ゲーム用モニターを選ぶときのポイント

重要なポイント:

  • 解像度

  • リフレッシュ・レート

  • 応答時間

  • パネルタイプ

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ゲーム用モニターは、ゲーム中にグラフィックス・カードと CPU の出力を可能な限り適切に表示するように設計されています。ゲーム用モニターは、コンピューターのすべての画像のレンダリングおよびプロセシングの最終結果を表示します。また、ゲーム用モニターにより、色、動き、画像の鮮明さの表現が大きく異なる場合があります。ゲーム用モニターを選ぶときのポイントについて検討する際は、時間をかけてゲーム用モニターでできることを理解しておくと、ゲーム用モニターの仕様やマーケティング向けの文言を実際のパフォーマンスとして解釈することができます。

ディスプレイ・テクノロジーは時とともに変化していますが、モニターメーカーの基本的な目標は変わりません。以下に、モニターの一連の機能を分類して、それぞれの利点について確認します。

解像度

解像度はすべてのモニターの主要な機能です。解像度は、ピクセル、すなわち、画像を構成する小さな発光点である「画素」の観点から、画面の幅と高さを測定します。例えば、2,560×1,440 画面の合計は 3,686,400 ピクセルです。

一般的な解像度には、1,920×1,080 (別名「フル HD」(FHD))、2,560×1,440 (「クアッド HD」(QHD)、または「ワイドスクリーン・クアッド HD」(WQHD))、または 3840×2160 (UHD、または「4K ウルトラ HD」) があります。2560x1080 (UW-FHD) および 3440x1440 (UW-QHD)、3840x1080 (DFHD)、および 5120x1440 (DQHD) などの解像度のウルトラワイド・モニターもあります。

メーカーによっては、標準解像度の一方の測定値のみを指している場合があります。例えば、1080p および 1440p は高さを指し、4K は幅を指します。1,280×720 より高い解像度は、高解像度 (HD) です。

これらの測定にカウントされるピクセルは、通常、同じ方法で (2 次元グリッド上の正方形として) レンダリングされます。これを確認するには、個々の色のブロックを認識できるまで画面に近づく (または拡大する) か、「ピクセル化」されるまで画像を拡大すると、完全な斜線ではなく小さい正方形で構成される階段状のものを確認できます。

ディスプレイ解像度が上がると、肉眼で個々のピクセルを見つけるのは困難になり、結果的に画像の鮮明度が上がります。

ゲームや映画で画面に表示する詳細を増やすことができるだけでなく、解像度が上がるとその他にも利点があります。デスクトップでより広い作業スペースを確保できます。つまり、ウィンドウやアプリケーションを配置できるワークスペースが広くなります。

ご存知のように、4K ディスプレイ解像度の画面で表示すると魔法のように何でも 4K で表示されるわけではありません。4K ディスプレイで 1080p のビデオストリームを再生しても、通常、そのコンテンツは 4K ブルーレイと同じ品質では表示されません。ただし、アップスケーリングと呼ばれるプロセスにより、これまで表示されていたよりも 4K により近い表示になる可能性があります。

アップスケーリングは、低解像度のコンテンツを高解像度にスケーリングする方法です。4K モニターで 1080p のビデオを再生すると、そのモニターは表示することが期待される不足分のすべてのピクセルを「埋める」必要があります (これは、4K モニターには 1080p の 4 倍のピクセルがあるためです)。内蔵のスケーラーが、周囲のピクセルの値を調べることで新たにピクセルを補間します。HDTV は、多くの場合、(ラインシャープ化などの機能向上により) PC モニターよりも複雑なアップスケーリング機能を備えています。通常、PC モニターは、1 ピクセルを同じ 1 ピクセルのより大きなブロックに変換するだけです。スケーラーでは、特に近くで見ると、ブラーやゴースト (二重画像) が発生していることがあります。

ネイティブ解像度

モニターで解像度を変更することもできます。最新の画面では、「ネイティブ解像度」を定義するピクセル数が固定されています。ただし、解像度を設定して、低解像度に近づけることもできます。解像度を下げると、画面上のオブジェクトがより大きく不鮮明になり、画面のスペースが狭まり、補間によってギザギザに表示されるようになる場合があります (なお、必ずしもこのように表示されるわけではありません。旧式のアナログ CRT モニターはピクセル数が設定されていないため、実際に補間なしで解像度を切り替えることができます)。

