銀行の安全なデータ共有を支えるフェデレーテッド分析

インテルはソフトウェア・メーカー Data Republic と連携し、フェデレーテッド分析の共同プロジェクトに取り組んでいます。

「データの価値を最大限に引き出し、プライバシーとセキュリティーを維持しながら、もっと幅広く共有できるようにすれば、データの価値も影響力も増大します」。

あらゆる分野の企業で、生成するデータの量は増え続け、機密データを安全に保つことが主な懸念事項の 1 つになっています。これは特に金融サービス業界 (FSI) に当てはまります。この業界では、企業が極めて機密性の高い個人データや取引データを膨大に抱えているからです。業界の発展とともに、ますます多くのデータがさまざまな場所にさまざまな形式で保管されています。1 つの場所にまとめられているということはありません。PSD2 の導入やオープンバンキング規制の施行に加え、モバイルバンキングの成長により、このデータの氾濫はさらに進んでいます。

さまざまな場所に保管されているデータからどうすれば洞察を獲得できるかが、金融サービス業界にとっての課題となっています。データ・コラボレーション・プロジェクトの発見フェーズ以降では、データをアルゴリズムへと移動し続けるのは必ずしも有意義ではありません。これはデータ漏洩のリスクが高くなるうえ、大量の機密データの移動にはコストがかかります。フェデレーテッド分析はプロセスを反転し、アルゴリズムをデータに適用します。このプロセスによって、複数グループによる大規模な分析の実行が可能になり、データを移動する必要もなくなります。

フェデレーテッド分析では、アルゴリズムをデータに適用することによって、データを 1 カ所に集中させる必要もなく、企業は異種のデータソースから洞察を獲得することができます。この手法で提供されるセキュリティーは特に、データはローカル環境に保管したまま、分散アーキテクチャー全体で洞察のみを展開したい金融業界の企業に適しています。データのセキュリティーを維持できるだけでなく、金融業界ではフェデレーテッド分析のさまざまなユースケースが考えられます。複数の銀行をまたがった洞察データのプーリングは、所得証明や不正に関連する識別など、機密性の高いデータの検証を行う場合に特に役立ちます。例えば、複数の金融機関で照合クエリーを実行し、口座名義人が不正行為を行っていないか判定することも可能です。すべての銀行がこのアドバンテージを活用できますが、未加工のデータを競合相手に明かす必要はありません。

インテルがエコシステム・パートナーと連携して、金融業界の多くの企業が手元にある膨大な量のデータを最大限に活用できるフェデレーテッド分析ソリューションを開発する目的はここにあります。インテルの金融サービス業界担当ジェネラル・マネージャー Mike Blalock は次のように語っています。「データは、金融サービスだけでなく、世界の未来を定義しています。データの価値を最大限に引き出し、プライバシーとセキュリティーを維持しながら、もっと幅広く共有できるようにすれば、データの価値も影響力も増大します。インテルの目標は、所有情報や保護情報を含む可能性のある分散データセット間のコラボレーションにも対応しながら、プライバシーの確保と IP の保護に役立つデータ分析の新しい方法を開発することです」。

インテルはソフトウェア・メーカー Data Republic と連携して、企業がデータセット間で発見フェーズを確立した後でフェデレーテッド分析テクノロジーを適用できる、統合型ソリューションを開発しています。オーストラリアのシドニーに本社を置く Data Republic は、大手企業のデータチームがデータ共有の方法を管理して、データ交換プロジェクトでリスクを低減するソフトウェアを提供しています。Data Republic のデータ共有プラットフォーム Senate は、データの価値を最大限かつ確実に引き上げるだけでなく、ビジネスの洞察獲得までにかかる時間も短縮できます。

「アルゴリズムをデータに適用し、出力を管理することによって、Data Republic とインテルは、金融業界が直面している分析の現状を変えています。Data Republic が提供するのは、複数グループによるデータ・コラボレーション・プロジェクトを管理するためのガバナンスと発見のレイヤー、インテルが提供するのはフェデレーテッド分析ソリューションのフレームワークです。

セキュリティーが確保された異なる場所に保管された機密データを、データのプライバシーとガバナンスを確実に維持しながら、複数のグループが共同コンピューティングを実現できるように連携しています」(Data Republic、最高製品責任者、Frank McKenna 氏)。

Data Republic の Senate プラットフォームは、データ共有ガバナンス・フレームワークを中心に構築され、監査ログやユーザーのアクセス許可といった機能によりガバナンスを徹底します。また、Data Republic のガバナンスと発見のフレームワークはすでに構築されているため、インテルが進めるフェデレーテッド分析の未来のロードマップへと向かう入口の役割を果たしています。インテルと Data Republic のパートナーシップの目的は、このテクノロジーを市場に投入し、さまざまな分野に展開する方法を見出すことです。

Data Republic は、オーストラリア・ニュージーランド銀行 (ANZ)、Westpac など、オーストラリア最大クラスの銀行を含む多数の主要金融機関との提携実績があります。また、ほかにも多くの国際的金融機関とも積極的に活動しています。一方、インテルは最近、シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行 (UOB) との共同によるトライアル運用に成功しています。フェデレーテッド分析プラットフォームを使用して、国境を越えてマネー・ロンダリング対策 (AML) の取り組みを推進したのです。

「Data Republic やその他のエンドユーザーと連携して、この構想を推進できることを嬉しく思っています。これは金融サービス業界の新たなパラダイムです。障壁がなくなり、データアクセスが増加するので、銀行やその他の金融機関はデータからこれまで以上に価値を引き出すことができるようになります。これは、インテルがフェデレーテッド分析を中心に描く、インテリジェントな未来のコラボレーション・ビジョンの土台となります」(Blalock)。

データ中心の新しい世界では、フェデレーテッド分析は金融企業にとってますます重要になり、プライバシーとイノベーションのバランスをとることがカギとなります。このテクノロジーはまだ初期段階にありますが、今すぐ採用する FSI 企業は、近い将来メリットを得ることができるでしょう。

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