インテルは半導体メーカーとして、世に送り出したテクノロジーを活用してより豊かな社会をつくっていく人材を育てるために、教育者への支援を続けてきました。現在は、これからの社会で必要となる 21 世紀型スキル育成のための教員研修プログラムの提供と、最新テクノロジーを活用したカリキュラムへの刷新、プログラミング・STEAM 教育やオンライン教育の推進を行っています。
インテルの教員研修プログラム
全世界で 20 年にわたり提供している教員研修プログラムであるインテル® Teach プログラムは、プロジェクト型学習を通して、ICT を利活用しながら 21 世紀型スキルを育成するための授業デザインや指導・評価手法を学ぶ教員研修プログラムです。日本でも、学習指導要領に合わせて多くの自治体・教育委員会と連携して提供してきました。
また驚異的なスピードでテクノロジーが進化する時代に合わせ、AI/ 機械学習・マシンラーニング / データ分析など最新テクノロジーの活用を見据えた研修カリキュラムへの刷新も行っています。
インテル® Teach プログラムがめざす授業
これからの社会を生きる子供たちには、答えのない課題に取り組むため、論理的な現状分析や判断力、創造的なアイデアを出しテクノロジーを活用して具現化する、また多様な背景を持つ人と協業するために、分かりやすく考えを伝えるコミュニケーション能力やコラボレーション力が求められます。
インテル® Teach プログラムは、これらの能力を ICT を活用して身に着けるための授業を目指しています。プロジェクト型学習を通して、現実社会とのつながりを意識することで生徒の学習への興味を引き出し、湧き出る疑問に創造性を持って自主的に、また他者と協業して取り組む姿勢を伸ばします。生徒自身が知識だけではない人としての成長を実感し、社会への関心と学習への意欲につながります。
インテル® Teach プログラムの 5 つの視点
授業方略の視点
生徒を“考える”授業に導くためには、まずは児童や生徒が主体的に学習に取り組むように意識づけなければなりません。そのためにはどのようなテーマや学習活動が適切で、なにを成果物とするのが効果的かなど、さまざまな要素の組み合わせを考えることが、「授業方略」の視点となります。
評価 (ルーブリック) の視点
プロジェクト型学習で児童や生徒が身に着ける力は、テストなどでは測定しにくいものです。評価には結果と経過の両面からの評価が求められます。そのための評価手法として、研修ではルーブリックによる評価基準の習得に取り組みます。
カリキュラム構成質問の視点
児童や生徒は教員からの問いかけに対して、自分なりの考えを導きだすことを繰り返すことにより思考スキルを身につけ、問いかけの本質を理解していきます。研修では、考えるレベルを 3 つの段階で構成し、児童や生徒の思考が深まるように導く質問について考えます。
プロジェクト型学習の視点
プロジェクトは「テーマをもとに皆で協力し、さまざまな活動を通して、結論を導き、成果物を作成する」というものです。これは実社会で活動する時に求められるスキルでもあります。このスキルを育成するための活動として、プロジェクト型の学習プランの開発に取り組みます。
テクノロジー活用の視点
テクノロジーの活用は便利・合理的といった「効率」の向上のみならず、情報を収集・発信したり、思考したことを表現し、多くの人とタイムリーに共有するなどの利点があります。“考える”学習活動の実現のために、どのように、どんなテクノロジーを活用するのか、という視点を持つことが重要になります。
教員向けのインテル® Teach プログラム研修動画
インテル® Teach プログラムの Master Teacher として、先生方に研修や授業デザインのノウハウを広めていらっしゃる講師による、研修動画をご覧いただけます。
インテル® Teach プログラムについてのお問い合わせ
Skills for Innovation
最新テクノロジーを使ったカリキュラム
テクノロジーが進化する時代に合わせて、インテルの教員研修プログラムを最先端のテクノロジーを使ったカリキュラムに刷新しています。インテルの Skills for Innovation は、日本においては教員研修プログラムとなる Skill for Innovation (S4I) の講座開発と提供、グローバルでは AI / 機械学習、データ解析、プログラミングなどの最新テクノロジーを活用する学習スキルを育成するための、次世代での教員研修カリキュラムの開発と提供を実施しています。国内では 2021年春からの展開を予定しています。
デザイン (設計) 思考
論理、科学、数学的アプローチにより、問題解決の手法を構築します。問題発見、意思決定、創造性、スケッチ、プロトタイピング、評価などを通じて、問題の理解を深めて、より多くのアイデアや解決策を生み出すきっかけになります。
