スマートエネルギー

スマートエネルギー・アプリケーション向けインテル® FPGA

成長する国際社会においてエネルギーを効率よく安定供給することは、今後 10 年間の主要課題の 1 つです。この課題は、スマートグリッドの進化に伴い多くの機会をもたらし、同時に、より先進的な電力供給メカニズムの必要性が顕著になりました。

最初のグリッドは、石炭などの従来の化石燃料または原子力エネルギーを使用する発電所でのエネルギー生成によるものでした。発電所で生成されたエネルギーは、一連の送配電 (T&D) ネットワークを経由して長距離伝送され、最終的に顧客に供給されます。しかし、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによって発電の分散化が進む 21 世紀において、この一方向のエネルギーの流れでは立ち行きません。

さらに、最新のグリッドには有線、無線を問わず、通信技術の進歩が組込まれつつあります。こうした通信機能がいわゆる「スマートグリッド」につながっています。しかし、さまざまな障害がスマートグリッド実現の妨げとなっています。そうした障害には、進化し続ける規格、確実な信頼性要件、セキュリティー、低コストでの実装、リアルタイム送電のための双方向通信などがあります。

スマートエネルギー・エコシステムのためのスマートグリッド・オートメーション機器や、ソーラー・インバーター・システムなどの再生可能エネルギー源の設計は決して単純ではありません。そこで重要な役割を果たすのが、インテル® FPGA です。制御ループ、グリッド通信、ネットワーク冗長化、セキュリティーなど、ミッション・クリティカルなシステム機能の性能と拡張性への要求が高まる中、インテル® FPGA またはインテル® SoC FPGA ひとつで、進化するデザイン規格への適合度を上げることができます。

FPGA 1 つで拡張性のあるプラットフォーム

インテル® FPGA 1 つを使用したスマートエネルギー・システムは、さまざまなニーズに対応する拡張性のあるプラットフォームを提供します。インテル® MAX® 10 FPGA、Cyclone® V および Cyclone® V SoC シリーズ FPGA で設計することによって、デザインに必要な性能、柔軟性、およびコスト削減を提供できます。FPGA ベースのシステムは以下を実現します。

  • 柔軟性: システム機能の変更とプラットフォームの再構成
  • 性能: 最適化された DSP テクノロジーによる、複雑な制御アルゴリズムのハードウェア・アクセラレーション
  • デザインの統合: FPGA デザインフローとエンベデッド・プロセシング (C コード) の要件をサポートするミックスド・システム・ファブリック
  • 低コスト: 部品数が減少した密閉システムによるコストと消費電力の削減およびシステム信頼性の向上
  • 安定供給: 15 年以上の平均製品ライフサイクルに対応

インテル® FPGA では、Nios® II エンベデッド・プロセッサーやさらに強力なデュアルコア ARM* Cortex*-A9 MPCore* ハード・プロセッサーなどの、複数のプロセッサー・アーキテクチャーを利用できます。さらに、スマートグリッド・アプリケーション用 IP と統合開発ツールフローが共に、FPGA ハードウェアとソフトウェアの開発をサポートします。

スマートグリッド

新規またはアップグレードしたスマートグリッドの制御を最適化するには、特に送配電 (T&D) 変電所でのエンドツーエンドの通信と効率的な電力網が必要です。オートメーションをサポートするには、機器によってグリッドをリアルタイムでモニタリング、制御、および保護し、ピーク需要時の負荷の管理を効率化する必要があります。インテル® FPGA テクノロジーは、複雑なスマートグリッド・エコシステム全体で極めて重要な役割を果たします。

代表的な変電所オートメーションのアーキテクチャー

変電所およびユーティリティーのオートメーション・アプリケーション全体で、IEC 61850 オーバー・イーサネット、IEC 62439-3 第 4 節パラレル冗長化プロトコル (PRP)、および第 5 節高可用シームレス冗長性 (HSR) 規格が急速にスマートグリッド・システムにおける高可用性ネットワークの基幹回線になりつつあります。設計者は、変電所の機器を取り扱う上でいくつかの厳しい課題に直面します。信頼性、アップグレードの可能性、および互換性が要求されるミッションクリティカル・システムをリアルタイムかつ長いライフサイクルでサポートしなければならないからです。

冗長ネットワークでのリアルタイム・スイッチ要件には、FPGA による実装が最適です。インテルの低コストの Cyclone® V FPGACyclone® V SoC FPGA は、PRP/HSR 冗長化および進化する PRP/HSR 規格による Gbps イーサネット・トラフィックの性能要件を満たします。

FPGA による簡単な PRP/HSR イーサネット・スイッチ

スマートグリッド・デザインの実装をさらに簡単にするために、インテルはネットワーク機器と知的財産 (IP) の主要プロバイダーである Flexibilis* 社と協力して、 PRP および HSR プロトコル規格をサポートする GbE スイッチである Flexibilis Redundant Switch* (FRS) を開発しました。インテルの FPGA と FRS IP を組み合わせ、簡単かつ優れた費用対効果で PRP/HSR スイッチを開発でき、以下のようなメリットを提供します。

  • ライセンス交渉が不要
  • ライセンス料金の前払いが不要
  • 単位あたりのロイヤルティー報告が不要

Cyclone® V FPGA および Cyclone® V SoC FPGA 向けの Flexibilis Redundant Switch* (FRS)

