インテル、温室効果ガス排出量ネットゼロ達成に向け前進

インテルは2022年、業界全体でCO2排出量削減を推進するために、 それまでの目標レベルをさらに引き上げました。

Opinion

  • 2023年4月18日

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インテルは、高水準な環境責任を果たすべく数十年に渡る継続的な技術的取り組みを実施しています。

昨年の4月、インテルのCEO(最高経営責任者)であるパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)は、社内の事業運営とバリューチェーン全体の両方にわたる、インテルの温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けたコミットメントの全体像を公表しました。これには、当時の取り組みレベルをさらに引き上げ、2040年までに世界中に広がるインテルの事業運営全体で、スコープ1とスコープ2の温室効果ガス排出量ネットゼロを達成するという目標が含まれています。

温室効果ガス排出量の削減は、半導体業界が抱える極めて複雑な課題の1つであり、これはチップ製造に必要とされるエネルギーと製造プロセスに伴う特有の要件が理由とされます。この複雑さは、高まるチップ需要に対応するべく、半導体エコシステムをグローバル規模で拡大しなければならない必要性とあいまって、さらに増幅しています。排出量実質ゼロ目標を達成するには、これまでにはない環境に優しい化学ソリューション、除外装置、新たな装置設計と設備システムの開発評価を主導していく必要がありますが、その大半は現時点ではまだ実在していません。インテルは研究開発から設計、製造まで行う世界最大規模の半導体企業の1つとして、エコシステム全体で長年築いてきたコラボレーションを強化し、より一層サステナブルなコンピューティングの未来を実現しようと努めています。

サステナビリティー向上を目指す取り組みをさらに拡大し、温室効果ガス排出量ネットゼロを実現するため、インテルは3つの主要領域に注力しています。1つ目は、製造オペレーションとオフィスビルのすべてを横断した、CO2排出量削減に向けたロードマップの策定です。これには再生可能エネルギーへの投資も含まれています。2022年末の時点で、再生可能電力の使用率はグローバル運営全体で90%を越えました。12つ目は、業界や学術機関との協同により、半導体プロセスの代替技術を開発し、バリューチェーン全体で電力効率を高め、標準のレポート指標を確立していることです。さらに3つ目として、製品とプラットフォームの電力効率向上を図り、総カーボン・フットプリントを削減することで、顧客のサステナビリティー目標達成を後押ししています。例えばデータセンターを運用する企業では、導入から4年経過したサーバーを置き換え、第4世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを実装し、インテル® Xeon® プロセッサー・アドバイザー・ツールを併用することで、電力消費による炭素排出量をその先の4年間で最大35%削減できます。2

温室効果ガス排出量ネットゼロという共通の目標に向け注力を続け、こうした機会を優先することこそ、気候変動への影響を緩和するために私たちができる手段です。それでは、これまでのコラボレーションと詳しい進展状況をお伝えしていきます。

インテルの事業運営全体で排出量を削減

インテルは再生可能エネルギーの調達と設備導入に投資を続けています。現地の公共電力プロバイダーと連携し、世界中に広がるインテルの大規模サイトの多くと新設工場から近い位置で、太陽光発電や風力発電と同様に、公共事業規模で再生可能エネルギー・プロジェクトを推進できる、新たな契約構造を確立しています。自社工場施設内では、太陽光発電の14設備を新たに増設し、この3年間で合計7メガワットの発電能力を確保しました。これにより、自社施設内のソーラー設備で発電可能な電力は世界全体で30メガワットになります。2022年末の時点で、インテルの再生可能エネルギー使用率は、2021年の80%から大きく躍進し、グローバル全体で約91%に達しました。3.インテルは、信頼できる拡張性の高い再生可能エネルギーの機会を見つけ、2030年までに世界全体で使用率100%達成を目指し取り組んでいます。

インテルは、環境への全般的な影響を軽減し、カーボン・フットプリント削減を顧客にも浸透させ、最終的な損失を抑えるために、事業運営のすべてを通じて、エネルギー消費が少なく電力効率の高い手法を取り入れています。インテルでは2020年以降、累積で9億7,300万キロワット/時(kWh)のエネルギーを節約してきました。4この量は米国の9万1,000世帯以上が年間に消費する電力に相当します。 5これは暖房/換気/空調(HVAC)冷却や圧縮空気効率による努力の成果です。2022年には、排熱回収の手法や暖房の必要性を見直すことで、スコープ1の排出量を二酸化炭素換算で6,000トン削減しました。

