Low Latency Ethernet 10G MAC Intel® FPGA IPユーザーガイド

ID 683426
日付 8/23/2021
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ドキュメント目次

4.10.2. TXデータパス

IEEE 1588v2機能は、TXデータパスでの1ステップおよび2ステップのクロック同期をサポートしています。

  • 1ステップのクロック同期の場合、
    • タイムスタンプの挿入は、PTPデバイスとメッセージタイプによって異なります。
    • MAC機能はPTPパケットにタイムスタンプを挿入します。これは、クライアントがTimestampフィールドオフセットを指定し、Timestamp Insert Requestをアサートした場合に行われます。
    • PTPデバイスとメッセージタイプに応じて、MAC機能はPTPパケットの訂正フィールドの滞留時間を更新します。これは、クライアントが tx_etstamp_ins_ctrl_residence_time_update およびCorrection Field Updateをアサートした場合に行われます。滞留時間とは、egressタイムスタンプとingressタイムスタンプの差です。
    • UDP/IPv6プロトコルを使用してカプセル化されたPTPパケットの場合、MAC機能はPTPパケットの拡張バイトを使用してUDPチェックサム訂正を実行します。
    • MAC機能は、タイムスタンプまたは訂正フィールドが更新されるたびに、CRC-32を再計算してPTPパケットに再挿入します。これは、tx_crc_control[1] レジスタービットを使用し、CRC挿入がディスエーブルになっている場合でも行われます。
    • サポートされているタイムスタンプの形式には、1588v1と1588v2が含まれます。
    • クライアントが tx_egress_p2p_update をアサートすると、MAC機能は tx_egress_p2p_val[45:0] をPTPパケットの訂正フィールドに更新します。
    • クライアントが tx_egress_asymmetry_update をアサートすると、MAC機能は非対称値をPTPパケットの訂正フィールドに更新します。非対称値は、コンフィグレーション・レジスターから取得されます。
  • 2ステップのクロック同期の場合、クライアントが tx_egress_timestamp_request_valid をアサートすると、MAC機能はすべてのTXフレームのタイムスタンプと関連するフィンガープリントを返します。

次の表は、異なるPTPクロックでのさまざまなPTPメッセージのタイムスタンプと訂正フィールドの挿入をまとめたものです。

表 19.  1ステップのクロック同期におけるタイムスタンプと訂正の挿入
PTPメッセージ 通常のクロック 境界クロック E2Eトランスペアレント・クロック P2Pトランスペアレント・クロック
タイムスタンプの挿入 訂正の挿入 タイムスタンプの挿入 訂正の挿入 タイムスタンプの挿入 訂正の挿入 タイムスタンプの挿入 訂正の挿入
Sync あり 5 なし あり5 なし なし あり 6 なし あり 6
Delay_Req なし なし なし なし なし あり 6 なし なし
Pdelay_Req なし なし なし なし なし あり 6 なし なし
Pdelay_Resp なし あり 5 6 なし あり 5 6 なし あり 6 なし あり 5 6
Delay_Resp なし なし なし なし なし なし なし なし
Follow_Up なし なし なし なし なし なし なし なし
Pdelay_Resp_

Follow_Up

なし なし なし なし なし なし なし なし
Announce なし なし なし なし なし なし なし なし
Signaling なし なし なし なし なし なし なし なし
Management なし なし なし なし なし なし なし なし
5 PTPパケットの flagField の2ステップフラグが0の場合にのみ適用されます。
6 tx_etstamp_ins_ctrl_residence_time_update 信号をアサートする場合に適用されます。