スケーリング

4K 以上の解像度の画面では、スケーリングの問題がもう 1 つあります。ウルトラ HD では、テキストやボタンなどのインターフェイス要素が小さく表示されるようになります。これは、テキストや UI のサイズが自動的に変更されないプログラムを使用している場合、特に小型の 4K 画面に当てはまります。

Windows* の画面のスケーリング設定を使用すると、テキストやレイアウト要素のサイズを拡大できますが、画面のスペースは狭くなります。このスケーリングを使用している場合でも、解像度を向上させることができます。画面上のコンテンツ (編集プログラムの画像など) は周りのメニューのスケーリングが変更されても、4K 解像度で表示されます。

画面サイズと PPI

メーカーは画面サイズを対角線的に隅から隅まで測定します。より大きな画面サイズと高解像度の組み合わせにより、使用可能な画面スペースが広がり、臨場感あふれるゲーム体験が実現します。

プレーヤーはモニターの近く (多くの場合、20 ~ 24 インチの範囲内) で座ったり立ったりします。つまり、画面自体が HDTV (ソファに座っているとき) やスマートフォン / タブレットよりもはるかに大きな視野を占めることになります (モニターは、VR ヘッドセットを除く一般的なディスプレイでの視聴距離に対して、最適な対角線画面サイズの比率を採用しています)。1440p または 4K 解像度の利点は、このような近距離ではすぐに実感できます。

基本的には、個々のピクセルを識別できない画面を探すことをお勧めします。このためには、ピクセル密度 (ピクセル / インチ) または角画素密度を測定するオンラインツールを使用します。ピクセル密度では、ピクセルの密集度を特定することで、画面の相対的な「鮮明度」が分かります。または、角画素密度式では、測定値を人間の視覚の限界と自動的に比較します。

また、自分の視力とデスクトップのセットアップも考慮するとよいでしょう。左右の視力が 2.0 であれば、約 20 インチ離れた場所から画面を見る場合に、27 インチの 4K パネルでもすぐに視覚的にアップグレードできます。ただし、左右の視力が 2.0 未満であることがわかっている場合や、24 インチ以上離れた場所に座りたい場合は、1440p パネルがちょうど良いでしょう。

アスペクト比

モニターのアスペクト比は、幅と高さの比率です。1:1 の画面は完全に正方形で、1990 年代の四角形のモニターは通常 4:3 (標準) でした。このようなモニターは、主にワイドスクリーン (16:9) や一部のウルトラワイド (21:9、32:9、32:10) のアスペクト比に切り替わりました。

現在のビデオゲームは、通常、ワイドスクリーンからウルトラワイドまで、さまざまなアスペクト比をサポートしています。この設定は、ゲーム内の設定メニューから変更できます。

YouTube ビデオなどのほとんどのオンラインコンテンツも、デフォルトでワイドスクリーンのアスペクト比に設定されています。ただし、映画やテレビ番組を劇場対応のワイドスクリーン (16:9 よりも広い 2.39:1) で視聴する場合は、依然として画面上に水平の黒いバーが表示されます。また、スマートフォンのビデオをより薄型の「ポートレート」モードで見ると、垂直の黒いバーが表示されます。これらの黒いバーによって、元のビデオは拡大またはクロップされることなく、その縦横比が保持されます。

ウルトラワイド

標準ワイドスクリーンよりもウルトラワイド・スクリーンを選択する理由とは?ウルトラワイド・スクリーンには、いくつかの利点があります。つまり、大画面で映像を表示するため、映画館に近い映画視聴体験を提供することができます (21:9 の画面ではワイドスクリーン映画の「レターボックス」の黒いバーが表示されないためです)、さらに、ゲームでは「魚眼」エフェクトを発生させることなく視野 (FOV) を拡大できます。ファーストパーソン・ゲームのプレーヤーの中には、敵を見つけたり、ゲーム環境に没頭したりするために、広い視野を好む人もいます (ただし、人気のある FPS ゲームの中には FOV の高さの設定をサポートしていないものもあります。これがプレーヤーのメリットになる場合があるためです)。

曲面スクリーンは、ウルトラワイド・モニターのもう 1 つの一般的な特長です。曲面スクリーンは、より大型のウルトラワイド・スクリーンでの、画面の遠端の画像が中央の画像よりもはっきりしないという一般的な問題を解消できます。曲面スクリーンではこの問題が補正され、画面の端の端までより鮮明に表示されます。ただし、この利点が最も顕著に得られるのは 27 インチ以上の大画面です。


