CIC および FIR フィルターを使用するデジタル・ダウン・コンバージョン・システム

お勧めの用途:

  • デバイス: 不明

  • Quartus®: バージョン 6.1 ～ バージョン 7.1

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デジタル・ダウン・コンバージョン・システムのデザイン例で、カスケード積分櫛形 (CIC) および有限インパルスレスポンス (FIR) コンパイラー機能をフィーチャーし、デジタル信号プロセシング (DSP) 知的財産権 (IP) を使用したマルチチャネル、マルチレートのデジタルシステムを示します。

サンプルレート変換は、最新のデジタルシステム、特に WCDMA および WiMAX などのワイヤレス通信システムで、幅広いアプリケーションがあります。CIC フィルターおよび FIR フィルターの連結により、デシメーションおよび補間を効果的に実装できます。

この例は、時分割多重化 (TDM) WiMAX レシーバーで一般的に見られる、データ・レート・ダウン・コンバージョン・システムを示したものです。システムの全体図を図 1 に示します。

図 1.TDM デジタル・ダウン・コンバージョン・システムのブロック図。

モデル

デザイン例への入力は、デジタル通信システムの同相 (I) コンポーネントおよび直交 (Q) コンポーネントなど、2 つの独立したデータソースからです。同相信号は、センター・フリークエンシーが 4.57MHz の正弦波です。直交信号は、センターが同じく 4.57MHz の余弦波です。混合されたタイム・マルチプレクス入力データ配信は、182.784MHz でサンプリングされるため、同相信号および直交信号の対応するデータレートは、91.392MHzです。入力信号の一部は、高フリークエンシー追加ノイズにより壊れます。

CIC フィルターおよび FIR フィルターは、同相信号および直交信号のサンプルレートを 11.484MHz に変換し、同時に入力信号のスペクトラム情報を維持します。また、デシメーション・フィルターは、帯域外ノイズを拒否します。このため、このレート・コンバージョン・システムは、ノイズレスにダウンサンプリングされたフリークエンシー 4.57MHz の正弦波になるはずです。明確に定義されたレート変換システムでは、このデザイン例で示されているように、狭帯域の情報信号が入力から出力までそのスペクトラムを維持するはずです。

機能

  • デシメーションまたは補間は、CIC コンパイラー IP を使用して効率的に実装されます。
  • FIR コンパイラーは、CIC フィルターのドループを補正するため、インバース sinc フリークエンシー・レスポンスを持つように構成されています。
  • CIC 補正フィルターをデザインする MATLAB* スクリプトを、リファレンスとして提供します。このスクリプトでは、フリークエンシー・サンプリング法を用いて、インバース sinc フリークエンシー・レスポンスを持つ FIR フィルターを設計します。システム全体のレスポンスがプロットされ、通過帯域のリップルや阻止帯域の減衰など、システムの主な仕様を確認できます。
  • 複数の入力データソースに対応します。ワイヤレスおよび有線アプリケーションでは、入力データが時分割マルチプレクスとして表示されます。その他のアプリケーションでは、データソースがインターリーブとして表示されます。
  • パケット・フォーマット・コンバーターが含まれており、複数データソースをディスプレイ用に正しくデインタリーブします。
  • Avalon® ストリーミング (Avalon-ST) インターフェイスは、パケットデータを複数データソースからコア間に転送します。Avalon-ST に関する詳細情報は、Avalon® インターフェイス仕様 (PDF) を参照してください。

ファイル

この例で使用されているファイルをダウンロード:

このデザインの使用には、ハードウェア・リファレンス・デザイン・ライセンス契約の契約条件が適用されます。

zip ダウンロードには、以下のファイルが含まれます。

  • TDMDDC.mdl - DSP Builder デザインファイル
  • ciccomp.m - インバース sinc CIC 補正フィルターのデザイン用 MATLAB スクリプト
  • cic.vhd - CIC コンパイラー IP コアを作成するためのラッパーファイル
  • fir.vhd - FIR コンパイラー IP コアを作成するためのラッパーファイル
  • fdcoeffR4N8M1L110.txt - 生成済みの補正 FIR フィルター係数

パラメーター

DSP Builder for Intel® FPGAs における CIC および補正 FIR のデザイン例

表 1 は、フリークエンシー・レスポンスの全体的な仕様を示したものです。フリークエンシー・レスポンスの要件に基づいて、CIC フィルターおよび FIR フィルター 用のパラメーターを選択します (表 2 および 表 3 を参照)。

表 1.WiMAX DDC 総スペクトル要件の例

パラメーター 値
入力サンプリング・フリークエンシー 91.392MHz
出力サンプリング・フリークエンシー 11.424MHz
通過帯域のエッジ 4.75MHz
通過帯域のリップル 0.05dB 未満
阻止帯域の減衰 90dB 以上
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表 2.CIC フィルター向けのパラメーター

CIC パラメーター 値
フィルタータイプ デシメーション
ステージの数 8
レート変更係数 4
遅延差 1
インターフェイスの数 1
インターフェイスごとのチャンネル数 2
入力データ幅 8
出力データ幅 16
Hogenauer プルーニング オン
出力丸め処理 コンバージェント
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表 3.FIR フィルター向けのパラメーター

FIR パラメーター 値
レートの仕様 2 によるデシメーション
入力チャネル 2
入力ビット幅 符号付きバイナリー 16
出力ビット幅 フル解像度
係数のスケーリング なし
デバイスファミリー Stratix® II
構成 MCV
パイプライン・レベル 2
出力データ当たりのクロック 2
データストレージ M4K
係数ストレージ M512
マルチプライヤー DSP ブロック
係数の入力 ファイルから
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