インテル® Arria® 10 コア・ファブリックおよび汎用 I/O ハンドブック

ID 683461
日付 6/21/2017
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ドキュメント目次

8.2.2.1. EDCRC ( エラー検出巡回冗長検査 )

ユーザーモードでは、コンフィグレーションされた CRAM (Configuration RAM) ビットの内容が、ソフトエラーによる影響を受ける可能性があります。これらのソフトエラーはイオン化した粒子によって引き起こされますが、インテル FPGA デバイスで頻繁に発生するものではありません。しかし、エラーのないデバイス動作を要求する高信頼性アプリケーションでは、デザインでこれらのエラーについて考慮されていることが要求されます。

ハード化されたオンチップ EDCRC 回路を使用することにより、フィッティングやデバイスの性能に影響を与えることなく、次の動作を行うことができます。

  • コンフィグレーション中に巡回冗長検査 (CRC) エラーを自動検出する
  • ユーザーモードでオプションのソフトエラー (SEU と MBU) 検出し識別する
  • 高速ソフトエラー検出。エラー検出速度の向上
  • 2 種類のチェックビット
    • フレームベースのチェックビット—CRAM に格納され、フレームのインテグリティーの検証に使用される
    • カラムベースのチェックビット—レジスターに格納され、すべてのフレームのインテグリティーの保護に使用される

ユーザーモードでのエラー検出時には、 Arria® 10デバイスで複数の EDCRC エンジンが並列的に動作します。エラー検出 CRC エンジンの数は、フレーム内の合計ビット数であるフレーム長に依存します。

カラムベースの各エラー検出 CRC エンジンがそれぞれのフレームから 128 ビットを読み出し、4 サイクル以内に処理します。エラーを検出するために、エラー検出 CRC エンジンは全てのフレームをリードバックする必要があります。

図 163. ユーザーモードでのエラー検出のブロック図次の図に、ユーザーモードでのレジスターおよびデータフローを示します。


表 106.  エラー検出レジスター
レジスター名 概要
エラー・メッセージ・レジスター (EMR) 1 ビット・エラーまたは隣接する 2 ビット・エラーの詳細を収容する。エラー検出回路がエラーを検出する毎に回路がレジスターを更新する。
ユーザー・アップデート・レジスター このレジスターは、EMR 内容が検証された 1 クロックサイクル後に EMR レジスターの内容で自動的に更新される。ユーザー・アップデート・レジスターはクロックイネーブルを含み、これはユーザー・アップデート・レジスターの内容がユーザー・シフト・レジスターに書き込まれる前にアサートされる必要がある。この条件により、その内容がユーザー・シフト・レジスターに読み出される際にユーザー・アップデート・レジスターの内容が上書きされることを防ぐ。
ユーザー・シフトレジスター このレジスターにより、ユーザーロジックがコア・インターフェイスを介してユーザー・アップデート・レジスターの内容にアクセスすることができる。

ユーザー・シフト・レジスターを介して EMR 情報をシフトアウトするために、アルテラ Error Message Register Unloader IP コアを使用する。詳細については関連情報を参照。

JTAG アップデート・レジスター このレジスターは、EMR の内容が検証された 1 クロックサイクル後に EMR レジスターの内容で自動的に更新される。JTAG アップデート・レジスターはクロックイネーブルを含み、これは JTAG アップデート・レジスターの内容が JTAG シフトレジスターに書き込まれる前にアサートされる必要がある。この条件により、その内容が JTAG シフトレジスターに読み出される際に JTAG アップデート・レジスターの内容が上書きされることを防ぐ。
JTAG シフトレジスター このレジスターにより、SHIFT_EDERROR_REG JTAG 命令を使用して、JTAG インターフェイスを介して JTAG アップデート・レジスターの内容にアクセスすることができる。
ハード・プロセッサー・システム(HPS)アップデート・レジスター このレジスターは、EMR 内容が検証された 1 クロックサイクル後に EMR レジスターの内容で自動的に更新される。HPS アップデート・レジスターはクロックイネーブルを含み、これは HPS アップデート・レジスターの内容が HPS シフトレジスターに書き込まれる前にアサートされる必要がある。この条件により、その内容が HPS シフトレジスターに読み出される際に HPS アップデート・レジスターの内容が上書きされることを防ぐ。
HPS シフトレジスター

このレジスターにより、HPS インターフェイスを介して HPS アップデート・レジスターの内容にアクセスすることができる。