データセンターのサステナビリティー: テクノロジーと実践
データセンターの運営者は、増加するワークロードの需要に対応しながら、コストを削減しなければならないというプレッシャーに直面しています。データセンターのサステナビリティーに対するインテルの包括的なアプローチは、負荷の高いワークロード向けのパフォーマンスを高速化し、エネルギー効率を積極的に管理するために必要なテクノロジーとインテリジェンスを提供します。
包括的なアプローチでデータセンターのサステナビリティーを加速
データセンターは、大量のデータを保存し、処理する必要があります。より多くのビジネスが、人工知能 (AI)、5G、モノのインターネット (IoT)、ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) など、新たなワークロードをサポートする中で、指数関数的により多くのデータが生成されています。データ生成が急増するにつれて、データセンターとサーバーの運用に必要なコストと電力も上昇しています。
インテルでは、お客様のような組織が、ストレージの増大と高速なネットワークおよび HPC に対するビジネス上の需要を満たすのを支援すると同時に、データセンターを最適化し、エネルギー効率の向上とハードウェア廃棄物の削減を実現します。ハードウェア、ソフトウェア、サービス、およびツール全体でのデータセンターのサステナビリティーへのインテルのエンドツーエンドのアプローチは、効率の向上とエネルギーの節約、および総保有コスト (TCO) の最大 75% の削減に役立つと同時に、1 炭素排出量の削減と環境、社会、ガバナンス (ESG) 戦略の支援を実現します。
エンドツーエンドのデータセンターのサステナビリティーについて詳しくはこちら
持続可能なデータセンターは、1 つのコンポーネントのパフォーマンスだけでなく、コンピューティング、ストレージ、冷却、ネットワークの全体で使用されるすべての消費電力を最適化する必要があります。持続可能なテクノロジーと実践について深く理解し、インテルがデータセンターのサステナビリティーの取り組みの高速化をどのように支援するかについて学ぶことができます。
サーバーの効率とパフォーマンスを向上
サーバーの効率とパフォーマンスを向上
サーバーは、データセンターのすべての機器のうちで最も多くの電力を消費します。2 その結果、最も効果的にデータセンターのサステナビリティーを推進し、コストを削減する方法は、エネルギー効率の向上と消費電力の最適化す。2 インテルは、さまざまなハードウェアおよびソフトウェアのテクノロジーを提供し、負荷の高いワークロードの最前線に立ちながら、データセンター全体でのコンピューティング・リソースを最適化する支援をします。
サーバー・インフラストラクチャーの使用を最大化
多くの組織で、サーバーの使用率は 50% 未満であり、最低で 20% に満たない場合もありますが、電力は継続的に消費されています。2 1 台のサーバーを使用停止にすることで、エネルギー、オペレーティング・システムのライセンス、およびハードウェアの年間管理コストを数千ドルも節約できます。2 第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、5 台分のサーバーのデータを 1 台のサーバーに統合することができ、1 データセンターのラックスペースを最大 80% 解放し1 二酸化炭素の排出量を最大 60% 削減できます。1
重要なワークロード向けにサーバーのプラットフォームを最適化
インテル® Accelerator Engines は、第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーに内蔵されており、高帯域幅メモリーとソフトウェアの最適化を組み合わせることで、CPU リソースを最大化し、AI、セキュリティー、ネットワーク、ストレージ、HPC ワークロードを最適化することができます。第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、統合アクセラレーターを使用して、SPECint のような合成ベンチマークではなく、実環境のワークロードで前世代と比較してワット当たり最大 2.9 倍のパフォーマンスの向上3を実現します。
AI 機能で、電力使用を積極的に管理
第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーの内蔵テレメトリーと電力管理ツールにより、サーバーの健全性をインテリジェントに管理することが可能です。お好きなデータセンター管理ソフトウェアを使用し、電力消費や熱効率などのような要因を監視し、問題の特定、データセンターにおけるエネルギー消費のより深い理解、およびハードウェア寿命の延長に役立てることができます。このプロセッサーは、最適化された電力モード機能により、電力需要を予測し、顧客が最も多く使用する使用範囲でサーバーの電力を節約し、パフォーマンスへほとんど影響することなしに最大 20% のソケットの電力節約を実現します。4
