インテル® Cyclone® 10 GX FPGA デバイス用 Early Power Estimator ユーザーガイド

ID 683150
日付 5/08/2017
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ドキュメント目次

4.10. Cyclone® 10 GX デバイス用 EPE - XCVR ワークシート

Cyclone® 10 GXデバイス用 Early Power Estimator (EPE) の XCVR ワークシートでは、デザインの XCVR リソースとすべてのモジュールの設定を入力することができます。 このワークシートは、トランシーバー I/O ピンの電力を含んでいます。トランスミッターとレシーバーは、100 Ω の終端を想定しています。トランスミッター PLL の電力は、このワークシートに含まれていませんが、代わりに PLL ワークシートに入力されています。
図 21. Early Power Estimator の XCVR ワークシート

Early Power Estimator は、On-Die Instrumentation (ODI) XCVR ブロックでの電力見積りを含みません。ODI ブロックに含むトランシーバーの消費電力の見積りには、Quartus® Prime Power Analyzer を使用します。

Early Power Estimator は、トランシーバーのクロック・ネットワークおよび使用されるブロックについて、以下の容易な仮定を行います。

  • x6 クロックラインは、すべての GX チャネルで使用されます。( クロックラインのタイプについて詳しくは、Cyclone® 10 GX Transceiver PHY User Guide を参照してください。)
  • XCVR ワークシートのデュプレックス ( レシーバーとトランスミッターの両方がアクティブ ) とトランスミッターのみの各行には、1つのマスター CGB と6つのチャネルにつき1つのリファレンス・クロック・ピンがあります。各行には、少なくとも1つのマスター CGB と1つのリファレンス・クロック・ピンがあります。レシーバー専用チャネルの行には、マスター CGB がなく、6チャネルにつき1つのリファレンス・クロック・ピンがあります。各行は、少なくとも1つのリファレンス・クロック・ピンがあります。

    例えば、シングル・チャネル・デュプレックス・デザインでは、1つのマスター CGB と1つのリファレンス・クロック・ピンが想定されています。1行に6つのチャネルが入力されている場合も同様です。ただし、6つのチャネル (1行につき1チャネル ) に6つのチャネルが入力された場合、各行は1つのマスター CGB と1つのリファレンス・クロック・ピンを仮定し、合計6つのマスター CGBと6つのリファレンス・クロック・ピンになります。したがって、同じ数の同じチャネルを個々の行に入力すると、すべてのチャネルが1行に入力された場合とはわずかに異なる電力が計算されます。

表 17.  XCVR ワークシートの一般的な設定
入力パラメーター 説明
Treatment of Unused HSSI Banks

スタティック消費電力を計算する際のチャネルによる未使用トランシーバー・バンクの扱い方を入力します。次のいずれかのオプションを選択できます。

  • Power Down Unused Side; Minimize Leakage
  • Power Down Unused Side; Minimize Number of Supply Voltages
  • Power Up Unused Side; Minimize Leakage
  • Power Up Unused Side; Minimize Number of Supply Voltages

片側のすべての高速シリアル・インターフェイス (HSSI) バンクが使用されていない場合、すべてパワーダウンにするか、パワーアップのままにすることができます。使用されていないパワーバンクの電圧を選択してスタティック電力 ( つまり、リーク電流 ) を最小限に抑えるか、必要な電源電圧の数を最小限に抑えることができます。

例えば、アクティブのトランシーバー・チャネルが VCCR_GXB=1.03V を使用する場合、Minimize Leakageを選択すると、未使用のパワーバンクは、最低サポート電圧 ( 現在選択されているデバイスがこの電圧ををサポートしていると仮定 ) である VCCR_GXB=0.95V を使用すると想定されます。Minimize Number of Supply Voltagesを選択すると、未使用のパワーバンクは、アクティブチャネルにより使用される最低電圧である VCCR_GXB=1.03V を使用すると想定されるため、VCCR_GXB上の電力 0.95V が不要になります。

Power Down Unused Sideを選択すると、アクティブなチャネルがある方の未使用の HSSI バンクにも電力が供給されます。これは、HSSI バンクを個別にパワーダウンすることができないためであり、HSSI 側の全体の電源を切ることができます。詳しくは、 Cyclone® 10 GX Device Family Pin Connection Guidelines
注: を参照してださい。 PLL ワークシートで入力された PLL とそれらの VCCR_GXB 電圧は、アクティブで使用されているHSSI バンクの数を決定する際にも考慮されます。例えば、XCVR ワークシートのすべてのアクティブなチャネルが VCCR_GXB = 1.03V を使用し、PLL ワークシートの1つの PLL が VCCR_GXB = 0.95V を使用する場合、VCCR_GXB = 0.95V で動作する HSSI バンクは少なくとも1つ存在します。

