2019年はモバイルバンキングの飛躍の年となるか?

モバイルバンキングは、今後 12 カ月でオンラインバンキングを上回ると予測されています。

デジタル・トランスフォーメーションはビジネスの世界を完全に改革しようとしています。その効果は今や金融サービス業界 (FSI) でますます感じられるようになっています。利用者の習慣が進化したので、あらゆる銀行取引のニーズに便利でテクノロジーに優れたサービスが期待されるようになっています。しかし、金融業界の進歩は、数多くの規制、および古いハードウェアや、度重なる買収や統合で生じた異種のシステムによって妨げられてきました。

「クラウドやモバイルのテクノロジーは、新たな規制と相まって、銀行業界を完全に革新しました。今やフィンテック・スタートアップ企業には、大手銀行に対抗し、従来のビジネスモデルを打破するパワーがあります」

ここ数カ月、モバイルバンキングへの大幅な移行が見られ、そのイノベーションの多くはフィンテック・スタートアップ企業によるものでした。モバイルバンキングは、オープンバンキングと PSD2 の登場によってさらに向上しました。これらの次世代の規制によって、スタートアップ企業やデジタルのみの銀行といった新しい波への道が切り開かれました。

オープンバンキングによって、従来は大手銀行のみが保持していたデータをスタートアップ企業が利用できます。クラウドベースの IT インフラストラクチャーによって、銀行業界への新たな参入者は、新しいテクノロジーに基づいて、より迅速にさまざまな機能を展開し、拡張することができます。伝統のある他社と異なり、フィンテック・スタートアップ企業は、レガシー・インフラストラクチャーが重荷になることがないので、確立された金融機関に対抗することができます。そして、コンシューマーにとってモバイルバンキングとは、使いやすいアプリでどこからでも取引を完了できることです。このようなアプリは支払い通知を備えており、家計管理が容易になります。また、小規模ビジネスには、コスト効率の高い財務管理方法を提供します。

新たな世代のチャンレンジャー・バンクの 1 つが Starling です。同社は英国初のモバイルバンクで 2017年に開業しました。別の例で定着しているのが、英国を拠点とするモバイルのみの銀行 Monzo です。Monzo には、アプリ内予算管理、支払い通知、および連絡先 / 友だちに支払いを行う機能やアプリ内から銀行カードを凍結 / 凍結解除する機能が含まれています。Apple Pay* を使用するモバイル決済も提供しています。さらに、モバイルバンキングの世界で進歩しているのは英国だけではありません。ドイツのアプリベースの銀行 N26 は、現在ヨーロッパのほとんどで事業を展開しており、2019年には米国に拡大すると期待されています。

多くのフィンテック企業が大手銀行に対抗している一方で、パートナーシップを結んでいる企業も多数あります。多数の国際銀行が独自のフィンテック・インキュベーターを備え、中には全く別のブランディングで独自の独立銀行を設立するところもあります。ロンドンを拠点とするモバイルバンク Revolut*は、元々 Barclays が支援していましたが、後に Lloyds が支援するようになりました。現在 300 万人以上の利用者がいます。

これらの成功事例で FSI の世界が変化していることを垣間見ることはできますが、ではモバイルバンキングで次は何が起こるでしょう。業界アナリストの CACI によると、物理店舗が引き続き速いペースで閉鎖されるにつれ、モバイルバンキングは 2019年にオンラインバンキングを上回ると予測されています。1

オープンバンキングは運用から 1 年が過ぎたばかりなので、2019年には既存のフィンテック・スタートアップ企業が製品を微調整し、さらに定着するようになるでしょう。この分野に参入するスタートアップ企業が増える一方で、既存のアプリは人工知能 (AI) などの新しいテクノロジーを利用して向上されると思われます。AI によって、銀行取引プロセスから非効率を排除することで取引を高速化できるだけでなく、チャットボットを実現することでカスタマー・エンゲージメントを向上することができます。また、AI によって製品に対する適切なパーソナライズを実現できます。過去の取引や習慣を使用して、分析に基づき、金融に関する洞察や投資のヒントを提供できます。

モバイルバンキングが進化するにつれ、すでに存在する現在の口座オプション以外の新しいサービスも現れ、従来の銀行にさらなるプレッシャーを与えることになるでしょう。新しいサービスとしては、貯蓄預金、アプリ内から口座を開く機能などが考えられます。

さらに、モバイルバンキングのユーザー層は拡大し始める可能性があります。これまでのところ、Monzo などのチャンレンジャー・バンクは若年層のほうが多く使用しています。年齢の高い世代が新しいテクノロジーを受け入れるには、オンラインバンキングと同じくらい (それ以上でないにしても) 安全であることを実証する必要があります。モバイルバンキングのセキュリティーは、次世代のスマートフォンに搭載される生体認証機能を使用してさらに向上できるでしょう。

インテルの金融サービス業界担当ジェネラル・マネージャーである Mike Blalock は次のように語っています。「クラウドやモバイルのテクノロジーは、新たな規制と相まって、銀行業界を完全に革新しました。今やフィンテック・スタートアップ企業には、大手銀行に対抗し、従来のビジネスモデルを打破するパワーがあります。まだ初期段階であり、5G が登場すればモバイルバンキングの世界はさらに変化します。つまり 2019年は始まりに過ぎません」

インテルがデータ主導型のデジタル・トランスフォーメーションを実現


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1 Banking by mobile app 'to overtake online by 2019’ (2019年にはオンラインを上回る、モバイルアプリによる銀行取引)