外部メモリー・インターフェイス・ インテル® Agilex™ FPGA IPユーザーガイド

ID 683216
日付 12/14/2020
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ドキュメント目次

5.2.1. キャリブレーション・モード

キャリブレーションはメモリーデバイスが初期化された直後に発生し、シリコンのPVTの変動、回路基板のトレース遅延、スキューをともなう到着時間などのハードウェア・システムにおける不確実性を補正します。 このような変動は通常、RTLシミュレーション環境では存在しません。そのため、2 つのシミュレーション可能なキャリブレーション・モード (デフォルトのSkip CalibrationモードとFull Calibration モード) が利用可能です。

Skip Calibrationモード

Skip Calibrationモードでは、キャリブレーション・プロセッサーはPVTの変動、ボード遅延、トレーススキューがすべて0である理想的なハードウェア環境を想定しています。実際のキャリブレーション・ルーチンを実行する代わりに、キャリブレーション・プロセッサーは、EMIF IPの生成時に入力されたメモリー・レイテンシーの値に基づき読み出しデータの予想到着時間を計算し、シミュレーション時間を短縮します。Skip Calibrationモードはシステム開発時に使用することが推奨されます。これにより、コントローラーとの通信、およびメモリー・アクセス・パターンの最適化に集中できるため、短期間でのRTL開発が促進されます。

Full Calibrationモード

Full Calibrationモードでは、メモリーデバイスの初期化直後にキャリブレーション・アルゴリズムのすべての段階をシミュレーションします。キャリブレーション・アルゴリズムは各データグループを順番に、また、各グループのそれぞれのピンを個別に処理するため、インターフェイスのデータピンの数に応じてシミュレーション時間が長くなります。キャリブレーション・アルゴリズムがシステムのさまざまな遅延をどのように補正するかは、PCBデザインツールからのトレース遅延に基づき、独自のボード遅延モデルを組み込むことで確認できます。シミュレーションのオーバーヘッドが大きいため、IPコアの短期間での開発に、Full Calibrationシミュレーション・モードは推奨されません。

VHDLのサポート

混合言語シミュレーターに対するVHDLサポートは、VHDLでコアのトップレベル・ラッパーを生成することにより実装されますが、サブモジュールはすべてクリアテキストのSystemVerilogファイルで提供されます。

プリコンパイルされたデバイス・ライブラリーのセットが、 ModelSim* - Intel® FPGA Editionシミュレーターで使用するために提供されています。ModelSim - Intel FPGA Editionシミュレーターは、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアに付属しています。クリアテキストのSystemVerilogファイルで通常提供されるサブモジュールは、 ModelSim* - Intel® FPGA Edition向けのIEEE Verilog HDL暗号化を使用して暗号化されます。