、オンラインゲームからインターネット検索など、私たちがコンピューターに求めるほとんどのタスクを実行します。マイクロプロセッサーは、ソフトウェアが命令する内容を読み取り、さまざまなタスクを実行します。この能力こそが、コンピューターを汎用性の高い機械にしているのです。
覚えておくべき重要なことは、コンピューターとトースターにはどちらも、それぞれの動作に必要な 4 つの基本的な構成要素 (入力、格納、処理および出力) があるということです。しかし、トースターと違って、コンピューターはもっとさまざまなことができるんです。
レッスン 3: コンピューターが入力を取得する仕組み
コンピューターは、情報を処理する機械です。つまり、コンピューターを使って、数字、テキスト、画像、音楽などの情報にアクセスしたり変更したりすることができます。文章を修正するに行うことを考えてみましょう。コンピューターを使うと、単語の追加、削除、並べ替えが簡単にできます。
入力デバイスは、コンピューターに情報またはデータを提供するために使用されます。キーボードで文章を入力すると、コンピューター画面にそれを表示させることができます。マイクに向かって話すと、コンピューターはその言葉を録音することができます。ビデオカメラに向かって面白い顔をすれば、コンピューターはそのすべてを録画することができます。今、使用しているマウスやトラックパッドも入力デバイスです。
レッスン 4: コンピューターが情報を保存する仕組み
電話で誰かと話しているとき、相手は自分の言っていることは聞こえますが、言葉は消えてしまいます。会話中の言葉は携帯電話に保存されません。しかし、ボイスメールを残すことは、目の前の会話とは異なります。ボイスシステムは電話に応答し、相手から提供される情報を記録し保存するシステムです。
情報を処理するには、コンピューターは、情報を格納できる必要があります。そうでなければ、電話のように、情報は何もできないうちに過ぎ去ってしまうでしょう。
コンピューターは、あらゆる種類の情報を格納します。ユーザーが入力した情報、ユーザーが使用しているソフトウェアからの命令、およびユーザーが操作するために必要な指示を格納します。
コンピューターは、基本となる 2 種類のストレージを使用してこれらの情報を保持します。一時的記憶装置はランダム・アクセス・メモリー (RAM) と呼ばれ、アクティブに処理に使われる新しい情報を格納します。長期的記憶装置は、コンピューターの電源を入れるたびにコンピューターが準備する命令など、コンピューターが繰り返し使用する情報を格納します。これらの命令は、リード・オンリー・メモリー (ROM) と呼ばれる、新しい情報を受け付けないタイプのメモリーに格納されます。
また、コンピューターは、さまざまなデバイスを使用して、処理に積極的に使用されていない情報を格納します。詳細については、サイトの用語集でハードドライブ、光ディスク、およびリムーバブル・メディアを参照してください。
コンピューターも記憶する必要がある
2 つの数字を足し算するように言われたとき、記憶に頼って足し算の規則を思い出します。コンピューターもまた、特定の動作のルールを記憶するために、メモリーに依存します。コンピューターのプログラムには、さまざまな種類の作業を実行するための命令、つまりルールが含まれています。この足し算の例では、コンピューターは、足し算の結果を得るための計算方法を「記憶」するために、RAM に算数のプログラムが必要となります。
しかし、人間にもともと備わっているものもあります。呼吸をしたり腕を動かしたりするときに、筋肉の仕組みを思い出す必要はありません。コンピューターにも ROM と呼ばれるこのようなメモリーが内蔵されています。ROMは、ROM チップが製造された時点で記憶するようにプログラムされていること(電源の入れ方、切り方など)のみを記憶しています。ROM に保存された情報は「読み取り専用」であり、工場出荷後に違うことを実行するよう命令されることはないことを忘れないでください。それは空気の代わりに水で呼吸するようにあなたをプログラムし直すようなものです。
さまざまな種類のストレージメディア
コンピューターは、あるタスクを実行するために現在必要な情報のために RAM を使用します。現在使用しているプログラムの一部やデータは、作業中は RAM に保持されます。しかし、コンピューター上の残りのプログラムと情報についてはどうでしょうか?これらは、他のさまざまなメディアに格納されています。このページに表示されている内容の多くについては、すでにご存知でしょう。これらの一部が保持できる驚くべき量の情報についてはご存知ないかもしれません。
レッスン 5: コンピューターが情報を処理する仕組み
コンピューターは集積回路を使って、特定の情報を理解し、動作します。コンピューターに搭載されている多くのチップのうち、マイクロプロセッサーは最も複雑です。
簡素化されたチップはデジタル時計やリモコン、ゲーム機などに使われています。これらのデバイスに搭載されているチップは、組込みプロセッサーと呼ばれています。最初の時点にコード化されている命令を実行するように作られているので、新しいソフトをインストールしてその動作を変えることはできません。例えば、デジタルカメラにワープロをするように指示したり、電子レンジに心拍数をモニターするように指示したりすることはできません。
マイクロプロセッサーは組込みプロセッサーよりもはるかに用途が広いです。使用しているソフトウェアを変更すれば、ワープロからオンラインゲームをプレイすることができるようになります。再度ソフトウェアを変えれば、インターネットを探索することも可能です。コンピューターに内蔵されているマイクロプロセッサーは、1 つのことを実行するように設計されているのではなく、選択したソフトウェアが命令したことを何でも実行するように設計されています。
レッスン 6: コンピューターが情報を提供する仕組み
いくら処理能力が高くても、コンピュータから出力できなければ意味がありません。実際、あなたの今見ている画面には出力が表示されています。このページを表示するようにコンピューターに指示すると、コンピューター内のソフトウェアとマイクロプロセッサーがそのページをモニターに表示して応答したのです。その他の種類の出力には、コンピューターのスピーカーから出る音やプリンターで印刷される文書などがあります。
レッスン 7: どちらが賢い?
