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6.2.2. シストリック遅延レジスター
シストリック・アーキテクチャーでは、入力データはデータバッファーとして機能するレジスターのカスケードに供給されます。各レジスターで入力サンプルを乗算器に提供し、そこでそれぞれの係数を乗算します。チェーン加算器では、徐々に結合される乗算器からの結果と、chainin[] 入力ポートからのこれまでにレジスターされている結果を格納し、最終結果を形成します。それぞれの積和要素を1サイクル遅延させ、加算時に結果が適切に同期しているようにする必要があります。連続する各遅延を使用して、それぞれの積和要素の係数メモリーとデータバッファーの両方に対処します。例えば、2つ目の積和要素には単一の遅延、3つ目の積和要素には2つの遅延、などです。
x(t) は入力サンプルの連続ストリームからの結果を表し、y(t) は一連の入力サンプルの合計を表します。また、時間の経過とともにそれぞれの係数で乗算されます。入力と出力の結果は、左から右へと進みます。c(0) から c(N-1) は係数を表します。シストリック遅延レジスターは S-1 で表され、この –1 は単一のクロック遅延を意味します。シストリック遅延レジスターは、乗算器オペランドの結果と累算合計の同期を保証するように入力と出力に追加され、パイプライン化が行われます。この処理要素を複製し、フィルタリング関数を計算する回路を形成します。この関数は次の式で表されます。
N はアキュムレーターに入力されるデータのサイクル数を表し、y(t) は時間 t での出力、A(t) は時間 t での入力、B(i) は係数を表します。式中の t と i は時間における特定の時点に相当するため、時間 t における出力サンプル y(t) を算出するには、N 個の異なる時点での入力サンプルのグループ、つまりA(n)、A(n-1)、A(n-2)、… A(n-N+1) が必要です。N個の入力サンプルのグループは N 個の係数で乗算され、それが合計されて最終結果 y になります。
シストリック・レジスター・アーキテクチャーは、2つの乗算の合計モードと4つの乗算の合計モードでのみ利用可能です。
次の図は、2つの乗算器でのシストリック遅延レジスターの実装を表しています。
2つの乗算器の合計は次の式で表されます。
次の図は、4つの乗算器でのシストリック遅延レジスターの実装を表しています。
4つの乗算器の合計は次の式で表されます。
次のリストは、シストリック・レジスター実装の利点です。
- DSPリソース使用量の削減
- チェーン加算器構造を使用することでDSPブロックでの効率的なマッピングが可能