Nios® II プロセッサー
Nios® II プロセッサーは、世界で最も汎用性に優れたプロセッサーであり (ガートナー調べ)、FPGA 業界で最も広く利用されているソフト・プロセッサーです。卓越した柔軟性を備えているため、コスト重視、リアルタイム制御、セーフティー・クリティカル (DO-254)、アプリケーション処理といったニーズを満たす上で最適です。Nios® II プロセッサーは、インテル® FPGA ファミリーおよび SoC ファミリーをすべてサポートしています。
Nios® II エンベデッド・プロセッサーを用いて設計する際には、インテルおよびパートナー・エコシステムにより提供される堅牢なソフトウェア開発ツールやソフトウェア・コンポーネントのポートフォリオを利用できます。Nios® II エンベデッド・デザイン・スイート (EDS) は、Nios® II ソフトウェア・デザイン用の包括的な開発パッケージです。Nios® II EDS には開発ツールだけではなく、ソフトウェア、デバイスドライバー、ベアメタル・ハードウェア抽象化レイヤー (HAL) ライブラリー、コマーシャル・グレード・ネットワーク・スタック・ソフトウェア、およびリアルタイム・オペレーティング・システムの評価版が含まれています。
EDS は、インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア (15.1 以上) またはインテル® Quartus® 開発ソフトウェア・ツール (13.1 ~ 15.0) の一部として含まれています。
ビルドツール
Nios® II ソフトウェア・ビルド・ツールは、アプリケーション、ボード・サポート・パッケージ (BSP)、およびソフトウェア・ライブラリー用ビルドオプションを管理するための強力なコマンド、ユーティリティー、およびスクリプトのセットです。
Nios® II Software Build Tools (SBT) for Eclipse は、編集、構築、デバッグなど、すべての Nios® II ソフトウェア開発作業を行うことができる統合開発環境です。Nios® II プロセッサー向けソフトウェア開発に関する、無料トレーニング・ビデオを見る。
PC、インテル® FPGA、そしてダウンロード・ケーブルが、Nios® II プロセッサー・システム向けのプログラムを書いたり通信を行うのに必要なもの全てです。
Nios® II Software Build Tools (SBT) for Eclipse の主な機能 :
エンベデッド・ソフトウェア
Nios® II エンベデッド・プロセッサーを使用することで、さまざまなサードパーティー・エンベデッド・ソフトウェア・コンポーネントにアクセスすることが可能です。
Nios® II エンベデッド・プロセッサーを使用することで、さまざまなサードパーティー・エンベデッド・ソフトウェア・コンポーネントにアクセスすることが可能です。
Nios® II EDS には以下が含まれています。
- MicroC/OS-II リアルタイム・オペレーティング・システム (別途製品ライセンスが必要です)
- NicheStack TCP/IP スタック - Nios® II Edition (インテル® Quartus® Prime プロ・エディション・ ソフトウェア v21.2 および インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア・スタンダード・エディション v20.1 までは Nios® II EDS の一部として無償で提供されています)
- 注: NicheStack TCP/IP スタック・ソフトウェアおよびドライバーパッケージは、インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア・プロ・エディション・バージョン 21.3 およびインテル® Quartus Prime 開発ソフトウェア・スタンダード・エディション・バージョン 21.1 以降サポートされません。新しい TCP/IP スタックは、インテル® Quartus® Prime Prime デザインスイートの将来のリリースで計画されています。
- Newlib ANSI-C 標準ライブラリー
- シンプル・ファイル・システム
- ハードウェア・デザイン例およびソフトウェア・アプリケーション
アプリケーション例、オペレーティング・システム、ミドルウェア、および Intellectual Property (IP) コアの全リストは、インテルとそのソフトウェア・ツール・パートナーから入手できます。
エンベデッド・ソフトウェアのデザインフロー
Nios® II プロセッサー向けソフトウェアの作成は、ほかのマイクロプロセッサー・ファミリーの場合と似ています。インテル® の Nios® II 開発キットを使用することで、非常に簡単かつ効率的に設計を開始することができます。これらのキットには、ドキュメント、既製の開発ボードなど Nios® II プログラムをすぐに作成するのに必要なすべてのツールが含まれています。
インテルが提供する Nios® II ソフトウェア開発環境は、以下のツールで構成されています。
- Nios® II IDE – Nios® II 統合開発環境 (IDE) は、Nios® II プロセッサー向けソフトウェア開発のグラフィカル・ユーザー・インターフェイス (GUI) です。プログラムの編集、構築、およびデバッグを含むすべてのソフトウェア開発作業を Nios® II IDE で行うことができます。Nios® II IDE から他のすべてのツールを起動できます。
- GNU 系ツール – Nios® II のコンパイラー・ツール一式は、標準的な GNU C コンパイラー (GCC)、アセンブラー、リンカー、および makefile 機能をベースにしています。
- ハードウェア抽象化レイヤー (HAL) システム・ライブラリー – HAL は、stdio.h、math.h などの ANSI C 標準ライブラリーに基づく、ホストの C ランタイム環境を提供します。HAL によって一般的な I/O デバイスが提供されるため、printf() などの C 標準ライブラリー・ルーチンを使用してハードウェアにアクセスするプログラムを作成できます。
- リアルタイム・オペレーティング・システム (RTOS) – インテル® は、Nios® II 開発キットによって、MicroC/OS-II RTOS を提供します。MicroC/OS-II は、スレッドセーフ HAL (hardware abstraction layer) システム・ライブラリー上に構築され、ドキュメントが用意されたシンプルな RTOS スケジューラーを実装しています。
- TCP/IP スタック – TCP/IP スタックは MicroC/OS-II に組み込まれ、標準 UNIX ソケット・アプリケーション・インターフェイス (API) を実装します。
