インテル® Cyclone® 10 GXコアファブリックおよび汎用I/Oハンドブック

ID 683775
日付 8/13/2021
Public
ドキュメント目次

8.2.1.1. EDCRC(Error Detection Cyclic Redundancy Check)

ユーザーモードでは、コンフィグレーションされたCRAM(Configuration RAM)ビットの内容が、ソフトエラーによる影響を受ける可能性があります。これらのソフトエラーはイオン化した粒子によって引き起こされますが、Intel FPGAのデバイスにおいて頻繁に発生するものではありません。しかし、エラーのないデバイス動作を要求する高信頼性アプリケーションでは、デザインでこれらのエラーについて考慮されていることが要求されます。

ハード化されたオンチップ EDCRC 回路では、フィッティングやデバイスの性能に影響を与えず、次の動作を行うことができます。

  • コンフィグレーション中に巡回冗長検査 (CRC) エラーを自動検出します。
  • ユーザーモードでのオプションのソフトエラー(SEUとMBU)検出と識別
  • 高速ソフトエラー検出。エラー検出速度が向上
  • 2種類のチェック・ビット
    • フレームベースのチェック・ビット — CRAM に格納され、フレームのインテグリティの検証に使用される
    • カラム・ベースのチェック・ビット — レジスターに格納され、すべてのフレームのインテグリティの保護に使用される

ユーザー・モードでのエラー検出時には、 インテル® Cyclone® 10 GXデバイスで複数のEDCRCエンジンが並列的に動作します。エラー検出CRCエンジンの数は、フレーム内の合計ビット数であるフレーム長に依存します。

カラム・ベースの各エラー検出CRCエンジンがそれぞれのフレームから128ビットを読み出し、4サイクル以内に処理します。エラーを検出するために、エラー検出CRCエンジンは全てのフレームをリードバックする必要があります。

図 153. ユーザーモードでのエラー検出のブロック図以下のブロック図に、ユーザー・モードでのレジスターおよび、データ・フローを示します。
表 84.  エラー検出レジスター
レジスター名 説明
エラー・メッセージ・レジスター(EMR) 1 ビット・エラーまたは隣接する 2 ビット・エラーの詳細を備えます。エラー検出回路がエラーを検出するたびに回路がレジスターを更新します。
ユーザー・アップデート・レジスター このレジスターは、EMRの内容が検証された1クロック・サイクル後にEMRレジスターの内容で自動的に更新される。ユーザー・アップデート・レジスターはクロック・イネーブルを含み、これはユーザー・アップデート・レジスターの内容がユーザー・シフト・レジスターに書き込まれる前にアサートされる必要がある。この条件により、その内容がユーザー・シフト・レジスターに読み出される際にユーザー・アップデート・レジスターの内容が上書きされることを防ぐ。
ユーザー・シフトレジスター このレジスターにより、ユーザーロジックがコア・インターフェイスを介してユーザー・アップデート・レジスターの内容にアクセスすることができる。

ユーザー・シフトレジスターを介してEMR情報をシフトアウトするために、Altera Error Message Register Unloader IP コアを使用する。詳細については関連情報を参照。

JTAGアップデート・レジスター このレジスターは、EMRの内容が検証された1 クロックサイクル後にEMRレジスターの内容で自動的に更新される。JTAGアップデート・レジスターはクロック・イネーブルを含み、これはJTAGアップデート・レジスターの内容がJTAGシフトレジスターに書き込まれる前にアサートされる必要がある。この条件により、その内容がJTAGシフトレジスターに読み出される際にJTAGアップデート・レジスターの内容が上書きされることを防ぐ。
JTAG シフトレジスター このレジスターにより、SHIFT_EDERROR_REG JTAG 命令を使用して、JTAG インターフェイスを介してJTAGアップデート・レジスターの内容にアクセスすることができる。