画像診断
画像診断
画像診断装置のためのインテルのソリューションの例
X 線撮影や超音波診断などの画像診断システムが使用されるようになって数十年が経ちます。また、これに続く新しいテクノロジーとして、コンピューター断層撮影法 (CT)、磁気共鳴映像法 (MRI)、核 / 陽電子放射断層撮影法 (PET) なども登場しました。画像診断システムは、極めて複雑な画像処理多用システムです。そして、メーカーには機能拡張や性能向上を次々と導入しなければならない大きな重圧がかかっています。
半導体は、画像診断システムの開発に極めて重要な役割を果たします。柔軟性と高性能を備えたプログラマブル・ロジックは、今後の画像診断システムにおいても重要な構成要素と言えます。
上図に示すとおり、代表的な画像診断システムは、データ収集カード、データ統合カード、および画像/データ処理カードの 3 種類の主要カードで構成されています。
データ収集カードは入力データのフィルター用で、最もコスト要求の厳しいシステムカードです。一般に、画像診断システムは、多数のデータ収集カードで構成されています (場合によっては、1 システム当たり最高 20 枚のカード)。フィルター、補正されたデータは、バッファリングとデータ・アライメントのためにデータ統合カードに送られます。検出器が身体の周りで回転する CT や PET スキャナーでは、データがシリアル化され送られます。データが収集されると、画像 / データ処理カードに送られます。これらのカードは、すべての高負荷フィルタリングと画像再生を実行するため、システム内で最もアルゴリズムを多用するカードです。完了すると、ディスプレイの画像処理やスケーリング機能は、通常、シングル・ボード・コンピューター (SBC) で実行されます。設計者はコンポーネントを選択する前に、以下の要素を検討する必要があります 例えば、個々のシステムの数や必要とされる解像度により以下を選択することが考えられます。
- 標準アナログデバイスを使用するか、または ASIC にアナログ機能を組み込むか
- 2 次元 (2D) 画像か 3 次元 (3D) 画像か
- 処理カードと SBC (Single Board Computer) との画像処理の分割
- アルゴリズムの高速化を容易にするインテル® FPGA SDK for OpenCL™
画像処理用多機能プログラマブル・ソリューション
インテル® FPGA は、画像診断装置に組み込むのに理想的なデバイスです。コスト要求の厳しいデータ収集カード用デバイスの候補として、ほかのすべての低コストシリーズ FPGA と比較してロジックエレメント (LE) 当たりの価格が極めて低く、豊富な DSP ブロックを提供するインテル® Cyclone® FPGA およびインテル® Arria® シリーズ FPGA が有力です。
インテル® Stratix® シリーズ FPGA は、データ統合カードおよび画像処理カードに理想的です。これらのファミリーは、システム設計者にほかのデバイスでは得られない柔軟性、性能、集積度、およびデザインリソースを提供します。インテル® Stratix® シリーズ FPGA は、システム性能を高めるために、ブロックベースのデザインを促進する高性能アーキテクチャーを使用しています。これらには、高性能デジタル信号処理 (DSP) ブロック、エンベデッドメモリー、最大 952,000 個のエレメント (LE)、および柔軟性のある標準 I/O 規格が含まれます。インテル® Stratix® シリーズ FPGA は、DDR3、RLDRAM II、FCRAM、QDRII、DDR、QDR、SRAM などの外部メモリーとのインターフェイスが可能です。インテル® Stratix® シリーズ FPGA はさらに、高速データの処理に必要な、マルチギガビット・シリアル・トランシーバー・テクノロジー機能も備えています。
機能豊富な SoC デバイスファミリーと Nios® II エンベデッド・プロセッサーは、これまでにない柔軟性と性能を低コストで提供します。SoC と Nios® II プロセッサーは、補助カード上のモーター制御機能用としてホスト・マイクロコントローラーの代わりに使用できます。FPGA デバイスを画像処理カードに使用すると、DSP ブロックを、コプロセッサーとして組み合わせたエンベデッド Nios® II CPU または SoC をデジタル信号プロセッサーと置き換えることができるので、大幅なコスト削減が実現します。また、インテル® FPGA SDK for OpenCL™ 技術によって、アルゴリズム機能の高速化を FPGA にオフロードすることが容易になり、ソフトウェア・プログラマーは、製品化までの期間の短縮を可能にするデザインフローを利用できます。
