ASML ホールディング N.V.(以下、ASML)とインテル コーポレーション(以下、インテル)は本日、最先端の半導体リソグラフィー技術を前進させる両社の長期的な提携が新たな段階を迎えたことを発表しました。インテルはすでに ASML に対し、高 NA 化を目指す両社の長期的な連携フレームワークの一環として、1 時間に 200枚 を超えるウエハーの露光が可能な高 NA 極端紫外線(EUV)量産システムである、 TWINSCAN EXE:5200 システムの初号機を発注しました。
ASML の社長 兼 最高技術責任者(CTO)であるマルティン・ファン・デン・ブリンク(Martin van den Brink)氏は「インテルは、そのビジョンと早い段階でASML の高 NA EUV テクノロジーを導入することを決めたことが示すように、ムーアの法則の飽くなき追求者です。当社の革新的な EUV のロードマップは、現行の EUV システムよりもはるかに拡張した、リソグラフィー技術を継続的に前進させるものです。複雑さを解消し、コストを抑え、製品化サイクルを短縮し、エネルギー消費を削減するという、チップ業界が必要としている要件を満たしながら、この先の 10 年に十分対応できる経済的なスケーリングを可能にします」と述べています。
インテルは昨年 7 月に主催した Accelerated イベントで、業界初となる高 NA テクノロジーの採用により、トランジスターの革新的なロードマップを前進させる計画を公開しました。2018年に前世代の TWINSCAN EXE:5000 システムを初めて購入したインテルは、本日発表となった新たな発注によって、高 NA EUV による量産プロセスの 2025年の開始を目指した、ASMLとの提携を継続することを示しました。
インテルの上級副社長 兼 技術開発事業本部 事業本部長アン・ケレハー(Ann Kelleher)博士は「インテルは半導体リソグラフィー技術の最先端に位置し続けることに注力して、この 1 年間、EUV に関する専門知識を蓄積し、実行力を高めてきました。ASML との緊密な連携により、ムーアの法則を継続させる手法の 1 つとして高NA EUVの高解像度パターニングを活用し、パターン形状を極限まで小さくしてきたインテルの力強い歴史を継続していきます」と述べました。
この EXE プラットフォームは、EUV テクノロジーの進化における大きな 1 歩であり、新規光学設計を採用し、またレチクルとウエハーのステージを大幅に高速化しています。TWINSCAN EXE:5000 システムと EXE:5200 システムでは、開口数 0.33 の前世代 EUV 装置よりも高精度となる開口数 0.55 を実現しています。ますます小型化するトランジスターを実現するために、さらなる高解像度のパターニングが可能になります。このシステムの開口数と波長の組み合わせにより、最小のパターン転写を実現します。
将来的に複数のノードを実現する目的で設計された 0.55 NA の EUV は、2025年の業界初導入を目指しており、これに同等密度のメモリー技術も実現していきます。ASMLは2021年の Investor Dayで同社のEUVロードマップを公開し、高 NA テクノロジーによる量産対応を 2025年に開始できる見込みであると発表しました。本日の発表は、このロードマップを着実にたどっていることを示しています。