よりエネルギー効率の高い AI および ML トレーニングを実現
インテルでは、専用プロセッサーを提供し、よりエネルギー効率の高いディープラーニング・トレーニングにより、AI および ML のワークロードを強化します。第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、一部の AI 推論ワークロードで最大 14 倍のエネルギー効率の向上3を実現します。Habana® Gaudi®2サーバーは、AI マシンラーニングにおいて、主要な競合プロセッサーと比較して最大 1.8 倍の エネルギー効率の向上5を実現し、同じ消費電力でほぼ 2 倍のトレーニングを可能にします。
モジュラー・アーキテクチャーでハードウェアの寿命を延長
システム全体ではなく、コンピューティング、メモリー、I/O などの個々のコンポーネントを簡単に交換またはアップグレードできるモジュラーサーバー設計が、廃棄物の削減とハードウェア寿命の延長に役立ちます。このオープン・サーバー・アーキテクチャーの最初の仕様 は、現在、Open Compute Project (OCP) を介して提供されています。
より効率的なストレージを解放
より効率的なストレージを解放
企業は、毎年多くの費用をかけて、1 テラバイトのデータを保存し、保護しています。IT 支出は、2022年に史上最高を記録し6、より多くの企業が AI、5G、IoT など、急増するデータを生成する新興テクノロジーを統合するにつれて増加していくと予想されています。非効率的なストレージ・ソリューションを持つ企業は、さまざまな新しいコスト、より高い消費電力、炭素排出量の増加に直面しています。インテル® プロセッサーは、内蔵アクセラレーターと AI 機能により、ストレージの需要が高まる中で、電力予算と消費電力を最大限に活用できるよう支援します。
データ圧縮と暗号化の効率を向上
インテル® クイック・アシスト・テクノロジー (インテル® QAT) により、データセンターは、より少ないハードウェア・リソースと低消費電力で、データの圧縮と暗号化をより効率的に実行できます。インテル® QAT は、第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーの内蔵アクセラレーターとして、アプリケーション・データまたは分散型ストレージシステムやデータレイク向けのバックアップとアーカイブの実行時に、最大 3.2 倍高速に7データの圧縮と解凍を完了します。ストレージ、ビッグデータ、データベース、仮想マシン、およびコンテナの移行は、CPU を停止することなく、効率的に圧縮および暗号化できます。
AI を使用してデータ圧縮とエネルギー使用を改善
企業が作成するデータの最大 73% は、分析に使用されることなく保存されます。8 第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、有用なデータと不必要なデータを区別する内蔵 AI 機能を使用し、データストレージをビジネスや環境向けにより効率的かつ低コストにします。
インテル® 検証済み冷却ソリューションで TCO を改善
冷却と電力は、データセンターの総消費量の 39%2 という、2 番目に多い消費電力を使用します。高度な空気冷却および液体冷却などの高効率冷却技術は、データセンター全体で電力使用効率 (PUE) を削減し、エネルギー節約、水使用量の削減、TCO の削減を支援します。インテルの液体冷却システム・エコシステムのコラボレーションと検証は、適切な冷却ソリューションの選択への信頼できる近道を提供し、データセンター全体でのエネルギー消費と物理的なインフラストラクチャーの両方の削減を可能にします。さらに、インテルだけが、液冷システム向けに最適化されたプロセッサー SKU を提供しています。
高度な空気冷却
インテル® IT が先駆けた高度なヒートシンク技術による温かい空気循環は、データセンターの PUE を 1.2 まで低下させるのに役立ちます。空気冷却ソリューションは、あらゆるタイプの既存のデータセンターで簡単に実装できます。
コールドプレート液体冷却
液体冷却は、高熱効率の液体を使用して、IT 機器からの熱エネルギーを引き出し、空気よりも効率的な冷却を提供し、個々のサーバー・コンポーネントの消費電力を大幅に削減します。また、コールドプレート冷却は、約 60% の熱回収率を達成し、IT 機器から発生する熱を捉えて、リサイクルすることができます。インテルは、コールドプレートのパートナーと直接協力し、ソリューション検証を提供しています。インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー向けに認定されている ZutaCore HyperCool コールドプレート・ソリューションについて詳しくはこちら。
液浸冷却