FRS IP の主な機能:

  • Cyclone® IVCyclone® V、および Cyclone® V SoC デバイス上で 3 ~ 8 ポートへの拡張性
  • すべてのポートでの全二重 1000Mbps (Gigabit media Independent Interface) および 10/100Mbps (Media independent interface)
  • ワイヤースピードのパケット転送
  • ノンブロッキング動作
  • データ完全性機能を備えた信頼性のあるストア・アンド・フォワード動作
  • HSR 冗長ボックス (RedBox)、HSR エンドノード、HSR 四重ポートデバイス (QuadBox)、PRP RedBox および PRP 用二重接続ノード (DANP)
  • IEEE 1588 Precision Time Protocol (PTP) およびトランスペアレント・クロック準拠

デザインを開始するための 3 つのステップ

  1. IP をリクエストして技術資料を見る
  2. リファレンス・デザインをダウンロード
  3. 生産準備が整ったら、インテル® FPGA の販売代理店から FPGA と低コストのセキュリティー CPLD を購入

ソーラー・インバーター

信頼性と効率に優れ、コストを抑えたソーラーまたは太陽光発電 (PV) システムを製造することは、ソーラーエネルギーの競争力を高めるための重要なステップです。この要件を満たすソーラー・インバーター・アーキテクチャーを設計するにあたっては、以下の課題があります。

  • 増大する電力ニーズに対処するために、集中発電とともに分散された再生可能エネルギー源を供給するための信頼性と長い耐用年数
  • 3 レベル IGBT や広帯域ギャップ SiC-FET などの高度な制御アルゴリズムと電力トポロジーを利用した効率の向上と単位コストの削減
  • 電力品質のモニタリングと制御を含むその地域のグリッドコードへの準拠

従来の PV インバーター・アーキテクチャーは、MPPT (最大電力点追尾) / DC-DC 制御用の DSP、DC-AC 制御用の FPGA、およびシステム通信処理用の MCU で構成されていました。しかし、DSP 制御ループ、DC-DC / DC-AC 変換、および通信をすべて 1 個のデバイスに統合することにより、これら 3 つのシステム・コンポーネントをインテル® MAX® 10 FPGACyclone® V FPGA、または Cyclone® V SoC FPGA に集約することが可能です。下に示すこの新しい最適化されたアーキテクチャーは、システムコストの最適化と部品数の削減を実現し、システムの信頼性向上や小型化につながります。

インテル® MAX® 10 FPGA、Cyclone® V FPGA または Cyclone® V SoC FPGA による PV インバーター・アーキテクチャー

次世代 SoC インバーター: Cyclone® V SoC FPGA とエンベデッド ARM* プロセッサーを使用して、DSP 制御ループと MCU ソフトウェアを統合した結果、  部品点数および障害点が削減され、インバーターの小型化、軽量化および低コスト化を実現しました。

MPPT リファレンス・デザイン

MPPT (maximum power point tracking: 最大電力点追従) リファレンス・デザインは、DSP Builder for インテル® FPGA モデルファイルとして利用でき、ソーラー・インバーターへの以下のような MPPT アルゴリズムの実装例を提供します。

  • 山登り法 (P&O) に基づく MPPT による FPGA 性能の実装例
  • マルチチャネルの MPPT デザインに拡張する再利用可能なデザイン
  • 36 クロックサイクル (0.36µs) のエンドツーエンド・レイテンシー (Cyclone® V FPGA、100MHz 動作時)
  • ソーラー・インバーター内部の MPPT アルゴリズムを設計するための DSP Builder ツールフロー

このリファレンス・デザインの入手については、販売代理店にお問い合わせください。

MATLAB Simulink/FPGA ツールフローにおける MPPT リファレンス・デザイン

3 レベル IGBT PV インバーター・リファレンス・デザイン

インテルと EBV Elektronik* から VHDL ソースコードとして入手可能なこの IGBT リファレンス・デザインは、3 相 3 レベル IGBT インバーターに最適で、以下に対応しています。

  • Cyclone® FPGA と SoC デバイス上での複雑な制御アルゴリズム
  • 電流リップルの低減
  • 電磁妨害 (EMI) の低減
  • アクティブ・フィルタリングを改良して受動部品を減少させたことによるインバーターの小型化、軽量化、およびコスト削減

このリファレンス・デザインの入手については、販売代理店にお問い合わせください。

IP3 によるエナジー・ゲートウェイ

エナジー・ゲートウェイは、インテル® Energy Collective Optimization のプラットフォームで付加価値サービスを構築する電力データ中心の専用エッジ・デバイスです。インテル® SoC FPGA とセンサーを使用して高速かつ高性能にエネルギーの集計データが内部で収集され、DER (分散型エネルギーリソース)管理や電力データの分離分析を行うことができるようになります。

リソース

産業用ソリューションの参照リンク

その他のリソース

インテル® FPGA の産業機器アプリケーション

アプリケーション別ソリューションを活用し、デザインの課題を解決する方法を紹介します。

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インテル® FPGA とプログラマブル・デバイス

重要なワークロードの高速化を可能にし、規格の進化または要件の変更への適応を支援するカスタマイズ可能なデバイスです。

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