今後を見据え、カーボン・フットプリントをさらに削減していくために、インテルはさまざまな独自のテクノロジーに投資しています。これには、自社工場の排熱を最大限に再利用するシステムの継続的な進化も含まれ、結果的に天然ガスへの依存を減らすことにもつながります。また、AIの最新機能を駆使した超高効率の緩和装置やソフトウェア・システムを開発しており、電力効率を高め、将来的な工場設計では化石燃料の利用を制限していずれは排除できる可能性のある多様なテクノロジーを生み出しています。

バリューチェーン全体にわたる連携

インテルは業界団体のSEMIと半導体の研究コンソーシアムSRCと連携し、半導体製造に使用するさまざまな化学物質に代わる選択肢を開発しようと、持続可能な半導体製造プログラムを立ち上げました。これと並行して、エコシステム内の大胆な変革を推進するために、業界をリードするパートナー企業との連携も進めています。

新たに設立された半導体気候関連コンソーシアム(SCC)では、サプライヤー、同業企業、顧客企業とともに、この業界の温室効果ガス排出量を削減するソリューションを加速させています。インテルは創設メンバーとして、この取り組みの先頭に立っています。現在、インテルのバリューチェーン全体で70社を超える企業が参画しています。

マサチューセッツ工科大学の製品属性影響アルゴリズム(PAIA)コンソーシアムにも参画し、電子機器の製品カーボン・フットプリントを算出する共通手法を開発しています。共通手法があれば、半導体業界は進捗状況を適切に測り、顧客企業は上流工程での排出量と調達する製品に含まれるカーボン・フットプリントを明確に把握できるようになります。

直近では、インテルはドイツの医薬品メーカーMerckとの協業による欧州での学術研究プログラムを発表しました。このプログラムの目的は、AIとマシンラーニングを活用した、半導体の製造プロセスとテクノロジーにおけるイノベーションの加速です。

インテル製品とプラットフォームの電力効率向上

新世代のインテル製品は、エネルギー消費を抑えながら可能な限り高いパフォーマンスを発揮するように設計されています。第4世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、インテルで最もサステナブルなデータセンター向けプロセッサーとして登場しました。複数のアクセラレーターを内蔵したこのプロセッサーによって、特定のワークロードで消費電力当たり性能は平均2.9倍向上します。6ほかにも、パフォーマンスにほとんど影響することなく、対象のワークロードで電力消費を最大20%削減する機能が備わりました。7

インテルは電子廃棄物の削減を目的に、オープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)との協働により、モジュール型の設計を進歩させ、サーバー要素の世代間再利用を推進しようと努めています。

事業運営での取り組みとあわせた、製品からプラットフォーム、ソフトウェア、ソリューションに至るインテルの包括的なアプローチを通じて、顧客企業はサステナビリティー目標に向け着実に進んでいくことができるはずです。

温室効果ガス排出量ネットゼロへの注力

リーダーシップには責任が伴います。環境への配慮と温室効果ガス排出量削減に向けたコミットメントは、「あると助かるもの」ではなく、「必ずやらなくてはならない取り組み」です。バリューチェーン全体が一致団結し、イノベーションを起こして共通の目標を達成する機会でもあります。この目標を単独で達成できる企業などありません。

インテルは温室効果ガス排出量ネットゼロ達成に向け、事業運営のすべてにわたり、必要な行動、投資、イノベーション、コラボレーションに全力で取り組み続けています。この進捗状況に満足すると同時に、今後のマイルストーン到達にも期待しています。

キーヴァン・エスファルジャニ(Keyvan Esfarjani)は、インテル コーポレーション上級副社長、最高グローバル執行責任者 兼 製造サプライチェーン&オペレーション事業本部 事業部長です。

1This is a preliminary estimate published in Intel’s Proxy Statement. The final number will be reported in Intel’s 2022-23 Corporate Responsibility Report, to be issued later in 2023.

2Calculations as of March 28, 2023 based on the Intel® Node TCO & Power Calculator using default cost, power and TCO assumptions over a 5-year TCO horizon comparing replacing 50 older servers with Intel Xeon 4110 processors with new servers using new Intel Xeon 5420+ processors. Results may vary. Performance measurements based on published SPECrate®2017_int_base on spec.org as of March 28, 2023

3This is a preliminary estimate published in Intel’s Proxy Statement. The final number will be reported in Intel’s 2022-23 Corporate Responsibility Report, to be issued later in 2023.

4This is a preliminary estimate published in Intel’s 10-K. The final number will be reported in Intel’s 2022-23 Corporate Responsibility Report, to be issued later in 2023.

5Based on average U.S. household energy usage figures published by the U.S. Energy Information Administration.

6See intel.com/processorclaims: 4th Gen Intel® Xeon® Scalable processors. Claim E1. Results may vary.

7See intel.com/processorclaims: 4th Gen Intel® Xeon® Scalable processors. Claim E6. Results may vary.