2 台のモニターを並べて表示すると、どちらのモニターの色合いがより鮮やかで、黒がより深く、カラーパレットがよりリアルであるかを簡単に確認できます。ただし、仕様を確認するだけでは、どんな画像が生成されるのかをイメージするのが困難な場合があります。これは、モニターの色はさまざまな方法で評価されるためです。コントラスト比、輝度、黒レベル、色域など、1 つに焦点を絞ることのできる仕様はありません。より大きな色の特徴に進む前に、次の用語について 1 つずつ定義しましょう。

コントラスト比

コントラスト比は、モニターの性能の最も基本的な測定基準の 1 つで、画面で表示できる白黒の両極端の間の比率を測定します。1,000:1 というベースラインとなるコントラスト比は、画像の白い部分が暗い部分の 1,000 倍明るいことを意味します。

コントラスト比は、数値が大きいほど向上します。4,000:1 などの高いコントラスト比では、ハイライトは明るく、黒は鮮明で、暗い部分は細部に至るまで明確に表示されます。一方、コントラスト比が 200:1 の場合は、黒がグレーに近くなり、色は鮮明ではなく、互いの色の違いがはっきりしません。

なお、LCD で非常に高い「ダイナミック・コントラスト比」が謳われている場合はご注意ください。ダイナミック・コントラスト比は、バックライトの動作を変更することで達成されます。ゲームや日常的な使用では、上記の標準の「固定的な」コントラスト比がモニターの品質を示すより良い指標になります。

輝度

明るさは、多くの場合、画面から放射される光の正確な量を示す「輝度」で測定されます。輝度は 1 平方メートル (cd/m2) あたりのカンデラ (別名「nit」) という単位で表されます。HDR ディスプレイに関して、VESA (Video Electronics Standards Association) では特定のテストパッチを使用して実施する輝度テストを標準化しました。輝度の仕様を比較する場合は、独自のメトリックではなく、この一貫したテスト・プラットフォームを使用していることを確認してください。

黒レベル

すべての LCD 画面で、バックライトから光が漏れるのは避けられません。これがコントラスト比の基準となります。例えば、画面が黒である必要のある領域のバックライトから 0.1% の光が漏れている場合、コントラスト比は 1,000:1 になります。光の漏れがない LCD 画面のコントラスト比は無限になります。ただし、これは現在の LCD テクノロジーでは実現不可能です。

「白熱光」は暗い表示環境で特に問題となるため、低い黒レベルを達成することが、LCD モニターの主なセールスポイントになります。ただし、LCD 画面は、完全にオフにならない限り、0 nit という黒レベルは達成できません。

OLED はバックライトを使用しないため、黒レベルが極めて高くなっています。OLED のピクセルが電気で活性化されていない場合は、全く発光しません。OLED 画面は、「0.0005 nit 未満」の黒レベルを謳っている場合があります。このように謳っているのは、より精密に測定するには通常、非常に高いコストがかかるためです。ただし、黒レベルは、通常、0.0005 よりもはるかに 0 に近い値になります。

色深度

モニターでは、多くの微妙な色の濃淡を表示する必要があります。微妙に異なる色合いをスムーズに表現できないと、画面上に「バンディング」が生じます。これは、2 つの異なる色の間で色が明らかに変化することで、連続的なグラデーションの明暗が筋としてはっきりと分かります。これは、色の「クラッシング」と呼ばれることもあります。

微妙に異なる多くの色を表示してバンディングや不正確さを解消するモニター機能は、色深度によって測定されます。色深度は、画面が 1 ピクセルの色を生成するために使用できるデータ量 (ビットで測定される) を指定します。

画面上の各ピクセルには、赤、緑、青の 3 つのカラーチャネルがあり、さまざまな強度で点灯して、(通常) 数百万の色合いを作成します。8 ビット・カラーとは、各カラーチャネルが 8 ビットを使用することを意味します。8 ビットの色深度の画面で可能な色合いの合計数は、28x28x28=16,777,216 です。

一般的な色深度:

  • 6 ビット・カラー = 262,144 色
  • 8 ビット・カラー、または「トゥルーカラー」= 1,670 万色
  • 10 ビット・カラー、または「ディープカラー」= 10 億 7,000 万色

トゥルー 10 ビットのモニターはめったにありません。多くのモニターは、FRC (フレームレート・コントロール) などの内部的な色の処理で、より優れた色深度に近づけています。「10 ビット」モニターは、追加の FRC ステージを持つ 8 ビット・モニターで、多くの場合、「8+2FRC」と表記されます。

