外部メモリー・インターフェイス Agilex™ 7 FシリーズおよびIシリーズFPGA IPユーザーガイド

ID 683216
日付 3/29/2024
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ドキュメント目次

10.4.4. アディティブ・レイテンシーとバンク・インターリーブ

アディティブ・レイテンシーをバンク・インターリーブとともに使用することで、コントローラーの帯域幅が拡大します。

次の図は、読み出し動作でのアディティブ・レイテンシーを使用しないバンク・インターリーブの例を示しています。この例では、CASレイテンシーが5、バースト長が8のバンク・インターリーブ読み出しを使用しています。

図 175. バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーなし)

バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーなし)

次の一連のイベントは、上の図を説明しています。

  1. コントローラーはアクティブ化コマンドを発行してバンクを開きます。これにより、バンクxとそのバンクの行をアクティブにします。
  2. tRCD時間が経過すると、コントローラーはオートプリチャージの読み出しコマンドを指定されたバンクに発行します。
  3. バンクyは、tRRD時間が経過後にアクティブ化コマンドを受信します。
  4. コントローラーは、バンクxがオートプリチャージの読み出しコマンドを受信するまで待機する必要があるため、バンクzに最適な位置でアクティブ化コマンドを発行することができません。そのため、アクティブ化コマンドが1クロックサイクル遅延します。
  5. アクティブ化コマンドの遅延により、メモリーデバイスからの出力データにギャップが生じます。
注: アディティブ・レイテンシーの1を使用する場合、レイテンシーは読み出しコマンドにのみ影響し、書き込みコマンドのタイミングには影響しません。

次の図は、読み出し動作でのアディティブ・レイテンシーを使用するバンク・インターリーブの例を示しています。この例では、アディティブ・レイテンシーが3、CASレイテンシーが5、バースト長が8のバンク・インターリーブ読み出しを使用します。このコンフィグレーションでは、コントローラーはアクティブ化コマンドとオートプリチャージの読み出しコマンドを連続して発行します。

図 176. バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーあり)

バンク・インターリーブ (アディティブ・レイテンシーあり)

次の一連のイベントは、上の図を説明しています。

  1. コントローラーは、アクティブ化コマンドをバンクxに発行します。
  2. コントローラーは、アクティブ化コマンドの直後、tRCD時間を待機する前に、オートプリチャージの読み出しコマンドをバンクxに発行します。
  3. コントローラーは、tRCD時間が経過後に、オートプリチャージの読み出しコマンドを立ち上がりエッジT4で実行します。
  4. 5サイクルのCASレイテンシーの後、SDRAMデバイスはデータをデータバスに発行します。
  5. バースト長が8の場合、データ転送には2サイクルが必要です。2クロックでアクティブ化およびオートプリチャージの読み出しコマンドを発行することにより、出力データの連続フローが得られます。

上の2つの図における効率の結果を比較します。

  • アディティブ・レイテンシーなし、CASレイテンシー5、バースト長8のバンク・インターリーブ読み出し (最初の図)

    データ転送のアクティブサイクル数 = 8

    合計サイクル数 = 18

    効率 = 44%

  • アディティブ・レイテンシー3、CASレイテンシー4、バースト長4のバンク・インターリーブ読み出し (2番目の図)

    データ転送のアクティブサイクル数 = 8

    合計サイクル数 = 17

    効率 = 約47%

アディティブ・レイテンシーをともなうインターリーブ読み出しでは、効率が約3%向上します。

注: アディティブ・レイテンシーにより、連続するインターリーブ読み出しまたは書き込みの効率は向上しますが、ランダムな個々の読み出しまたは書き込みの効率は向上しません。