液浸冷却ソリューションは、高度な技術を使用して、サーバー全体をパーフルオロアルキル化合物 (PFAS) を含有しない液体に浸すことで、PUE を 1.03 まで促進します。また、液浸は、100% の熱回収率を達成し、建物の暖房や食物を育てる温室の暖房など、熱の再販や再利用の機会を実現します。より多くのビジネスが 5G ネットワークを構築し、エッジにデータセンターを導入する中で、液浸冷却は、従来の空気ベースの冷却ソリューションが適合しない場合、または大気汚染のために実現できない場合にも、サーバーを冷却することが可能です。インテルは、Green Revolution Cooling や Submer などの企業と提携し、液浸冷却テクノロジーの拡張を支援しています。
エンドツーエンドのネットワーク・サステナビリティーを実現
エンドツーエンドのネットワーク・サステナビリティーを実現
ネットワーク・トラフィックと、それを支えるために必要なエネルギーが増加し続ける中で、データセンターのサステナビリティー・プログラムには、コンピューティング機能を実行するサーバーを超えて、データセンターと、それらがサービスを提供するクライアントをつなぐネットワークが含まれる必要があります。インテルは、電力をさらに最適化し、データセンターとネットワーク導入を支援するハードウェアとソフトウェアの制御性を向上することで、ネットワーク・オペレーターがエッジ、オンプレミス、およびクラウドでのコンピューティング全体で電力効率を劇的に改善するために必要なインテリジェンスを獲得できるよう支援します。
5G ネットワークの vRAN 導入をサステナブルに強化
第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、ワット当たり卓越したパフォーマンスを提供し、電力使用を増加させることなく、vRAN ワークロード向けのスループット容量を 2 倍に向上します。9 また、インテル® vRAN ブーストは、内蔵 vRAN アクセラレーションにより、第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーのワット当たりパフォーマンスの向上10 に加えて、コンピューターの電力使用を最大 20% 削減することができます。
内蔵ツールで電力使用をインテリジェントに管理
インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーの内蔵テレメトリーと電力管理ツールは、カーボン対応のコンピューティングを可能にし、AI を使用してネットワーク全体のピーク時の負荷を予測し、CPU 周波数を調整して需要が低い場合には電力の使用を軽減できます。
クラウドネイティブのソフトウェアで CPU リソースを最適化
第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーで実行するインテル® Intelligent Power Manager for 5G Core ソフトウェアは、変化するワークロードの要件に応じて個々のコアの電力状態を継続的に再調整することで、平均して 30% の消費電力削減を実現すると同時に、主要な通信会社のパフォーマンス指標を維持します。11
イーサネットの効率とパフォーマンスを最大化
サーバーのイーサネット・ネットワーク・アダプターの最適化は、レイテンシーの削減とパケット処理パフォーマンスとクラウドの効率、およびネットワーク・エッジ・ワークロードの改善により、より持続可能な成果を達成するのに役立ちます。インテル® イーサネット 800 シリーズ向けの Dynamic Device Personalization (DDP) ソフトウェアにより、パケット処理機能を特定のプロトコル向けに構成し、各パケットを検査する CPU リソースを無駄にすることを回避できます。
インテル® のエンドツーエンドのポートフォリオでデータセンターの効率を向上
インテルのサステナビリティーに対するエンドツーエンドのアプローチは、データセンターを効率的に拡張し、エッジからクラウドまでの新たなワークロードを実現するのに役立ちます。必要な場所でパフォーマンスを最適化すると同時に、消費電力を測定、監視、および最小限に抑えるために必要なシステム・インテリジェンスを得ることができます。
ニーズに適したインテル® Xeon® プロセッサーを見つける
インテル® Xeon® プロセッサー・ファミリーが、データセンター全体にもたらす持続可能な影響について詳しくはこちら。インテル® Xeon® プロセッサー・アドバイザーのオンプレミス・セクションで、サステナビリティー・ツールを使用して、エネルギー節約の予測をしたり、最適なプロセッサーを検索することができます。サインインまたはアカウントを作成して開始できます。
持続可能なデータセンターのリソースを見つける
データセンターにおけるサステナビリティーに関する情報、ガイド、報告書をご覧ください。
よくある質問
データセンターは、膨大なエネルギーとリソースを消費します。データセンターは、世界の電力需要の約 1% を占め、世界中で約 0.3% の炭素排出量を生み出しています。12 多くのデータセンターが、運用を拡大し、新たなテクノロジーとより大きなストレージ容量をサポートするにつれ、環境への負担も同様に増加する恐れがあります。多くの先進的な組織が、持続可能なテクノロジーと実践を取り入れて、炭素排出量と温室効果ガスの排出を削減し、ESG 戦略を支援しています。そんな中、多くの企業が、不要なハードウェアの廃棄とエネルギーおよび水の消費を削減することで、コストの削減を実現しています。