一部の安価な LCD パネルでは、6 ビット・カラーと「ディザリング」を使用して、8 ビット・カラーに近づけています。この場合、ディザリングとは、よく似た代替色を隣同士に挿入することで、モニターが正確に表示できない異なる中間色が表示されているように見せかけることです。

フレームレート・コントロール (FRC) では、新しいフレームごとに異なる色を交互に使用して、これを実現します。これは 8 ビット・トゥルー・カラーよりも安価に実装できますが、特に照度の低い環境では色の精度が低下します。また、8 ビットの色深度を備える一部の画面では、追加の FRC ステージを使用して (通常、「8 ビット + FRC」と表示される) 10 ビット・カラーに近づけています。

一部のモニターは、10 ビット・カラーなど、より高い色深度に対応するルックアップ・テーブル (LUT) を搭載しています。これにより、モニター内で行われる色補正計算が高速化されます。LUT により、色入力が画面に適した色出力に変換されるためです。この中間ステップにより、よりスムーズな色遷移とより正確な出力を実現できます。通常、これらは一般的なコンシューマー・ディスプレイやゲーム・ディスプレイよりもプロフェッショナル・グレードのモニターで使用されています。

色空間

モニターの色に関して「色空間」や「色域」という言葉はよく耳にしますが、これらは色のビット深度とは異なります。色空間は、単に色の数を計算するのではなく、表示できる色のスペクトルを指定します。

人間の目は現在のディスプレイが表示できるよりもはるかに幅広い色を捉えることができます。すべての視認可能な色を視覚化するため、CIE 1976 標準では、グリッドにそれらの色をマッピングして、馬蹄形のグラフを作成します。モニターで表示できる色の色域は、このグラフのサブセットとして表示されます。

数学的に定義された一般的な色域には、sRGB、Adobe RGB、および DCI-P3 があります。1 つ目は、モニターの一般的な標準です (また、ウェブ用に正式に指定されている色空間です)。2 つ目のより幅広い標準は、写真やビデオの編集のプロフェッショナルが使用する標準です。3 つ目の DCI-P3 は、さらに幅広く、通常、HDR コンテンツで使用されます。

「99% sRGB」のモニターとは、画面で sRGB 色域の 99% を画面に表示できることを意味しています。これは、多くの場合、肉眼で見ても 100% と区別できないと考えられているためです。

LCD 画面では、バックライトとカラーフィルターによって色空間が決まります。バックライトで生成されるすべてのライトは、赤、緑、青のスポットのあるカラーフィルターを通過します。このフィルターの「バンドパス」を狭くすると、通過できる光の波長が制限され、最終的に生成される色の純度が向上します。これにより、(フィルターがより多くのバックライト出力をブロックするため) 画面の効率性が低下しますが、色域は広くなります。

一般的なバックライト・テクノロジーには次のものが含まれます。

  • 白色 LED (W-LED) バックライト: 黄色の蛍光体でコーティングされた青色 LED が白色光を発します。この光は、赤、緑、青のカラーチャネルでフィルタリングされ、ピクセルの最終的な色になります。W-LED バックライトは、標準の sRGB 色域空間を生成します。W-LED バックライトに特殊なナノ粒子のコーティングを追加することで、より広い色域を生成でき、多くの場合、より広い DCI-P3 色空間を網羅できます。
  • 量子ドット・コーティング (QD): 青色 LED バックライトが、緑色と赤色のナノ粒子を照らします。青色 LED バックライトは、厳しい要件に基づいて製造されます。これらは、狭い周波数で緑色と赤色の光を放射します。ナノ粒子は実際には光を選別しないため、プロセスの効率が非常に高くなります。代わりに、狭い周波数範囲で光を変換して再放射し、広い色域を生成します。
  • バックライトを使用しない OLED は、QD (Rec.2020 の 75% など) に匹敵する広い色域を備えています。

ハイダイナミック・レンジ (HDR)

HDR モニターは、より明るい画像をより高いコントラストで表示し、画面の明るい領域と暗い領域の両方でより詳細な情報を保持します。HDR モニターを使用すると、ホラー・ゲームで暗い廊下で動くものを見つけたり、オープンワールド・タイトルでよりドラマチックな日光を見たりすることができます。

