ドローンの女王

夜空のライトショーを大変革。

重要なポイント:

  • インテル® Shooting Star™ ドローンとミニドローンでギネス世界記録を打ち立てたインテル・ドローン・チームのリーダーを紹介します。

  • Cheung は次世代のリーダーたちに刺激を与えたいと考え、興味のあるテーマに没頭して情熱を追い求めるよう若い女性に勧めています。

  • 「チームは、ドローン技術で実現可能なものにまだ着手したばかりです」 – Natalie Cheung

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Natalie Cheung のチームは、2015年11月にドイツのハンブルグ郊外で 100 機の LED 搭載インテル® Shooting Star™ ドローンを飛行させ、夜空を光で彩りました。これは、無人航空機 (UAV) の最多同時飛行として、ギネス世界記録を樹立しました。

この「ドローン 100」ライトショーは、間もなく 300 機のドローン同時飛行で新記録を打ち立て、さらに 500 機の同時飛行で記録を更新しました。

このチームは 2018年にラスベガスで 110 機のインテル® Shooting Star™ ミニドローンを飛行させ、1 台のコンピューターで制御されたドローン群の屋内での最大同時飛行として新記録に認定されています。

インテルの無人航空機 (UAV) グループでドローン・ライトショー部門のジェネラル・マネージャーを務める Cheung は、「自分のドローンを飛ばし、ドローンが空に舞い上がるのを見るのはワクワクしますが、一度に 100 機、300 機、あるいは 500 機のドローンを飛行させると圧倒されます」と話します。

Natalie Cheung が率いるインテルのドローン・ライトショー・チームは、新たなテクノロジーに着手したばかりです。

屋外でのライトショーに軽量の LED 搭載インテル® Shooting Star™ ドローンを使用し、動く 3D 形状を作り出すようにプログラムして、40 億通りものカラー・コンビネーションで夜空を彩ります。

「点灯した LED が大空にアニメーションを描き出すのを見るのは格別ですが、たった 1 人のパイロットが 1 台のコンピューターですべてを制御していると考えると驚きです」と Cheung。

ソフトウェア・エンジニア、ハードウェア・エンジニア、アニメーター、ドローン技術者、認定ドローンパイロットで構成されるこのドローンチームは、世界中の大規模な文化イベント向けに新たな夜空のエンターテインメント体験を開発しています。いくつか例を挙げると、NFL スーパーボウル 2017 のハーフタイム・ショー、コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル、オーストラリアのビビッド・ライト・フェスティバルでほかにはないライトショーをデザインしました。

最近では、ロサンゼルスでのイベント期間中に、映画のホーム・エンターテインメントのリリースを記念して、Warner Bros と Ultra Productions の「ワンダーウーマン」スペシャル・ライトショーを制作しました。女性だけの運営チームを率いて、電子チェロ奏者の Tina Guo 氏によるライブ・パフォーマンスを組み込んだドローン・ライトショーを開催しました。

「ワンダーウーマン」の監督である Patty Jenkins 氏は、「ドローンはとても素晴らしいですね。

ショーを見ていると、これが未来だと感じます」と述べました。

Cheung は、思いが高まるとすぐに行動します。世界中を飛び回り、会議に追われていることが多いのですが、時間が止まったかのように、輝くドローンが配置につくのを見られる瞬間がますます増えています。カリフォルニア州の砂漠で開催されるコーチェラ音楽祭とつながったのがまさにその瞬間でした。それは最初から「やりたいことリスト」にあったものだと Cheung は言います。

「コーチェラは自宅と職場のちょうど南に位置しています。初めて 100 機のドローンを飛行させたときから、ライトショーは音楽祭に異次元の世界をもたらすだろうと思っていました。最初に頭に浮かんだのは、もちろんコーチェラ音楽祭です。よく耳にするこの音楽祭には、シンボルとなっている観覧車と、開催地のパーム・スプリングスに由来するヤシの木 (パームツリー) があります。そこで、コーチェラ向けのショーを特別にデザインしたのです」(Cheung)

ドローンによるライトショーをやり遂げるには、多くの可動パーツや複雑なものを完璧に連動させる必要があります。

「さまざまな環境で常に新たな課題に取り組むわけです」(Cheung)

キャリアパスの始まり

Cheung は、MIT で電気工学とコンピューター・サイエンスの修士号を取得し、卒業後、インテルに入社しました。UAV グループに加わる前は、ローテーション・プログラムを通じてインテルの 2 人の CEO の下で経験を積みました。