XCVR ワークシートの各行は、個別のトランシーバードメインを表しています。各トランシーバー・ドメインで次のパラメーターを入力します。

表 18.  XCVR ワークシート情報
カラムヘッダー 説明
Module この列にモジュール名を入力します ( オプション入力 )。
# of Channels

このトランシーバー・ドメインでチャネル数を入力します。各行は、1つのトランシーバー・ドメインを表します。これらのチャネルは、1つのトランシーバー・バンク、または2つ以上の隣接するトランシーバー・バンクにグループ化され、1つ以上の共通トランスミッター PLL によってクロックされます。

注: ハード IP の PCI Express プロトコルでは、ハード IP ブロックは x1、x2、x4 モードをサポートします。
PCS/HIP Mode PCS ブロックと HIP ブロックが動作するモードを入力します。このモードは、この行のチャネルが実装する通信プロトコルまたは規格に依存します。
VCCR_GXB および VCCT_GXB Voltage VCCR_GXB および VCCT_GXBレールの電圧を入力します。許容値は、選択されたデバイスとデータレートによリ異なります。
Operation Mode

ハードウェアが、全二重トランシーバー・モード ( レシーバーとトランスミッター ) か、レシーバーのみ、もしくは、トランスミッターのみのモードでコンフィグレーションされているかどうかを入力します。許容値は、選択された PCS/HIP モードにより異なります。

Data Rate (Mbps) トランシーバーのデータレートを Mbps で入力します。許容値は、選択されたプロトコル、デバイス、VCCR_GXB および VCCT_GXBの電圧により異なります。
PCS/PMA Interface Width PCS と PMA 間のパラレル・データ・バスの幅を入力します。
Application Chip-to-ChipBackplane、またはCustomから、アプリケーション・タイプを選択します。Customを選択し、現在の行のアドバンスト・チャネルのオプションを手動で編集することができます。
VOD Setting トランスミッター・チャネル PMAの出力差異電圧 (VOD) 設定です。この設定を有効にするために、Application列で Customを選択します。
VOD Voltage トランスミッター・チャネル PMA の出力差違電圧 (VOD) です ( 単位 mV)。この電圧は、VOD設定と VCCT_GXB電圧により異なります。消費電力の計算は、トランスミッターは 100Ω の終端抵抗を使用しているものと想定しています。
Pre-Emphasis Setting–First Pre-Tap トランスミッター・チャネル PMA で使用される プリエンファシス設定 を入力します。個別タップの許容値は、選択された VOD設定と他のプリエンファシス・タップにより異なります。タップ設定の正の値のみリストされます。消費電力は、個別タップのサイン ( 正または負 ) に依存しません。これらの設定を有効にするためには、Application列でCustomを選択します。
Pre-Emphasis Setting–Second Pre-Tap
Pre-Emphasis Setting–First Post-Tap
Pre-Emphasis Setting–Second Post-Tap
DFE デシジョン・フィードバック・イコライゼーション (DFE) のモードを入力します。許容値は、選択されたデータレートにより異なります。この設定を有効にするためには、Application列でCustomを選択します。
Adaptation アダプテーション機能が使用されているかを入力します。チャネルが CTLE アダプテーションまたは DFE アダプテーションのいずれかを使用する場合は、このオプションを有効にする必要があります。この設定を有効にするためには、Application列でCustomを選択します。
Equalizer Stages 連続時間リニア・イコライザー (CTLE) が 高いデータレート (S1 モード )、または高ゲインモード ( 非 S1 モード ) を使用するかどうかを入力します。許容値は、選択されたデータレートにより異なります。この設定を有効にするためには、Application列でCustomを選択します。
Transmitter High-Speed Compensation TX ドライバーで、電源分配ネットワーク (PDN) によるシンボル間干渉 (ISI) 補正が有効になっているかどうかを入力します。この設定を有効にするためには、Application列でCustomを選択します。
XCVR Power (W) この行のすべてのチャネルで使用されるトランスミッター・チャネル PCS、レシーバーチャネル PCS、および PCI Express ハード IP ブロックの総消費電力です ( 単位 W )。
Analog Power (W) この行のすべてのアナログ回路の総電力です( 単位 W )。この電力は、Digital Power の列に電力が供給されている PCS と PCI Express ハード IP ブロック、並びに PLL ワークシートに電源が供給されているトランスミッター PLL の電力を除きます。
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サポートされるデバイス・ファミリーでのトランシーバー・アーキテクチャーについて詳しくは、Cyclone® 10 GX のTransceiver PHY User Guideを参照してください。