HDR モニターは HDR コンテンツ (一部のゲームや映画でのみサポート) で最適に動作しますが、通常、10 ビットの色深度と広い色域をサポートするバックライトもサポートしているため、標準的なコンテンツ (SDR) も向上させることができます (なお、HDR モニターは、多くの場合、トゥルー 10 ビット・カラーではありませんが、10 ビット入力信号を受け入れる 8+2FRC ディスプレイです)。

LCD ディスプレイでは、ローカル調光というハイエンドのバックライト機能が HDR の品質にとって重要です。画面の背面にあるバックライト用の調光ゾーンは、一連の LED 輝度を制御します。調光ゾーンが追加されることで、より正確な制御を行うことができ、「ブルーミング」(画像の明るい領域によって暗い領域が明るくなる) を抑え、通常、コントラストが向上します。

調光手法は以下のようにそれぞれ異なります。

  • エッジライト式のローカル調光は、画面の端にまとめて配置されている一連の LED を活用して、通常はかなり限られた数の調光ゾーンで画像を明るくしたり暗くしたりします。
  • フル・アレイ・ローカル・ディマー (FALD) は、よりハイエンドなオプションで、画面の端だけでなく、パネルのすぐ後ろではるかに多くの調光ゾーン (通常は数百個) を使用します。その結果、HDR コンテンツをより有限に制御し、画面を調光することができます。

HDR モニターの品質を独自に評価するのは困難である場合があります。VESA の DisplayHDR などの HDR 規格を使用する必要があります。この規格は、調光機能などの仕様を列挙することで HDR モニターの相対的な品質を測定します。

DisplayHDR 標準は、「標準」と謳われている仕様よりも信頼性が高くなります。「標準」という語句により、メーカーは真の平均である結果を表記できるためです。さまざまなレベルの DisplayHDR の最小仕様を満たすモニターを探してください。

ローエンドでは、DisplayHDR 400 画面のピーク輝度は 400 nit (標準モニターは 300 nit) ですが、必要なのは標準の 95% の sRGB 色域と 8 ビットの色深度のみです。DisplayHDR 400 では、バックライトのローカル調光は必要ありません。

ハイエンドの DisplayHDR 600 画面では、600 nit の輝度、DCI-P3 色域の 90% (より広い色空間を提供)、10 ビットの色深度、および何らかの形式でのローカル調光が必要です。

OLED の標準では、テクノロジーのより深い黒レベルを示すための要件が追加されます。DisplayHDR True Black 400 および 500 では、同様のピーク輝度標準に加えて、0.0005 未満の黒レベルが必要です。

リフレッシュ・レート

リフレッシュ・レートは、画面全体で画像をリフレッシュする頻度です。リフレッシュ・レートを高くすると、画面上の動きがスムーズになります。これは、画面が各オブジェクトの位置をより迅速に更新するためです。このためファーストパーソン・シューティング・ゲームのプレーヤーが、敵の動きを追跡しやすくなります。またスマートフォンでウェブページをスクロールしたりアプリを開いたりするときの画面の応答性が良くなります。

応答時間はヘルツで測定されます。例えば、120Hz の応答時間は、1 秒あたり 120 回のピクセル更新を意味します。60Hz は以前は PC モニターとスマートフォンの標準でしたが、メーカーはより高いリフレッシュ・レートを採用するようになっています。

60Hz から 120Hz または 144Hz への向上の利点は、特に高速のファーストパーソン・ゲームでほとんどのプレーヤーがはっきりと実感できます (ただし選択した解像度と品質設定で、60fps よりも高速にフレームをレンダリングできる GPU も搭載されている場合にのみ、利点があります)。

リフレッシュ・レートを上げると、動くオブジェクトを目で簡単に追跡できるようになったり、シャープなカメラの動きがよりスムーズになったり、認識できるモーションブラーが減ったりします。オンライン・コミュニティーでは、120Hz 以上のモニターによってもたらされる改善に関して、意見が分かれています。関心のある方は、自分にとってどれほど違いがあるのか、直接確認してみることをお勧めします。

フレームレートではフレーム / 秒 (FPS) 単位で測定され、グラフィックス・ハードウェアが描画する画像の数を追跡します。このオンライン・モーション・テストでは、動いているオブジェクトをより高いフレームレートおよびリフレッシュ・レートで追跡するときにプレーヤーが認識できる改善点を示します。

ただし、実際には、それ以上のリフレッシュ・レートの場合にのみ、追加フレームが画面に表示されます。同様に、高いフレームレートに対応した CPU とグラフィックス・カードを使用している場合にのみ、高いリフレッシュ・レートで画面が表示されます。ハードウェアを最大限に活用できるように、ビルドを適宜計画してください。