「ドローンは、ものの仕組みに対する強い興味を活かす絶好の機会をもたらしてくれました」と Cheung は語ります。

チームでブレインストーミングを行い、 コマーシャルや「大空での 360 度ブランディング」と呼ぶものにライトショーをどのように使うのが効果的か常に話し合っています。

「自分のやっていることに夢中になっていて、仕事という感じがしません。現場でさまざまな人々と出会い、ドローン・ライトショーを初めて体験して驚いているのを見るのが本当に楽しいんです」(Cheung)

ドローンとの関わりが深まるほど、遭難したハイカーの捜索から忘れられない結婚式の演出まで、この技術が日常生活のさまざまな面でどのように支援できるか、次々にアイデアが浮かんできます。

「チームは、ドローン技術で実現可能なものにまだ着手したばかりです」と Cheung。

ドローン技術の進歩により、より優れた安全な自動飛行が可能となり、ドローン・ライトショー・システムのセットアップや運用も簡単に行えるようになります。運用を通じて学んだことや設計のイノベーションは、ライトショーの枠を超えて、ドローンをさらに役立つものにする新たな大革新をもたらす可能性があると Cheung は話します。

「現在は 1 人のパイロットが 1 機のドローンを飛ばして捜索や救出活動を行っていますが、 1 人のパイロットが複数のドローンを飛ばせるようになれば、より広い範囲をより迅速に捜索できます。将来的には、ドローンによって収集されたすべてのデータをクラウドに送信して分析することで、行方不明のハイカーをより効率的に捜索できるようになります」(Cheung)

Cheung は、ドローン業界で有名なインフルエンサーになりました。Drone 360 Magazine では、「UAS における 2017年の注目すべき女性」の上位の 1 人としてを挙げられています。同誌は、ドローン・ライトショーを「インテルにとって有望なビジネスチャンス。商業ベースで利用できる製品を作り出すという課題は困難だが、最終的に花火に取って代わる可能性がある」と評価しています。

未来に向かって歩み、走り、飛ぶ

チェンは、キックスターターへの好奇心を追求していたある日、初めてドローンに出会いました。ドローン自作キットを見つけ、購入することに決定。

「組み立てるのは楽しかったのですが、ほぼすぐに墜落させてしまいました」(Cheung)

それ以来、自宅で所有するドローン群は増え続け、インテル® RealSense™ テクノロジーを搭載した Yuneec Typhoon H や、360 度回転するカメラで超高解像度空撮映像を撮影できる Yuneec Typhoon 4K などが含まれるまでになりました。

家の周りの雨どいを調べる際にもドローンを使うほどです。

「掃除が必要かどうかを確認するために、はしごを持ってきて登る必要は全くなくなりました」と Cheung。

結婚式の撮影にドローンを使うカップルが増えるとも考えています。

「パーティー全体の写真を撮るときに、カメラマンが全員を写真に収めようと椅子の上に立ちますよね?ドローンがあれば、はるかに簡単になります。正確に全体像を捉えることができるのです」(Cheung)

「いつまでもお幸せに」という文字が夜空に浮かび上がるのはどうでしょう?

次世代のリーダーを鼓舞

Cheung は、リーダーの地位にあっという間に上り詰めた幹部として、若い女性に情熱を追い求めるよう勧めています。興味のあるテーマを見つけ出し、目と心を大きく開いてそれに没頭します。

「インターネットは学習に最適な場所です」と Cheung は話します。Google* で検索すれば、背後のテクノロジーの仕組みがほぼすべて分かりますから」(Cheung)

また、優れたメンター、ロールモデル、ポジティブなインフルエンサーに助言や刺激を求めることが重要と述べ、 ネットワーキング・イベントや業界カンファレンスでそうした人を見つけたり、刺激を受けることを勧めています。

「自分の関心を引き付けてくれる経験を持つ女性を見つけ、キャリアパスについて話を聞かせてもらうのです」(Cheung)

臆病になったり、現状に自己満足することは避けなければなりません。クラスメートからメモ魔と呼ばれたり、指の小さな人にうってつけの作業を押しつけられたりしたときに、自己主張すべきであることを学びました。

「先入観に異議を唱え、自分の考えを伝えるべきです」と Cheung は語ります。「屈辱的な言葉は人を少し不安にする可能性があることを理解してもらう必要があります」(Cheung)

最終的には、テクノロジーと人の創造力を使ってより素晴らしい世界を築くために、チームで一丸となって取り組むことが目標です。Cheung にとって、これはドローンの能力を新たな高みに引き上げることを意味します。

「今、大きなチャンスが訪れています。ドローン技術がすでに多くの人々の日常生活にも溶け込んでいるのが分かります。取り組みはまだ始まったばかりです」(Cheung)