計算的思考(プログラミング的思考)
アルゴリズム、抽象化、分解などのコンピューター・サイエンスのツールを使用して論理的な分析や設計を行います。コンピューターを活用し、問題解決するためのアプリケーションの制作や演習などを通じて学習を進めます。
シミュレーションとモデリング
計算科学を使用して、実物のモデルを作成し、それがどのように動作するのかを詳細に理解できるようにします。コンピューターを用い、オブジェクトのモデルを構築し、どのように動作や変化するか、シミュレーションやテストを行います。また、バーチャルやデジタル表現を使用して、プロセスやシステムを学習し、さらに発展させることができるようになります。
データーサイエンス
Society5.0 時代において不可欠となる、データに隠された情報を特定し、抽出するシステムを定義するデータを理解して、データから洞察を得る方法を学習します。さまざまなソースからデータの関連性を特定し、重要なパターンを見つけて、情報を抽出する分析方法の考案とコンピューターが情報を抽出して分析するアルゴリズムの定義ができるようになります。
AI と機械学習
AI テクノロジーとプログラミング言語を使用して、コンピューターに学習させ、画像やその他のデータ個別での評価と意思決定の精度を向上できるようにします。データ例の分析とニューラル・ネットワークでのテストが実行できるようになります。
デジタルコンテンツ制作
デジタルコンテンツ制作を通じて、コミュニケーション、創造的思考、コラボレーションのスキルを構築します。デジタルコンテンツの制作と操作を通して表現し、コミュニケーションを図ります。宿題やグループ・プロジェクトのためのコンテンツ制作や、スキル開発をサポートするためのオーディオやビデオ、アニメーションなど、インタラクティブ・コンテンツの制作を行います。
オンライン教育への取り組み
地域の教育格差を埋め、国籍や年代を超えた多様な人と関わる機会を創出することにより、すべての子供たちの可能性を躍進するオンライン教育。1 人 1 台 PC 端末の導入が実現する今、インテルはオンライン教育のいっそうの普及を推進します。
教育委員会や学校と共に実施しているオンライン教育の実証研究では、パートナーとの機器環境整備に加え、教員スキルアップのための、機器やツール操作から教材作成を含めたノウハウを提供し、日本全国でオンライン教育が一般的に実施される環境の土台作りの推進を図っています。
関連記事・導入事例
「GIGAスクール構想」1 人 1 台端末導入後の教育について (前編)
PC 端末を活用した今後の授業について、ICT を活用した授業デザインの教員研修「インテル® Teach プログラム」を 20年に渡り提供してきたインテルの執行役員 井田晶也と、ICT を活用した授業改善の取り組みにより鳥取県のエキスパート教員に認定され、現在鳥取教育センターで ICT 活用推進を担当する岩崎有朋様へのインタビューです。
(2020年9月14日付け日本教育新聞掲載)
「GIGA スクール構想」1 人 1 台端末導入後の教育について (後編)
GIGA スクール構想に相応する端末の選び方や、ICT 時代の学びの環境づくりなどについて、国際グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平様とインテル株式会社行役員の井田晶也による対談記事です。
(2020年9月28日付け日本教育新聞掲載)
リモートプログラミング課外授業で高い学習効果と教員のスキル向上を実現
全国の小学校がプログラミング教育に不安を抱える中で、東京の経験豊富な講師と学校を繋いで実施する「リモート・プログラミング課外授業」に注目が集まっています。2020年7月に仙台白百合学園小学校で実施されたリモート授業の模様をご紹介します。
関連リンク
インテルの教育への取り組み
インテルは、国内において学習者用 1 人 1 台 PC 導入実現に向けた PC メーカー・エコパートナーとの協業、また Society 5.0 社会で求められる最新テクノロジーを活用する ICT 利活用能力の向上や 21 世紀型のスキル育成を目的とした「インテル教員研修プログラム」を自治体や学校へ提供してきました。今後も文部科学省の推進する GIGA スクール構想の実現を始めとする、日本の教育への貢献に尽力しています。
インテルの教育向けソリューション導入事例
インテルは文教への取り組みで得た知見から、小中学校における情報活用能力の育成、高校・大学でのデータ活用や高度な技術研究、教科書のデジタル化推進など、教員を含むすべての人の、教育現場における ICT 利活用をサポートしています。インテル製品やテクノロジーを活用したソリューションを導入した事例をご覧ください。