応答時間

応答時間は、1 ピクセルの色の変更にかかる時間をミリ秒単位で測定したものです。応答時間が短いほど、モーションブラーや動画の背後にある「トレイル」などの視覚的ノイズが減少します。

応答時間は、リフレッシュ・レートに対応できる速度である必要があります。例えば、240Hz の画面では、新しいフレームは 4.17 ミリ秒ごとに画面に送信されます (1000/240 = 4.17)。

メーカーは、多くの場合、「中間階調」応答時間を表記しています。これは、ピクセルがグレーの濃淡から別の濃淡に変わるまでにかかる時間です。表記されている数値は、多くの場合、信頼できる平均値ではなく、一連のさまざまなテストで得られた結果の中で最も優れた結果を示しています。

オーバードライブと呼ばれる画像シャープ化プロセスは、テスト結果にも影響します。オーバードライブは、ピクセルに高い電圧を印加して、色の変化を加速します。慎重に調整すると、オーバードライブにより、動きの間の目に見えるトレイルやゴースト (かすかに二重に表示される画像) が減少します。慎重に調整しないと、意図した値を「超過」して、他の視覚的ノイズが発生することがあります。

オーバードライブを上げると、中間階調応答時間テストの結果は良くなりますが、このテストでの最適値を使用した場合には表れない視覚的ノイズが生じる場合もあります。報告されている応答時間に影響するすべての要因により、さまざまなメーカー間で応答時間を測定できる独立系のレビューワーに確認することをお勧めします。

入力遅延

プレーヤーは、応答時間と入力遅延を混同する場合があります。入力遅延とは、アクションが画面に表示されるまでの遅延の測定値で、ミリ秒単位で測定されます。入力遅延は目に見えるというよりも感じられるもので、多くの場合、格闘ゲームやファーストパーソン・シューティング・ゲームのプレーヤーに重視されます。

入力遅延は、モニターのスケーラーや画面の内部電子機器が行うプロセシングの副作用です。モニターの調整メニューで [Game Mode (ゲームモード)] を選択すると、画像処理機能がオフになり、入力遅延が低減されることがよくあります。ゲーム内オプション・メニューで VSync を無効にすると (視覚的ノイズが回避される)、入力遅延が低減される場合があります。

プレミアム機能

Adaptive Sync

画面のティアリングはほとんどのプレーヤーになじみのあるものです。画面上に水平線で表示されるグラフィカルな不具合で、水平線の上下にややずれた画像が表示されます。

この問題には、グラフィックス・カードとモニターの両方が関係します。GPU は 1 秒あたりさまざまなフレーム数を描画しますが、モニターは画面を固定された間隔で更新します。モニターがフレームバッファーを読み取って画面を更新するときに、GPU がフレームバッファー内の前のフレームを上書きしている途中である場合、モニターはずれた画像をそのまま表示します。画像の上部は新しいフレームになる場合がありますが、下部セクションには前のフレームが表示され、「階層」が作成されます。

VSync (垂直同期) は、この問題の解決策の 1 つです。このインゲーム機能は、モニターのリフレッシュ・レートに合わせてフレームの描画速度を下げます。ただし、フレームレートが上限より低くなると、VSync でスタッタリングが発生する可能性があります (例えば、60 fps を実現できない場合、GPU が突然 30 fps に低下することがあります)。GPU の負荷が増すと、入力遅延が発生することもあります。

VSync (NVIDIA の Adaptive VSync* など) が改善される一方で、NVIDIA G-Sync* と AMD Radeon FreeSync* という 2 つのモニター・テクノロジーが代替ソリューションを提供しています。これらのテクノロジーにより、モニターは GPU と同期する必要がありますが、逆の場合は同期する必要がありません。

  • G-Sync モニターは、NVIDIA 独自の G-Sync スケーラーチップを使用して、モニターのリフレッシュ・レートを GPU 出力と一致させ、最近のパフォーマンスに基づいて GPU 出力を予測します。また、スタッタリングや入力遅延を回避することもできます。これにより、最初のフレームが表示されるのを待機するときに、フレームが重複して描画されることがあります。
  • AMD Radeon FreeSync モニターは、同様の動作でディスプレイと GPU 出力を一致させ、画面のティアリングやスタッタリングを回避します。これらのモニターは独自のチップを使用するのではなく、オープンな Adaptive Sync プロトコルをベースに作成されています。これは、DisplayPort 1.2a 以降のすべての DisplayPort リビジョンに組み込まれています。FreeSync モニターは多くの場合安価ですが、リリース前の標準テストが実施されておらず、品質にむらがあるという欠点があります。