画像診断機能に関して、さらに広域な Intellectual Property (IP)、開発キット、そしてリファレンス・デザインを提供しています。リンク先で、今すぐデザインを始めるための資料を紹介します。以下を参照してください。
ビデオ・ソリューション
柔軟なデザイン・ソリューション
インテル® FPGA のビデオ / 画像処理 (VIP) スイートは、医療用画像処理設計者に以下の利点をもたらします。
- 生産性向上
- 研究開発コストの増加抑制
- 陳腐化のリスクの低減
インテル® FPGA のビデオ / 画像処理 (VIP) スイートは、低コスト開発キット、ビデオ処理リファレンス・デザイン、およびインテル / サードパーティー・パートナーの主要ビルディング・ブロック Intellectual Property (IP) コアで構成されます。 インテル® FPGA のビデオ / 画像処理 (VIP) スイートは、スタンドアロン FPGA だけでなく、DSP プロセッサー + FPGA コプロセシング実装にも対応しています。
さまざまな機器 / アプリケーションに最適
インテル® FPGA のビデオ / 画像処理 (VIP) スイートは、統合ツールフローと完全なトレーニング・ヘルプにより、さまざまな医療用画像処理機器やアプリケーションに必要なモジュール性と柔軟性を実現しています。現在の医療機器市場では、以下のようなさまざまな機器の画像処理ソリューションを短期間で開発する必要があります。
- MRI、CT スキャン、超音波、および X 線画像診断システム
- 測定 / 解析機器
- 光学的操作 / 解析機器
- 外科用顕微鏡
- 遠隔医療機器
また、これらの画像処理ソリューションを実現するには、以下をはじめとするさまざまな高性能アプリケーション・アルゴリズムを開発および実装することもできなければなりません。
- 画像解析およびパターン認識
- 画像の高品質化および修復
- 画像 / データ圧縮
- ウェーブレット変換の利用
- カラースペース (色空間) 変換
ビルディング・ブロック IP コアに加え、モジュール化され、ビデオ / 画像処理ライブラリーに統合されている主な機能を、インテルのビデオ / 画像処理ライブラリーにほかのデジタル信号処理 (DSP) コアと併せて利用することにより、これらのアルゴリズムを従来よりはるかに迅速かつ効率的に実装することが可能です。
ビルディング・ブロック・コア
インテルのビデオ / 画像処理ライブラリーは、以下のビルディング・ブロック・コアで構成されています。
- 2D 有限インパルス応答 (FIR) フィルター
- 2D 中間値フィルター
- スケーラー
- デインタレーサー
- アルファ・ブレンディング・ミキサー
- カラー・スペース・コンバーター (色空間変換)
- クロマ・リサンプラー
- ガンマ補正
上記のビルディング・ブロック・コアはすべて、メモリーサポートがそれぞれパラメーター化されており、容易に相互にリンクすることができます。これらの機能により、インテル® Cyclone® / インテル® Stratix® シリーズのすべての FPGA で、柔軟で高性能なソリューションを効率的に開発することが可能です。
DSP Builder for インテル® FPGA ツールを使用すれば、MathWorks* のアルゴリズムツールによるラピッド開発が可能です。DSP Builder for インテル® FPGA は、MathWorks* によるアルゴリズム開発から、インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェアへの橋渡しをします。
インテルのビデオ / 画像処理ライブラリーのビルディング・ブロックを医療用画像処理アプリケーションに利用する方法の詳細は、ホワイトペーパー「Video and Image Processing Medical Imaging」(PDF、英語) を参照してください。
その他のビデオ / 画像処理 (VIP) アプリケーション
インテルのビデオ / 画像処理ライブラリーおよびリファレンス・デザインは、以下をはじめとするさまざまな業界向けのビデオ / 画像処理アプリケーションに役立ちます。
- HD (High-Definition) 放送エンコーディング、放送スタジオ、ビデオ会議
- 防衛用およびマルチチャネル・ネットワーク・カメラ
- 自動車および携帯型防衛機器用小型ディスプレイ
- 文書イメージング
詳細は、インテルのビデオ / 画像処理ソリューションを参照してください。