コンピューターは、電子頭脳と呼ばれることがあります。しかし、それらは本当に脳なのでしょうか?比較してみましょう。
まず、脳とコンピューターの仕組みを見てみましょう。人間の脳はニューロンと呼ばれる特別な細胞を使用しており、これらの細胞は継続的に連携して情報を処理し、行動で応答します。コンピューターは、マイクロプロセッサーと呼ばれる回路の集合体を使い、入力に対して一定の応答をするように構築、プログラムされています。神経細胞は生きた細胞であり、回路は電子部品でです。
では、どちらが賢いかについて考えてみましょう。その答えは、「賢さ」をどのように定義するかによって異なります。賢さがスピードで決まるのであれば、コンピューターの勝ちでしょう。人間が 3 桁の数字 2つを足す (245 + 987) には数秒かかりますが、コンピューターは、わり算の筆算 (387 ÷ 243) を 1 秒間に数百万問解くことができます。コンピュータは電子回路が消耗しないので、疲れを知りません。人間が一日中割り算の筆算をしていたら、何度も休憩を取り、夜ぐっすり眠りたくなりますよね。
もし、賢さが記憶力の差で決まるとしたらどうでしょう。その場合でも、コンピューターが勝ちます。コンピューターは、1 つの図書館を丸ごとメモリーに格納し、1 つも間違うことなくそれらを呼び出すことができます。では、人間について考えてみましょう。長い詩を暗記しようとしたことがありますか?長い文章を暗記するのは、人間にとって大変な作業です。
賢さが、合理的な決定を下すことができるかどうかにかかっているとしたらどうでしょう。ここでは人が大差で勝つでしょう。コンピューターは、私たちが設計するソフトウェアに基づいてのみ情報を計算し、分類することができ、コンピューターが行う選択は、ソフトウェアに書かれていることに限定されます。しかし、これを人間と比較すると、人間にはソフトウェアは必要ありません。知識と経験を使って事実を分類し計算することができます。また、人間は、コンピューターが認識するようにプログラムされている事実だけでなく、直面している事実に基づいて判断や決定を下すこともできます。このように、人間はコンピューターよりもずっと賢いのです。
賢さが、独創的な思考ができる能力にかかっているとしたらどうでしょう。ここでもまた、人間は毎日独創的な思考をしているので、大きくリードします。その証拠に、私たちは長い時間をかけて発明や芸術、書物を作り上げてきました。コンピューターはそのような発明の一つです。では、コンピューターは、個々に思考できるのでしょうか?これまでのところできませんが、人工知能 (AI) という、いつの日か特定のプログラムに頼ることなく、自ら推論し問題を解決できるような装置の開発に注力する科学分野があります。しかし覚えておくべき重要なことは、私たちがどれほど「知的な」コンピューターを作っても、そのコンピュータのために人間が作ったソフトウェアと同じくらいにしか賢くならないということです。
詳細情報が必要な場合
コンピューターの仕組みの詳細については、次のリンクを参照してください。
カリキュラムについて
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コンピューターの紹介
このユニットでは、コンピューターの短い歴史について説明し、コンピューターの 4 つの主要なコンポーネントを紹介し、コンピューターの「脳」と人間の脳を比較します。
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