可変リフレッシュ・レート (VRR) は、モニターと GPU を同期させるテクノロジーを表す一般的な用語です。Adaptive Sync は、 DisplayPort 1.2a 以降のリビジョンに含まれているオープンプロトコルです。最近のインテル、AMD、NVIDIA のグラフィック・テクノロジーは、すべて Adaptive Sync モニターで動作します。

モーションブラーの軽減

LCD と OLED ではどちらも「サンプル・アンド・ホールド」によって一連の静止画像を高速で更新することで、動いているオブジェクトを表示します。各サンプルは、次回のリフレッシュで置き換えられるまで画面上に表示されたままになります。この「永続性」はモーションブラーの原因となります。人間の目は、オブジェクトが別の位置にジャンプするのではなくスムーズに移動することを予測しているためです。画像を頻繁に更新する高速リフレッシュ・レートでも、基盤となるサンプル・アンド・ホールド・テクノロジーによりモーションブラーが生じます。

モーションブラー軽減機能では、バックライト・ストロービングを使用して、フレームサンプルを画面に表示する時間を短縮します。すべてのサンプルの表示後、次のサンプルが表示する前に画面は黒くなり、静止画像を画面に表示する時間を短縮します。

これは、古い CRT モニターの動作を模倣しており、現在の LCD テクノロジーとは異なる動作です。CRT 画面は蛍光体によって光を照射し、素早く減光して、短く光を照射します。つまり、ほとんどのリフレッシュ・サイクルで実際に画面が暗くなっていました。このようなクイックインパルスは、実際にはサンプル・アンド・ホールドよりも動きがスムーズな印象を与えます。モーションブラー軽減機能はこの効果を模したものです。

バックライトのオン / オフが迅速に切り替えられるため、これらの機能ではディスプレイの輝度も低下します。モーションブラー軽減バックライト・ストロービングの使用を予定している場合は、購入する画面のピーク輝度が高いことを確認してください。

これらのバックライトは、ゲームや動きの速いコンテンツでのみ使用してください。バックライトのちらつきが意図的に引き起こされているため、日常的な作業には適さない可能性があるためです。また通常、バックライトは固定リフレッシュ・レート (120Hz など) でのみ使用でき、VRR と同時には動作しません。

パネルタイプ

ブラウン管 (CRT)

この箱型のコンピューター・モニターは、1970 年代から 2000 年代初頭まで一般的に使用されていたもので、現在でも一部のプレーヤーは入力遅延と応答時間の短さについて高く評価しています。

CRT は 3 つの大きな電子銃を使ってビームを送り、画面上の赤、緑、青の蛍光体を励起していました。これらの蛍光体は数ミリ秒以内に減衰します。つまり、リフレッシュのたびに短いパルスで画面が点灯することを意味します。これにより、動きはスムーズに見えますが、ちらつきが発生します。

液晶ディスプレイ (LCD)

TFT LCD (薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ) では、液晶の層を通して光を照らすため、光がねじれたり、回転したり、遮られたりする可能性があります。液晶はそれ自体では発光しません。これが LCD と OLED の主な違いです。

光は結晶を通過した後に、RGB フィルター (サブピクセル) を通過します。電圧を印加して各サブピクセルを異なる輝度で照らします。これは、1 つの点灯ピクセルとして表示されると混合色になります。

旧式の LCD では、バックライトとして冷陰極蛍光灯 (CCFL) を使用していました。これらの大型でエネルギー効率の低い蛍光灯は、画面の小さな領域の輝度を制御できず、最終的には小型でエネルギー効率の高い発光ダイオード (LED) の登場により、段階的に消えていきました。

LCD パネルは幅広いテクノロジーで利用できますが、特にハイエンドオプションでは、色再現、応答時間、入力遅延が大きく異なることがあります。ただし通常、パネルに関する次の一般論は該当します。

有機発光ダイオード (OLED)

OLED 画面はエミッシブです。つまり、LCD などの別の光源を必要とする透過型画面ではなく、独自に発光します。OLED 画面では、電流を流すと、有機分子の層が画面の前面に光ります。

LCD ではバックライトが液晶によって完全には遮断されず、画像の黒い領域がグレーに表示されることがあります。OLED にはバックライトがないため、ピクセル (または測定可能な最小の輝度である 0.0005 nit 以上) をオフにするだけで、「真の黒」を実現できます。

