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Bluetooth® テクノロジーの仕組み

重要なポイント

  • Bluetooth デバイスの信号は 2.4GHz 帯のチャネル間を飛び回って、干渉が最低限の信号経路を識別します。これにより、エンドユーザーに一貫したパフォーマンスを提供します。

  • Wi-Fi はネットワークの接続性を提供するために使用されますが、Bluetooth テクノロジーはモバイルデバイスや PC と、ワイヤレス・ヘッドフォンなどの周辺機器との間で 1 対 1 のデバイス間通信を行うものです。

  • インテルは、Bluetooth テクノロジーにおいて始めから重要な役割を果たしており、全ての Wi-Fi アダプターに Bluetooth 機能を統合しています。

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Bluetooth テクノロジーの舞台裏

Bluetooth テクノロジーは、PC やモバイルデバイスを、ワイヤレス・ヘッドフォン、キーボード、マウス、ゲーム・コントローラーなどの周辺機器と接続します。Bluetooth デバイスは、2.4GHz の周波数帯で短距離無線により通信します。

2.4GHz の周波数帯は、Bluetooth デバイスが通信に活用できるチャネルを多数提供します。ペアリングされたデバイスは、これらのチャネル間で連携して信号をやり取りし、常に干渉が最低限となり信号品質が高くなる経路を追い求めます。このプロセスは周波数ホッピングと呼ばれており、Bluetooth デバイスが低遅延で一貫したパフォーマンスを実現するために貢献しています。

モバイルデバイスや PC で Bluetooth デバイスを初めて使用するには、各デバイスがデバイス ID やセキュリティー・キーなどの必要不可欠な情報を交換する、ペアリングと呼ばれる初期設定が必要です。ペアリングプロセスの認証を行うため、PIN やキーコードを 1 つまたは両方のデバイスでユーザーが入力する必要がある場合もよくあります。初期プロセスの終了後は、今後のペアリングを効率化するため、重要な接続情報が保存されます。

現在、Bluetooth テクノロジーは Bluetooth Classic と Bluetooth Low Energy (LE) という 2 つの異なるバージョンで提供されています。Bluetooth Low Energy は、バッテリー持続時間を維持するバースト通信向けに最適化されている一方、Bluetooth Classic は、より頻繁で持続的なデータ転送が必要な用途に用いられます。Bluetooth Classic では最大 79 の 2.4GHz チャネルを自由に使用でき、Bluetooth Low Energy ではホップ間で最大 40 チャネルを使用できます。

Bluetooth テクノロジーと Wi-Fi の比較

Wi-Fi は主にインターネットや多くのデバイス間のネットワーキング接続に利用される一方、Bluetooth テクノロジーはデバイス間のさまざまなユースケースで利用されます。Wi-Fi は 2.4GHz、5GHz、6GHz の周波数帯で動作しますが、Bluetooth テクノロジーが動作するのは 2.4GHz の周波数帯のみです。Bluetooth テクノロジーは比較的小容量のデータを扱う低遅延用途向けですが、Wi-Fi はより大きなファイルを迅速かつ簡単に移動できる帯域幅と容量を提供します。

Wi-Fi テクノロジーとそのインフラストラクチャーは多数のデバイス間でデータ転送を常に扱う必要がありますが、Bluetooth テクノロジーはホストから周辺機器との短距離のデータ転送を焦点としています。

Wi-Fi と異なり、Bluetooth テクノロジーが機能するためにルーターやアクセスポイントなどのインフラストラクチャーは不要です。その代わり、Bluetooth の各デバイスはホストに直接接続します。Wi-Fi デバイスは固定チャネルで動作します。それとは対照的に、Bluetooth デバイスはチャネル周波数間をホッピングします。Wi-Fi ネットワークに初めて接続する際、専用のペアリングモードは不要です。ユーザーは必要なネットワーク認証情報を入力してログインするだけで利用できます。

かつては多くの PC が内蔵 Bluetooth 機能を搭載していなかったため、ほとんどの周辺機器ではデバイスごとに USB ドングルが付属していました。この結果、ユーザーが複数のドングルを PC に接続することがよくあり、ドングルを紛失したりドングルの機能が停止したりすると面倒でやっかいなことになりました。現在では、Bluetooth の機能は、デバイスの Wi-Fi をサポートするネットワーク・カードに備わっており、PC に内蔵されることが一般的です。これにより取り扱いが簡素化され、有線の周辺機器のための PC のポートを節約できます。

Bluetooth テクノロジーの未来

Bluetooth テクノロジーは進化し続けています。2022年7月、Bluetooth LE Audio により、音質の向上と消費電力の削減が実現すると共に、オーディオ共有や Auracast ブロードキャストなどのマルチストリーム機能もサポートされるようになりました。Auracast の導入は、Bluetooth テクノロジーを補聴器などの聴覚補助デバイス向けに使用するための大きな第一歩でもあります。

Bluetooth テクノロジーにおけるインテルの役割

2011年以降、すべてのインテル® Wi-Fi カードには Bluetooth 機能が統合されており、Bluetooth を接続するために別のドングルを用意する必要はなくなりました。インテルは、Bluetooth テクノロジーの開始以来これに携わっており、Bluetooth Special Interest Group (SIG) の創設メンバーです。SIG への参加の一環として、インテルは OEM や周辺機器メーカーと協力して、詳細な Bluetooth 実装仕様を作成しています。インテルのエコシステム全体にわたり企業と協力して、こうした仕様を企業が活用し、優れたエンドユーザー体験を提供できるよう支援しています。

また、インテル搭載システムが、ワイヤレス・ヘッドフォンを使用できるようにするためなどに用いられる主な Bluetooth オーディオ処理機能を CPU からオーディオ・サブシステムの低消費電力デジタル信号プロセッサーにオフロードできるようにしました。このアーキテクチャーがあることで、エンドユーザーのデバイスにオーディオ信号を供給する必要がなくなるため、CPU はより頻繁にディープスリープ状態になることができます。これにより、PC の消費電力を削減し、バッテリー持続時間を伸ばせます。

Bluetooth テクノロジーは現代の接続性に不可欠

今日、Bluetooth テクノロジーは、現代のネットに接続された生活にとって不可欠な要素です。Bluetooth 接続の土台となっている技術的機能により、仕事、遊び、聞くこと、コミュニケーション、接続がより簡単で手間がかからないようになっています。

Bluetooth テクノロジーがその機能を拡張する中、インテルはその発展を引き続き取り仕切り、テクノロジー、製品、そして業界のリーダーシップを通じて、世界中の技術者が新たで驚くような Bluetooth 体験を生み出せるよう支援していきます。