AI とハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) の融合による金融業界の変革

リスク・コンプライアンスから不正検出まで、AI と HPC の融合により、銀行業界にメリットがもたらされます。

生成されるデータの量が増え続けており、古い IT インフラストラクチャーでは最新のワークロードに対処できなくなっています。そのため、ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) に目を向ける企業が増えています。HPC では複数のサーバーの処理能力が集約されるので、従来の PC よりも優れたパフォーマンスが得られます。

これまで、HPC は、エンジニアリング、学術機関、政府機関、軍事機関など、高レベルの計算が必要とされる分野でのみ使用されていました。しかし、増え続けるデータと人工知能 (AI) などのディスラプティブ・テクノロジーの組み合わせにより、HPC は企業の複雑なワークロードやデータ集約型コンピューティングにますます不可欠となっています。クラウド・コンピューティングとマルチコア・プロセッサーによって、HPC がより利用しやすくなったことから、HPC の使用は新しい業種に徐々に普及し始めています。HPC を使用することで、デジタル時代の企業は処理速度を高め、現代のデータ需要に対応できるようになります。HPC によって大きなメリットが得られる業界の 1 つが金融サービス業界 (FSI) です。

「HPC インフラストラクチャーの新たな AI コミュニティーは、演算処理を実行するだけでなく、より多くの適切な情報に基づく複雑な意思決定を支援するマシンという AI のビジョンの実現に不可欠です」

従来、HPC は少数の大きな問題の解決に重点を置く傾向がありますが、FSI の場合、ワークロードに膨大な数の小規模な計算が含まれる可能性が高くなります。例えば、モンテ・カルロ・シミュレーションを使用すると、銀行は自社の意思決定から起こりうるすべての結果を確認し、それに応じてリスクを評価することができます。

金融機関は HPC を使用することで、通常の PC の機能の枠を超えて、情報により迅速にアクセスできるようになり、アプリケーションの効率的な実行、データの迅速な分析、プロセスの合理化を実現できます。リスク評価に役立つモンテ・カルロ・シミュレーションに加え、HPC は銀行での不正検出や常に変化する銀行規制の遵守にも役立ちます。

一部の銀行では HPC を使用した概念実証実験 (PoC) をすでに行っていますが、今後さらに増えると考えられます。HPC により、コンピューティング機能が向上するため、企業は IoT テクノロジーや人工知能 (AI) などの新たなイノベーションを活用することもできます。AI を HPC 環境に組み込むことで、組織は新しいワークロードに対応するためのスケーリングが可能になります。スケーラビリティーは AI と HPC の統合の鍵であり、この 2 つのテクノロジーはますます強く結び付くようになると考えられます。

インテル・フェロー兼並列コンピューティング・ラボ・ディレクターの Pradeep Dubey は、レポートで次のように述べています。「HPC インフラストラクチャーの新たな AI コミュニティーは、演算処理を実行するだけでなく、より多くの適切な情報に基づく複雑な意思決定を支援するマシンという AI のビジョンの実現に不可欠です」。

インテル® Xeon® プロセッサーは、HPC に最適化されています。また、インテル® スケーラブル・システム・フレームワーク (インテル® SSF) は、企業が HPC 環境で AI のワークロード要件に低コストで容易に対処できるよう支援することを目的としています。このスケーラブルな HPC フレームワークは、データのボトルネックを解消するように設計されており、組織は労力やリスクを伴わずに AI などの新しいテクノロジーを利用できます。

インテル® Omni-Path アーキテクチャー (インテル® OPA) は、インテル® SSF のビルディング・ブロックの 1 つであり、高帯域幅、高メッセージレート、低レイテンシー、高信頼性を実現します。これにより、HPC システムの複数のノードやサーバー間での高速通信が可能になり、データ処理に要する時間が短縮されます。インテル® OPA を使用すると、小規模な HPC クラスターから、10,000 ノード以上の大規模なクラスターにコスト効率よくスケーリングできます。

データ革命が続く中、FSI 企業はより複雑なデータに対処できる必要があります。最新の HPC インフラストラクチャーに移行することで、氾濫するデータに対処し、高度な AI ワークロードに対応できるようになります。

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