高メモリー使用デザイン向け Quartus® II ソフトウェアのサポート
大規模な FPGA デザインには、プロセス用メモリーを増やす必要があります。このページでは、大容量のメモリーを必要とするデザインを扱う際の手順を提供し、Quartus® II ソフトウェアで利用可能なメモリーを増やす方法を示します。
メモリー要件をチェック
Quartus® II デバイス・サポート・リリースノートには、サポートされているインテル® FPGA デバイスのメモリー要件に関する情報があります。
インテル® FPGA は、お使いのコンピューターが、メモリーおよびスワップスペースの最低要件を確実に満たすことを、強く推奨します。利用可能なメモリーとスワップスペースが推奨されている量に満たない場合、要件を満たす他のコンピューター上でデザインをコンパイルするか、またはお使いのコンピューターのメモリーを推奨量に見合う、または推奨量を超えるようにアップグレードしてください。
タイミング割り当ての最適化
タイミング割り当てを最適化すると、処理に必要となるメモリーを減らすことができます。タイムグループ (Quartus® II ソフトウェア・バージョン 4.0 から 5.0 でサポートされている) または割り当てグループ (バージョン 5.1 でサポート開始) を使って、一般的な割り当てとノードを組み合わせて、メモリーを節約します。多くの個々のノードに個別のタイミングを割り当てる代わりに、このアプローチを使用できます。
例えば、値が 2 のマルチサイクル割り当てが多いデザインの場合、ソースとデスティネーションのノードを 2 つのグループに割り当ててから、2 グループ間の 2 つのマルチサイクル割り当てを 1 つにすることで、メモリーの使用を削減できます。メモリーの節約は、特定のデザインや割り当てによって変わります。
利用可能なメモリーを拡張
32 ビット Windows: デフォルトでは、32 ビット・バージョンの Windows のプロセスは、 2GB のメモリーに制限されています。もしデザインが 2GB 以上のメモリーを必要とする場合、boot.iniファイルを編集して、プロセスごとのメモリーを最大 3GB まで増やせます。boot.ini ファイルの編集方法については、以下のソリューションを参照してください: Windows の Quartus® II ソフトウェアに、2GB 以上の RAM を割り当てることができますか?
Quartus® II 32 ビット Windows 実行可能ファイルは、大規模なアドレススペースに対応し、変更なしでも最大 3GB のメモリーを使用できます。
64 ビット Windows: Windows XP x64 は、プロセスごとのメモリーを最大 8TB までサポートします。メモリーが足りなくなった場合は、RAM をもっとインストールするか、上記のテクニックを使って割り当てを最適化してください。
Linux*: Red Hat* Enterprise Linux* バージョンのほとんどには、デフォルトで設定された最大メモリー制限があります。これらの制限は変更できません。Red Hat* Enterprise Linux* のウェブページから、最大メモリー制限情報が閲覧できます。
利用可能なメモリーを 4GB 以上に拡張
32 ビット・バージョンの Quartus® II ソフトウェアが、3GB メモリーと最適化されたタイミング割り当てを使ってもまだデザインをプロセスできない場合は、Quartus® II ソフトウェアの 64 ビット・バージョンを使用してください。64 ビット・バージョンのQuartus® II ソフトウェアを使用することで、プロセスごとのメモリーは 4GB 以上になるため、コンパイルするのに大容量のメモリーを必要とするデザインをサポートします。
ただし、 64 ビット・バージョンの Quartus® II ソフトウェアでデザインをコンパイルするには、32 ビット・バージョンで同じデザインをコンパイルするよりも、50 から 100 パーセント多いメモリーが必要となる場合があります。例えば、32 ビット・バージョンで 3GB 以上のメモリーを必要とするデザインの場合、64 ビットでコンパイルするには、最低でも 6GB のメモリーが必要となるでしょう。
Windows で 64 ビット・バージョンの Quartus® II ソフトウェアを使うには、インストール中に Quartus® II ソフトウェア 64 ビット・コンポーネントを選択する必要があります。
Linux のコマンドラインで 64 ビット・バージョンの Quartus® II ソフトウェアを使用するには、実行可能ファイル (quartus、quartus_map、quartus_fit、quartus_sta、quartus_tan、および/またはquartus_cdb) のコマンドラインを呼び出す際に、Quartus® II ソフトウェアに -‐64 ビット・フラッグをパスできます。
最後に、QUARTUS_64BIT 環境変数を 64 ビット処理に指定する設定を行うか、32 ビット処理の指定を設定解除します。この環境変数は、GUI とコマンドライン実行可能ファイルの両方に影響します。
サービスリクエストを送信
一部の場合では、デザインの最適化やソフトウェアの改善が必要になるかも知れません。デザインファイルを含めて、インテル® FPGA mySupport サイトでサービスリクエストを送信することで、問題を再現したり、訂正できます。