4.5.2. USBインターフェイスのデザイン・ガイドライン
Cyclone® V/ Arria® V SoCハード・プロセッサー・システムでは、組み込みUSB MACを業界標準のUSB 2.0 ULPI PHYに直接接続することができます。これには、1.8V、2.5V、3.0V、および3.3VのI/O規格をサポートするHPS専用I/Oを使用します。FPGA配線リソースを使用せず、タイミングが固定されているため、デザインは簡潔になります。このガイドでは、サポートされているすべてのPHY動作速度 (高速HS 480Mbps、フルスピードFS 12Mbps、および低速LS 1.5Mbps) を網羅するデザイン・ガイドラインを説明します。
ガイドライン: デバイスがクロックを供給する場合のUSB PHYモードと、外部クロックがソースの場合のUSB PHYモードをどちらもサポートするボードをデザインします。
Cyclone® V/ Arria® V SoCのULPI MAC とPHY間のインターフェイスは、MACからPHYのDATA[7:0]、DIR、NXT、およびMACからPHYのSTPで構成されます。最後に、60MHzの静的クロックがPHYから駆動されます。これは、HPSからUSB MACの一部のレジスターアクセスなどの動作に必要になります。PHYメーカーより提供されているRESETおよび電源投入に関する推奨事項に従っていることを確認してください。
ガイドライン: USB信号のトレース長が最小になっていることを確認します。
60MHzにおける周期は16.67nsであり、その間に、例えばクロックは外部PHYからMACに、そしてデータおよび制御信号はMACからPHYに移動する必要があります。往復遅延があるため、CLKおよびULPI信号の最大長は重要です。タイミングデータに基づき、最大長を7インチ未満にすることが推奨されます。これは5nsのTco仕様のPHYに基づいています。仕様がそれよりも遅い場合は、それに応じて全長を短くする必要があります。
ガイドライン: シグナル・インテグリティーが考慮されていることを確認します。
シグナル・インテグリティーも重要ですが、主に、PHYからHPSサブシステムのMACに駆動されるCLK信号において重要です。これらの信号は最大長のポイントツーポイントであるため、通常は終端せずに実行することができますが、トレースをシミュレーションし、反射を最小限に抑えることが推奨されます。シミュレーションで特に示されない限り、FPGAからの50Ωの出力設定を使用することが一般的に推奨されます。可能であれば、PHYベンダーより提供されている同様の設定を使用します。
ガイドライン: OTG動作を使用する場合は、デザインを適切に行います。
On-the-Go (OTG) の機能を使用する場合、SoCはホストまたはエンドポイントになることができます。ホストモードにおいては、USBフラッシュドライブをサポートしている場合や、潜在的にUSBハードドライブをサポートしている場合などの電力供給を考慮します。これらの電力要件と逆電流は通常、 Cyclone® V SoCまたは Arria® V SoCの開発キットで使用されているような外部ダイオードと電流リミッターを使用して考慮する必要があります。