持続可能なテクノロジー、実践、戦略は、企業がデータセンター全体でのサステナビリティーの影響を改善するのに役立ちます。データセンターのサステナビリティーの実践には、再生可能エネルギーで製造されたプロセッサーの選択、複雑なワークロード向けに最適化されたエネルギー効率の高いハードウェアを搭載したサーバー・インフラストラクチャーの構築、モジュール式サーバーの実装による製品寿命の延長、エネルギー消費量を監視しワークロードの需要に適応する AI ツールおよびソフトウェア・ツールの使用、電気を節約し熱の再利用を可能にする高度な冷却ソリューションの設置などが含まれます。
製品と性能に関する情報
[E11] については、intel.co.jp/processorclaims (英語): 4th Gen Intel® Xeon® Scalable Processors をご覧ください。結果は状況によって変わります。
「How to Make the Data Center Eco-Friendly (データセンターを環境に優しくする方法)」、Gartner、2022年12月6日。
[E1] については、intel.co.jp/processorclaims (英語): 4th Gen Intel® Xeon® Scalable Processors をご覧ください。結果は状況によって変わります。
[E6] については、intel.co.jp/processorclaims (英語): 4th Gen Intel® Xeon® Scalable Processors をご覧ください。結果は状況によって変わります。
「Taking on the Compute and Sustainability, Challenges of Generative AI (生成 AI のコンピューティングとサステナビリティーの課題に挑む)」、インテル、2023年3月28日。
「Gartner forecasts worldwide IT spending to grow 4.3% in 2023 (Gartner、世界の IT 支出が 2023年に 4.3% 増加すると予測)」、Gartner、2023年7月19日。
「Accelerate cryptographic operations and data compression workloads with Intel QAT (インテル® QAT で暗号化操作およびデータ圧縮ワークロードを加速)」、インテル、2023年7月18日。
「Hadoop is data’s darling for a reason (Hadoop はデータに愛される理由がある)」、Forrester、2016年1月21日。
[N10] は intel.co.jp/processorclaims (英語) (第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー) をご覧ください。実際のパフォーマンスはこのテスト結果と異なる場合があります。
[N9] については、intel.co.jp/processorclaims (英語): 4th Gen Intel® Xeon® Scalable Processors をご覧ください。結果は状況によって変わります。
インテルが実施した 2023年1月26日時点のテスト結果。1 ノード、2x インテル® Xeon® Gold 6438N CPU、32 コア、インテル® ハイパー・スレッド・テクノロジー有効、インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー無効、総メモリー 512GB (16x 32GB DDR5 4800MT/s [4000MT/s])、BIOS EGSDCRB1.SYS.0090.D03.2210040200、マイクロコード 0x2b0000c0、2x インテル® E810-2CQDA2 (CVL, Chapman Beach、合計 – 4x100G ポート)、1x 223.6G インテル® SSDSC2KB240G8、1x 745.2G インテル® SSDSC2BA800G3、Ubuntu 22.04 LTS、5.15.0-27-generic、GCC 7.5.0、DPDK 22.11。https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/wireless-network/core-network/infrastructure-power-manager-solution-brief.html
「Data centres and data transmission networks (データセンターとデータ伝送ネットワーク)」、国際エネルギー機関 (IEA)、2022年9月。