MicroC/OS-II ミューテックスのデザイン例は、MicroC/OS-II 相互排他セマフォー (ミューテックス) の使用を示したものです。これはまた、Nios® II プロセッサー・ファミリーで MicroC/OS-II を使用するデザインの良い出発ポイントにもなります。MicroC/OS-II ミューテックスはセマフォーによく似ており、一般的に、シェアドリソースを保護し、かつ / またはタスク同期を容易にするのに使用します。ミューテックスとレギュラー・セマフォーの主な違いは、ミューテックスにはこれを有するタスクのプライオリティーを高めるコンセプトがあることです。
この MicroC/OS-II ミューテックスのデザイン例では、2 つの異なるタスクがシェアド・リソース、この場合は LCD ディスプレイにアクセスします。
タスク 1 と呼ばれるタスクは、LCD のトップラインでの Joint Task Action Group (JTAG) UART 接続のステータスをプリントアプトします。「1」は、JTAG UART が nios2-terminal プログラムへの有効な接続を検出したことを示します。「0」は、JTAG UART で nios2-terminal プログラムとの接続が切れていることを示します。標準出力 (STDOUT) 設定で JTAG UART を開始する際は、有効な接続が検出されています。nios2-terminal プログラムが停止した場合、または JTAG ケーブルの接続が外れた場合、接続ステータスは数秒後に変わります。タスク 2 と呼ばれるタスクは、システムが LCD のボトムラインで実行している時間の長さをプリントアウトします。
このデザイン例の使用
Nios® II デベロップメント・キットがインストール済みであることを確認します。MicroC/OS-II ミューテックスのデザイン例をダウンロードし、ファイルを<Nios II kit path>/examples/software 下のディレクトリーに解凍します (例えば、<Nios II kit path>/examples/software/ucosII_mutex)。このディレクトリーにインストールした場合、このデザイン例は Nios® II インテグレーテッド・デベロップメント・エンバイロメント (IDE) プロジェクト・テンプレートとして利用できます。MicroC/OS-II ミューテックスのデザイン例には、サポートされている対象のハードウェア・コンフィグレーションでこのデザイン例を実行するのに必要な、プロジェクト設定が含まれています。MicroC/OS-II ミューテックスのデザイン例を使用するには、単に新規 C/C++ アプリケーション・プロジェクトを IDE 内に作成し、任意のプロジェクト・テンプレートを選択します。
このデザインの使用には、インテル® デザイン例ライセンス契約の条件が適用されます。
ハードウェア要件
MicroC/OS-II のデザイン例では、対象のハードウェア・デザインに以下のデバイスが存在する必要があります。
- LCD キャラクター・ディスプレイ
- JTAG UART
- タイマー
このデザイン例は、以下の Nios® II ハードウェアのデザイン例で実行できます。
- Stratix® II デザイン例
- スタンダード
- フル機能
- Cyclone® II デザイン例
- スタンダード
- フル機能