ビジネス要件に基づくクラウド戦略によるアルゴリズム取引の普及

Quantiacs の創設者であり CEO である Martin Froehler 氏は、アルゴリズム取引を多くの人が利用できるようにすることを自分の使命と考えています。この記事では、Froehler 氏が Quantiacs のクラウド戦略について説明し、社内の柔軟性と効率性を高めると同時にビジネス上のセキュリティー・ニーズを満たすうえでも役立っている様子を解説します。

クオンツ (Quant) とは何でしょうか。クオンツとは、ウォール街や世界中の証券取引所にいるロケット科学者のことと言われてきました。要するに、クオンツ (正確には Quantitative Analyst (定量的分析者)) は、価格や取引の安全性に対する複雑なモデルを設計し実装する専門家です。投資銀行やヘッジファンドの中心部にいて、トレーダーと連携し、価格設定やトレーディング・ツールを提供しています。

ヘッジファンドに勤めるクオンツなら 10 万米ドルの初任給を期待できるため、この地位を目指す人は多く、求職者数が求人数を上回る状態となっています。ここに登場するのが 2014年に創設されたフィンテック企業 Quantiacs です。Quantiacs の創設者で CEO である Martin Froehler 氏は次のように語っています。「当社はクオンツになるチャンスを提供しています。通常ならば投信銀行やヘッジファンドに勤務する可能性が低い場合でもです。世の中には投資銀行やヘッジファンドが目を向けない膨大な人材のプールが存在します。当社の使命は、こうしたエリアの有能な人材に、優れたクオンツになって素晴らしい取引アルゴリズムを記述するチャンスを提供することです」

フィンテックに合う IT インフラストラクチャー

創設時の Quantiacs が必要としたのは、複数の課題に対処できる IT インフラストラクチャーです。証券取引所に接続して、機関投資家向けの取引アルゴリズムを実行できる実稼動環境が必要でした。コンプライアンスと規制上の理由から、高いセキュリティーが確保され、稼動時間を最大化できるインフラストラクチャーが不可欠です。加えて、意欲的なクオンツがアクセスして取引アルゴリズムを構築できる研究環境も必要でした。こちらの環境は規制の要件も稼動時間もそれほど厳しくありません。カギを握るパラメーターはコストと拡張性でした。

パブリック・クラウドとプライベート・クラウドの混合

こういった課題に対処するため、Quantiacs は、パブリック・クラウドとプライベート・クラウドを含み、イノベーションを推進しながらデータを安全に保持できるクラウド戦略を追求しました。実際、多数の企業と同様に、Quantiacs も次の点を目的として混合クラウドの手法を採用しています。

  • ワークロードの配置を最適化しながら、システム停止のリスクや単一プロバイダーへの依存を最小限に抑える
  • クラウドベースの複数サービス (IaaS、PaaS、SaaS など)、およびパブリック・クラウド、プライベート・クラウド、またはハイブリッド・クラウドのソリューションの利点を活用する
  • インフラストラクチャーを変更することなく、ビジネスの優先事項を反映するリアルタイムのポリシーに基づいてワークロードの配置を選択する

Quantiacs の場合、ミッション・クリティカルな実稼動環境のサポートにプライベート・クラウドを選択しました。「プライベート・クラウドならば法的要件や規制要件に対応できるだけでなく、高可用性を実現する冗長構成も確保できます。実稼動環境におけるダウンタイムは、深刻な結果を招く危険がありますから」(Froehler 氏)。

「研究環境はパブリック・クラウドに展開しました。プライベート・クラウドとして運用することは、初期資本コストの点で、ビジネス上、理にかなっていなかったのです。この決定は、拡張性、導入の容易さ、そしてもちろんコストに基づいています」(Froehler 氏)。

Froehler 氏によると、プライベート・クラウドとパブリック・クラウドの組み合わせが、Quantiacs のフィンテックに欠かせない安全性、柔軟性、効率性を実現しているといいます。さらに、パブリック・クラウドとプライベート・クラウドを使用するという戦略によって Quantiacs はビジネス要件を満たすことができます。「クラウド IT、そして混合クラウドの導入がなければ Quantiacs は成功しなかったでしょう」(Froehler 氏)。

インテルのクラウド・エコシステム

インテルは、Quantiacs をはじめ、世界中の金融機関でパブリック・クラウドとプライベート・クラウドの導入を支えています。インテルの目標はアプリケーションの相互運用性を実現することです。そうすれば、パブリック・クラウドとプライベート・クラウドのどちらの開発かにかかわらず、ソリューションをエコシステム全体に拡張できます。

ここで紹介するのはインテルが提供する優位性の一部です。

  • インテル® Xeon® プロセッサー、ネットワーク・アダプター、インテル® Solid-State Drive が実現する最先端のパフォーマンスとセキュリティー
  • オープン・スタンダードのインテル アーキテクチャーによるワークロードのシームレスなクラウド間の移行
  • クラウド・エコシステムを構成する主要ソフトウェア・ベンダーとの連携でインテルが開発したソフトウェアによる管理コストの低減

「インテルが提供するのは、プライベート・クラウドやパブリック・クラウドを構築する基盤です。インテルのような企業がイノベーションを続け、我々のような企業を支えてくれることで、当社も顧客サービスを継続的に向上できます」(Froehler 氏)。

クラウドを適切に混合

Froehler 氏は Quantiacs を創設したとき、初日から同社の IT はクラウドベースになると分かっていました。さらに、1 つのクラウド戦略が念頭にありました。ビジネス要件に従ってプライベート・クラウドかパブリック・クラウドかを選択するということです。

金融サービス業界の変革を推進しているのは Quantiacs のような企業です。このようなフィンテック企業がクラウド IT を事業の中心に置いているのは偶然の一致ではありません。ただし、最近の数多くのクラウド・インフラストラクチャーを少し調べてみれば、パブリック・クラウドとプライベート・クラウドの組み合わせだということが分かります。プライベート・クラウドとパブリック・クラウドが並列に、場合によっては混合で動作しています。

進めるべきクラウドの適切な組み合わせがよく分からないという場合、どの金融機関でもすぐにサポートを受けることができます。インテルには専門家のチームがあり、金融機関がコストやパフォーマンスのニーズにぴったり合うクラウド・ソリューションを選択できるようサポートします。

詳細については、intel.com/fsi を参照してください。

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