- インストラクション・セット・シミュレーター (ISS) – Nios® II ISS により、ユーザーはターゲットとなるハードウェア・プラットフォームの準備ができる前にプログラムの開発を開始することができます。Nios® II IDE から、ユーザーは実際のハードウェア・ターゲット上で実行するのと同様に ISS 上で簡単にプログラムを実行できます。
- デザイン例 – Nios® II プロセッサーと開発環境の優れた機能をソフトウェア・サンプルで紹介しています。
この図は、Nios® II 開発環境におけるエンベデッド・ソフトウェアのデザインフローを示しています。Nios® II IDE は、オプションの RTOS および TCP/IP ライブラリーの統合とともに、コード作成のための環境を提供します。Nios® II IDE は、基礎となるテクノロジーとして GNU コンパイラーを使用するビルド管理ツールも提供します。エンベデッド・プログラムの実行およびデバッグも同様に、タスクとして Nios® II IDE 内で実行されます。設計者は、Nios® II 開発キットに含まれている FPGA 開発ボードまたは ISS をターゲットにすることができます。加えて、Nios® II IDE は、プロセッサー・システムのフラッシュ内容の管理に使用できるフラッシュ・プログラマーも備えています。
デバイスドライバー
インテル®では、インテル® FPGA Intellectual Property (IP) と HAL API のデバイスドライバーを提供しています。
インテルは、充実したペリフェラル・デバイス・ドライバー・セットを提供し、さらにカスタム BSP を自動的に生成してソフトウェア開発作業をスピードアップします。
- ハードウェア抽象化レイヤー (HAL) — Nios® II HAL 上でのアプリケーションを構築による生産性の向上。HAL はアプリケーションとデバイスレベルのソフトウェアの間に明確な区別を形成するソフトウェア・レイヤーです (図を参照)。HAL は、ファイル・ディスクリプター、I/O コントロール、およびバッファリングなどのサービスも提供します。これらのサービスは、ANSI C ライブラリーの必須機能なので、HAL ドライバーがこのような機能を提供する必要はありません。HAL システム・ライブラリーの詳細 (PDF) はこちら。
- BSP — Nios® II Software Build Tools for Eclipse は、システムのペリフェラル用ドライバーを含む完全な BSP を自動的に生成します。BSP エディターの詳細 (PDF) はこちら。
- カスタムドライバー — あらかじめ定義され、十分にドキュメント化されたドライバーの開発手順によって、HAL アプリケーション・プログラム・インターフェイス (API) を利用して、HAL 上に独自のカスタムドライバーを作成します。このモジュラーアプローチは、一貫性のあるポータブルで再利用可能なコードを促進します。HAL のデバイスドライバーの開発についての詳細 (PDF) はこちら。
今すぐ開始
Nios® II プロセッサーのツール、IP、開発ソフトウェアは無償で評価できます。製品を出荷できるようになったら、Nios® II IP コアライセンスを購入してください。このロイヤルティー・フリーのライセンスは永久使用でき、どの FPGA をデザインのターゲットとすることも可能です。したがって、ベースとなるハードウェアが変更されても、ソフトウェア投資は保護されます。次の手順に従って今すぐ開始することができます。
ステップ 1: 開発ソフトウェアの入手
Nios® II エンベデッド・デザイン・スイート (EDS) は、ダウンロード・センターから入手可能なインテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェアに含まれ、無償で使用できます。
このウェブサイトからソフトウェアをダウンロードしてください。
Nios® II EDS をダウンロードすると、以下のツールとソフトウェアを入手できます。
- Nios® II SBT for Eclipse
- NicheStack ネットワーク・スタック、Nios® II Edition (インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア v21.2 および インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア・スタンダード・エディション v20.1 までしか付属していません)
- Micrium 製 uC/OS II* 評価版
プラットフォーム・デザイナーおよび Questa* - Intel® FPGA Edition ソフトウェアは、インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェアの一部としてインストールされます。
ステップ 2: ソフトウェアの評価とアプリケーションの開発
- アプリケーションを構築し、インテル® FPGA IP 評価モード機能を使用して Nios® II 標準 / 高速コアを評価します。Nios® II エコノミーコアはライセンス不要です。
- Nios® II EDS には、多くのリファレンス・デザインとチュートリアルが含まれています。さらに、オンライン・トレーニングとインストラクター主導のコースも利用できます。詳細については、Nios® II プロセッサーのデザイン用トレーニングのページを参照してください。
ステップ 3: ライセンスの購入
Nios® II プロセッサー IP コアおよび関連製品のライセンスを購入する。
Nios® II プロセッサー IP
スタンドアロンの Nios® II プロセッサー・コア・ライセンス (注文コード: IP-NIOS)、またはエンベデッド IP スイート (注文コード: IPS-EMBEDDED) を購入し、Nios® II プロセッサーの無期限使用のライセンスファイルを取得します。
固定ライセンスとフローティングライセンスの両方があります。ライセンスファイルを入手される場合は、お近くの担当者までお問い合わせください。
Nios® II プロセッサーのライセンスについての詳細をご確ください。
Micrium MicroC/OS-II
Micrium MicroC/OS-II RTOS のライセンスを入手するには、Micrium までお問い合わせください。さまざまなエンベデッド・ソフトウェア・パートナーが、Nios® II プロセッサーをサポートしています。
詳細については、エンベデッド・ソフトウェア・パートナーを参照してください。
インテル® FPGA のデザインツールとソフトウェア
インテルによるその他の FPGA デザインツールやリソースを参照してください。OpenCL™ および OpenCL ロゴは、Apple Inc. の商標であり、Khronos の許諾を得て使用されています。