未来を加速する

新型コロナウイルス感染症の大流行によりコンピューティング・パワーがより必要不可欠なものとなり、計画が前倒しとなったため、インテルのデジタル・トランスフォーメーションは順調に進みました。基幹産業の 1 つとして、インテルがさらに製品を求めるお客様の要求に応えられるかどうかは、異常な状況下でも従業員の安全と生産性を維持できるかどうかにかかっていたのです。世界が一夜にして変化しても、世界中の製造オペレーションを中断することなく継続できるようにする必要がありました。

全世界で 11 万人を超える従業員のほとんどが、数日のうちに在宅勤務に移行しました。このため、工場オペレーションの監視と制御、製造装置の設置とトラブルシューティング、急増する顧客の需要に対応した複雑なグローバル・サプライチェーンの維持、従業員、顧客、サプライヤーから成る広範なエコシステムを連携させ、コミュニケーションとコラボレーションを行い、事業を継続するためのリモート機能が必要となりました。

インテルではパンデミックが始まる前に強固な基盤を構築し、ビジネスパートナーと協力して優先事項を特定し、従業員と顧客、パートナーのために最良の結果をもたらす変更を迅速に実施しました。

インテルが人工知能 (AI) やエッジツークラウド、5G、マルチクラウドなどの画期的なテクノロジーを活用すれば、インテルの製品は、よりインテリジェントで高度に統合されたものとなり、さらなる複雑性と変革的なプログラムの増加を促すことになるでしょう。インテル IT チームでは、このことをインテルの製品イノベーションを推進する機会というだけでなく、ビジネスのあり方を根本的に変える機会でもあると考えています。新しいテクノロジーを急速に取り入れ、差別化されたハイパースケール・コンピューティングを採用して、ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) の能力を倍増し、エネルギー効率の高いデータセンターで新しい複雑な製品アーキテクチャーをシミュレートしています。さらに、インテル全体で AI の価値提案が実現化されつつあります。例えば、AI を使用して製品検証能力の自動化および強化を行い、また消費電力を削減しパフォーマンスとバッテリー寿命の両方を向上させるよりインテリジェントな製品を生み出しています。

パーソナライズと使いやすさをもたらす技術により、企業の市場での差別化と従業員の定着率を高めることのどちらも可能にします。インテルの従業員、顧客、パートナーは、消費者テクノロジーの世界に暮らしており、企業は直感的でパワフルかつ魅力的な技術を生み出そうと競い合っています。インテルのビジネス・アプリケーションは、消費者向けアプリではありませんが、複雑さを取り除くパワフルで使いやすいツールをユーザーに提供しようとする力に触発されています。

インテル独自のデータの可能性を解き放つことが、この取り組みの中核となります。インテルの製造ツールや顧客とのやり取り、テストと検証ツール、その他のソースは、ペタバイトのデータを生成します。このデータを使用して、顧客のニーズをよりよく理解し、販売担当者がより優れたサービスを提供できるようにしています。また、データを使用することで、顧客にとって適切な製品性能と価格構造をインテリジェントかつ効率的に決定することもできます。インテルは、製品開発に使用されるソフトウェアと知的財産 (IP) のために、独立したデータパドルを単一のリポジトリーに統合することで、顧客への新しい製品の提供を迅速化しています。これらおよびその他のソリューションは、インテル従業員の業務と、インテルと顧客の関係の両方の変革に役立っています。

危機が人々を結びつけ、学習曲線の短縮を可能にします。このパンデミックによって、長期的に見れば、オペレーションを改善し、全社的なコラボレーションを深め、顧客により優れたサービスを提供する方法を急速に変化させる機会が示されました。インテル IT チームは、インテルの「ニューノーマル」タスクフォースの重要な役割を担っており、新型コロナウィルス感染症からの教訓を、2021年以降におけるインテルの事業展開を形作るために生かしています。インテルは、まだ未来の仕事のあり方を定義しているところですが、得られた教訓は、さまざまな役割やワークスタイルをサポートし、新たなレベルのコラボレーションを促進する、より柔軟でパーソナライズされた没入感のある作業環境を推進する際に役立つでしょう。

私たちは、デジタル・トランスフォーメーションを目的地でなく、旅として受け入れています。これまで同様、従業員は重要な役割を担っています。私たちの成功は、従業員が熱心に取り組み、変革を推進する中核となることで、デジタルに精通した組織文化と労働力に移行する能力の中にあります。

インテルでは、地球上に暮らすすべての人の生活を豊かにする、世界を変えるようなテクノロジーを創造することを目標としています。この目標は、2020年の成果と教訓を基に、2021年には従業員、顧客、パートナーに向けて、さらなる価値とより多くの成長を生み出すためのインスピレーションとなるでしょう。