シンクライアント・コンピューティングとは?
シンクライアントの端末は、大容量のストレージドライブを搭載していない軽量の PC です。シンクライアント端末は一元管理され、大部分の記録やアプリケーション、データはサーバー上に格納されます。サーバーは、クラウドサーバーの場合もあれば、オンプレミスのエッジサーバーの場合もあります。
シッククライアント端末とシンクライアント端末の違いは、「シック」または「リッチ」クライアント端末はフル機能の PC を指すのに対し、シンクライアント端末はワークロード処理の大半をサーバーに依存している機能が制限された PC であることです。
シンクライアント端末は、仮想化されたビジネス環境を構成し、通常はコスト削減、セキュリティー向上、拡張性といったメリットを提供します。インテル® テクノロジーは、シンクライアント端末とサーバー間のアーキテクチャーを構築して、仮想デスクトップ・インフラストラクチャー (VDI)、インテリジェント・デスクトップ仮想化 (IDV)、トランスペアレント・クライアント・インフラストラクチャー (TCI) を実現します。
インテル® テクノロジーを搭載したシンクライアント端末は、内蔵グラフィックス、4K ディスプレイへの対応、応答性の高いコンピューティング・パフォーマンスにより、優れたユーザー体験を提供します。このデバイスは、IT チームが次のことを実施できるように支援するのに最適です。
- セキュリティーの強化や運用管理性に関する複雑な課題への対処
- 5G の開始やクラウド・テクノロジーに関連するリモート・クライアント・ソリューションへの対応
- VDI の進化系である Desktop as a Service (DaaS) の導入
- マネージド・サービス・プロバイダーにより提供される Hardware as a Service (HaaS) の展開
シンクライアントの特長
シンクライアント・アーキテクチャーによって、企業はセキュリティーの強化、IT 管理の負荷軽減、デバイスのコスト削減を図ることができます。
セキュリティーの強化
シンプルな導入と運用管理性
柔軟な構成
生産性の高いユーザー体験
低コスト
省スペース
シンクライアントの業界別の用途
ヘルスケア
データと個人情報を保護するための、医療保険の相互運用性や説明責任に関する HIPAA 規制を遵守しながら、Workstation On Wheels (WOW: キャスター付きワークステーション) や医療デバイスをサポートできます。
銀行業務 / 金融サービス
銀行の窓口係や投資銀行の行員がシンクライアント端末を使用すると、取引などの業務活動が常に一元管理されたサーバー上で実行されるため、機密データのセキュリティーを保持できます。
小売
小売業向けのシンクライアント端末は、ポイント・オブ・セール (POS) システム、デジタルサイネージ、インタラクティブ・キオスク、在庫システムなど、さまざまなユースケースで活用できます。
シンクライアント・アーキテクチャー
企業や組織に最適なシンクライアント・アーキテクチャーは、それぞれの企業や組織が採用している IT 戦略によって異なります。ここでは、主な用語を解説します。
インテリジェント・デスクトップ仮想化 (IDV)
IDV では、クライアント・イメージが複数レイヤーに分割され、OS とアプリケーションは一元的に管理され、エンドポイント・デバイスは物理的に管理されます。
トランスペアレント・クライアント・インフラストラクチャー (TCI)
TCI は、ソフトウェアとハードウェアを分離して、ソフトウェアをネットワーク経由でストリーミングしながら、コンピューティングとストレージを分割します。
シンクライアント端末の種類
シンクライアント端末にはいくつか種類があり、それぞれローカル機能とリモート機能のレベルが異なります。
ゼロクライアント・デバイス
リモートのみ ローカルストレージに OS を搭載しない、最小限の構成。
フレキシブル・シンクライアント
ローカルとリモート ローカルストレージに OS をフル搭載し、ネットワーク経由でアクセスできるリモートサーバー上で処理。
モバイル・シンクライアント
ローカルとリモート フレキシブル・シンクライアントと同じアーキテクチャーに、モビリティーの利点が追加された形態。
リッチ・クライアント
ローカルのみ ローカルストレージに OS をフル搭載し、ローカルデータを処理。
シンクライアントのフォームファクター
幅広いフォームファクターから選択できるので、業務に最適なシンクライアント端末を選択することができます。
シンクライアント向けインテル® テクノロジー
低消費電力のデバイスから、大量のデータを処理するパワフルなエッジサーバーまで、インテル® テクノロジーを基盤とするシンクライアント・ハードウェアは、増え続けるアプリケーションに対応できるパフォーマンス、接続性、運用管理機能を提供します。
インテル® プロセッサー
インテル® プロセッサーには、あらゆるフォームファクターとアプリケーションに対応できるコンピューティングの幅広い選択肢が揃っています。内蔵グラフィックスと充実したコンピューティング性能により、豊かなユーザー体験を提供できます。
インテグレーテッド・コネクティビティー
インテル® テクノロジーを基盤とするシンクライアント端末には、内蔵 Wi-Fi*、Bluetooth*、イーサネットなどの接続オプションが用意されています。
運用管理性
インテル® プロセッサーには、IT 管理をサポートする機能が備わっています。アウトオブバンドのデバイス管理など、追加機能については、インテル® vPro® Enterprise (Windows 向け) プラットフォームを基盤とするデバイスを確認してください。
ハードウェア支援型のセキュリティー機能
ハードウェア支援型による暗号化と信頼の基点 (Root of Trust) により、データとデバイスを保護できます。
シンクライアント向けインテル® ソフトウェア
インテルは、トランスペアレント・コンピューティング向けインテル® ソフトウェア・ソリューション、インテル® グラフィックス・バーチャライゼーション・テクノロジー (インテル® GVT) など、IDV、TCI 向けのソフトウェアを実現しています。
インテル® Xeon® プロセッサー・ファミリー
インテル® Xeon® プロセッサーは、Desktop as a Service (DaaS) 用のオンプレミス・サーバーまたはクラウドサーバーとして応答性に優れたパフォーマンスを提供します。
免責事項
インテル® テクノロジーを使用するには、対応するハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。
絶対的なセキュリティーを提供できる製品またはコンポーネントはありません。
コストと結果は状況によって異なります。
インテルはサードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。正確さを評価するには、ほかのソースを参照する必要があります。