従来型の銀行がデジタル世界で市場適合性を維持する方法

今日の常時接続型、需要主導型の経済において、現金払いなどの従来型の銀行取引よりも、デジタル決済や電子商取引の方が顧客に好まれていることは明らかです。

金融サービス分野のビジネスリーダーにとって、市場適合性の維持とは、銀行取引に俊敏なアプローチを適用することを意味します。顧客の期待に応え、競合他社より優位に立つには、迅速なイノベーションが不可欠です。

昨年の Sibos では、討論のテーマの 1 つとして、銀行セクターのイノベーション力が取り上げられていました。しかし、12 カ月あれば、多くの状況が変わります。決済業界では変化の風が吹き荒れ、従来型の金融機関は一掃され始めています。

その大きな要因の 1 つが、欧州圏における第二次決済サービス指令 (PSD2) です。PSD2 は、金融サービス機関に対してリアルタイム決済の導入を求めると同時に、金融部門を ClearBank や Monzo といったデジタル革新を起こす新参業者にも開放し、競争を促しています1 この転換は欧州だけにとどまるものではありません。イスラエルでは、Leumi 銀行が独自のモバイル限定銀行取引サービスを開始し、顧客がいつでもどこでもサービスにアクセスできるようにしています。2

変革に向けた計画の立案

顧客が期待するリアルタイム決済サービスをタイムリーかつ効率的に導入するうえで、自社の現在の技術力を理解することが極めて重要になります。また、地理的な条件が異なれば、ビジネス変革のプロセスも大きく異なる可能性が高くなります。例えば先進国の場合、多くの金融機関で業種や地域別にサイロ化された大規模なレガシーシステムを保有しています。そのため、顧客の全体像を捉えることが難しくなっています。

対照的に、新興経済地域の多くには、古くから存続する決済システムなどのテクノロジーがないことで、変革プロセスが複雑にならず、先進国のような制約を受けることがありません。このように、変革に立ちはだかる障壁も後押しするインセンティブも、組織の状況によって異なります。それぞれの組織がより効率的に目標にたどり着くには、置かれた状況を的確に理解することが重要になります。

決済革命がもたらす潜在的なビジネスチャンスを理解する

ビジネス・インフラストラクチャーとデータ・アーキテクチャーを一元化することで得られるメリットは、リアルタイム取引だけではありません。顧客のニーズに関して新しい洞察を豊富に得ることも可能になります。例えば、顧客データをセグメントに分割する従来のルールモデルの刷新を検討していたある大手金融機関は、従来のアプローチに代わって、インテル® テクノロジーを搭載した人工知能 (AI) ソリューションを使用して 5 年分の顧客データを分析する包括的な手法を採用しました。これにより、精度の高い洞察を得て、顧客が購入する可能性の高いサービスを正確に把握できるようになりました。しかも、顧客モデリングに基づく従来の方法であれば 18 カ月以上を要する分析を、わずか数週間で完了しています。競争の激しい市場では、1 年以上経過した予測はあまり有益ではなく、特に、わずか数週間で得られた分析結果と比較すると、その価値は極めて限られています。

継続的なサイバー・セキュリティーの重視

イノベーションとは別に、金融サービスのビジネスリーダーにとって常に最優先事項となるのが、サイバー・セキュリティーです。データ駆動型のキャッシュレス時代においても、「顧客確認 (KYC)」ルールは依然として重要です。また、従来型のパスワード認証の価値が下がる中、指紋や顔認識など、生体認証への投資を継続することも重要です。3

セキュリティー面でも、キャッシュレス経済への移行は、新興経済地域にとって特別なメリットをもたらします。PwC の最新レポートによると、新興経済地域の規制当局は、現金支払いは膨大なコスト、リスク、非効率性を伴うと考えています。4電子決済は、不正行為と闘い、不正に取得された収入の流れを食い止めるためのツールとして機能することで、経済成長も促進します。また、オンライン決済は信用取引の利用を加速するため、GDP の成長も促すと、PwC は見込んでいます。

乗り越えなければならないハードルはありますが、キャッシュレスの世界経済には、顧客体験に変革をもたらし、経済成長を牽引する潜在能力があることは明らかです。金融サービス業界のリーダー企業は、リアルタイム決済のニーズを理解する必要があります。そして、革新的な競合相手よりも先に、新規顧客と既存顧客の双方を対象に、この種のサービスの提供についての明確なビジョンを描くことも重要です。

マルチクラウド・アプローチによるデータの一元化が新しい洞察を生み出す仕組みについては、インテルの最新ホワイトペーパーをご覧ください。5 6 7

免責事項

5インテル® テクノロジーの機能と利点はシステム構成によって異なり、対応するハードウェアやソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。実際の性能はシステム構成によって異なります。絶対的なセキュリティーを提供できるコンピューター・システムはありません。詳細については、各システムメーカーまたは販売店にお問い合わせいただくか、https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/quick-sync-video/quick-sync-video-general.html を参照してください。
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ベンチマーク結果は、「Spectre」および「Meltdown」と呼ばれる脆弱性への対処を目的とした最近のソフトウェア・パッチおよびファームウェア・アップデートの適用前に取得されたものです。パッチやアップデートを適用したデバイスやシステムでは、同様の結果が得られないことがあります。

性能に関するテストに使用されるソフトウェアとワークロードは、性能がインテル® マイクロプロセッサー用に最適化されていることがあります。SYSmark* や MobileMark* などの性能テストは、特定のコンピューター・システム、コンポーネント、ソフトウェア、操作、機能に基づいて行ったものです。結果はこれらの要因によって異なります。製品の購入を検討される場合は、ほかの製品と組み合わせた場合の本製品の性能など、ほかの情報や性能テストも参考にして、パフォーマンスを総合的に評価することをお勧めします。詳細については、http://www.intel.co.jp/benchmarks を参照してください。

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ここに記載されているすべての情報は、予告なく変更されることがあります。最新のインテル® 製品の仕様およびロードマップをご希望の方は、インテルの担当者までお問い合わせください。