そのため、OLED はコントラスト比や鮮やかな色表現が非常に優れています。またバックライトがないため、LCD よりも薄くなります。LCD は CRT より薄く、エネルギー効率も優れています。OLED によって、LCD がさらに薄型化する可能性があります (また、映画などの暗いコンテンツを表示する場合はエネルギー効率が高くなりますが、ワープロプログラムなどの白い画面ではエネルギー効率が低くなります)。

このテクノロジーには、コストの増加、画面の焼き付きのリスク、古いモニター・テクノロジーより製品寿命が短いなどの欠点があります。

マウント

ゲーム用モニターには、多くの場合、高さ、傾き、回転角度を調整できるマウントが付属しています。このため人間工学的に適した位置にモニターを固定し、さまざまなワークスペースにフィットさせることができます。

モニター背面に VESA 規格に準拠したマウント用の穴があり、これによって他のマウント (壁掛け用マウントや調整可能なモニターアームなど) との互換性が決まります。この規格は VESA (Video Electronics Standards Association、メーカー団体) により定義されたもので、モニターの取り付け穴の間隔 (mm 単位) と、モニターの取り付けに必要なネジが指定されています。

ポート

モニターの背面または下側には多数のポートがあります。ディスプレイ・インターフェイスでは、PC からのグラフィックス出力に画面を接続し、USB および Thunderbolt™ ポートが外部デバイスにデータと電力を供給します。

ディスプレイ

  • GA (Video Graphics Array): 旧式のモニターでは、1987 年に導入された 15 ピンのアナログ接続であるレガシーポートが使用されている場合があります。最大 3840×2400 の解像度でビデオのみを送信します。
  • シングルリンク DVI (デジタル・ビジュアル・インターフェイス): 多くの最新モニターで使用されている最も古いディスプレイ・インターフェイスです。この 24 ピンのデジタル接続は 1999 年に登場しました。ビデオのみを送信し、アダプターを使用して VGA または HDMI に接続できます。最大 1920×1200 の解像度をサポートします。
  • デュアルリンク DVI: このリビジョンにより、シングルリンク DVI の帯域幅が 2 倍になります。最大 2560×1600 の解像度で表示し、最高 144Hz (1080p) のリフレッシュ・レートをサポートします。
  • HDMI: ビデオやオーディオを伝送し、ゲームコンソールにも接続できるユビキタス・インターフェイスです。HDMI 2.1 より前の HDMI のすべてのリビジョンでは、「ハイスピード HDMI」というラベルの付いたケーブルが使用できます。
  • DisplayPort: ビデオとオーディオを送信する高帯域幅ポート。すべての DisplayPort ケーブルは、バージョン 2.0 までのすべての DisplayPort バージョンで動作します。この場合、全帯域幅に対応するにはアクティブケーブル (電子回路を含むケーブル) が必要です。リビジョン 1.2 以降では、「デイジーチェーン」を使用して複数のモニターを接続できます (ただし、互換性のあるモニターが必要です)。

周辺機器

  • USB: データと電力の両方を伝送する汎用的なポートです。多くのモニターには、キーボードとマウスを接続できるため、PC の USB ポートを空けることができます。USB Type-C ポートはリバーシブル設計で、DisplayPorts の役割も果たすことができます。
  • Thunderbolt™ 3 テクノロジー: USB-C コネクターを使用し、DisplayPort 1.2 をサポートし、Thunderbolt™ プロトコルを使用して最大 40GB/秒でデータを転送し、電力を供給する多目的ポートです。

オーディオ

  • 入力: コンピューターからオーディオケーブルを接続し、モニターの内蔵スピーカーからサウンドを再生できるようにするための 3.5mm ジャックです。なお、HDMI ケーブルと DisplayPort ケーブルも音声を伝送するため、多くのユーザーにとってシンプルなソリューションです。
  • ヘッドホン: ヘッドホンをモニターに直接接続するための 3.5mm ジャックです。PC からの音声信号も受信します。

まとめ

ゲーム用モニターを選ぶときのポイントは、コンピューターのモニター以外のアイテムで行った選択によって大きく異なります。最新のモニターでは通常、古いテクノロジーでよく発生していたコマ落ち、入力遅延、視覚的ノイズを回避できます。ただし解像度、色深度、モーション・スムージング機能の向上が必要かどうかは、プレーヤーによって異なります。これが必須であるか、望ましいものであるのかを決めるのはユーザーです。