自律型ウイルス殺菌ロボットは COVID-19 との戦いにおいて活躍が期待されます

プロトタイプのロボットはインテル® Movidius™ ビジョン・プロセシング・ユニット (VPU) を使用して、紫外線で病院の消毒をしながら人間をよけて移動します。

AI 搭載ロボット Violet は、UV 光を使用して汚染された表面を消毒するテストを現在行っています。目標: COVID-19 との戦いで過度な負担を強いられている病院を支援すること。

Stevie は通常、退職者のコミュニティーで毎日を過ごしています。いつでも歌ったり、ダンス・グループの先頭に立ったり、居住者たちに日々の様子を尋ねたり、他愛のない冗談を次々にくりだしては、気持ちを軽くするように努めています。

世界規模の感染症と対峙している他のヘルスケア・ワーカーと同様に、Stevie は人の役に立つような新しいスキルを学ぶ必要がありました。しかし同僚と異なり、彼は 4 フィート 7 インチ の人間の形をした外観を脱ぎ捨て、AI を使って場所を移動し、紫外線を使って細菌や複雑なウイルスを破壊する、という 2 つの強力なパワーを組み合わせた新しいロボットのプロトタイプである「Violet」として再起動したのです。

細菌を死滅させる Violet と社交用ロボットの Stevie は共に、ヘルスケア業界向けの人工知能型ヘルパーの設計を専門とするアイルランドのスタートアップ企業である Akara が創り上げたものです。Akara の技術者たちは迅速にコロナウイルスとの戦いに参加し、病院の殺菌をよりスピーディに、そしてより効果的に行えるよう支援するという目標の下、Stevie のコア・テクノロジーを応用するためにインテルと協力体制を築きました。

新しい波長の AI

UV-C と呼ばれる特定の範囲の紫外線は、複雑なウイルスと細菌を殺すことが臨床的に証明され、ここ 10 年間病院での消毒に使用されています。

COVID-19 の症状を引き起こす可能性のある SARS-CoV-2 ウイルスに対する UV-C の効果に関する決定的研究はまだ存在しませんが、SARS-CoV-1 などの他のコロナウイルスに対して有用であることが調査で明らかになっています。1 UV-C の放射はウイルスまたは細菌の遺伝物質の構造を破壊し、ウイルス粒子の再生を防ぎます。コロンビア大学の疾病免疫研究センターにおける SARS-CoV-2 に対する UV-C の有効性調査の初期段階で発見された内容は有望視されています。2

Violet はコンパクトなサイズと人間がいる中でも安全に動作する能力により、病院以外の任務にも適しています。

UV-C ロボットは病院の殺菌に使用されていますが、ほとんどの場合、人がいる部屋で作業するようには設計されていません。かさ高いサイズなので、混雑したスペースを移動して、陰になっている場所まで行くことが困難です。このロボットは人間が大量に浴びると危険な光を放出します。日焼け、目のダメージ、さらに皮膚癌を引き起こす可能性もあるため、医療従事者や患者は安全のために部屋から退出する必要があります。

部屋の中で人を検知し近寄らないようにするために、Violet のプロトタイプはモーションセンサーである、インテル® Movidius™ ビジョン・プロセシング・ユニット (VPU) および AI 、深度、特徴追跡向け Luxonis DepthAI プラットフォームを使用する設計がされています。これにより、スリムで機敏な Violet が部屋にいる人の周辺で動作し、陰となる角の方に移動し、表面をきれいにし、人間が紫外線の危険区域に入る前に自動的に電源を切ることができます。

Stevie には部屋を移動し、自分に話しかける人に対応するためのコンピュータービジョンと、社交的な交流ができ関心があるように見せるための大事なスキルが必要でした。Akara チームは2020年1月にインテルが資金提供しているインキュベーターに加わり、そこで Movidius と Luxonis は彼らと協力して Stevie 向けの高度な知覚能力を構築しました。

COVID-19 の感染爆発が起こったとき、チーム全体が支援する方法を模索しました。インキュべーターで議論した後、Akara のエンジニアはわずか 24 時間で Violet のプロトタイプを組み立てました。彼らは Stevie のコンピューター・ビジョン機能を利用して、Violet が人間との接触を避けられることを確認しました。

ロボットに関して Akara と密接に仕事をしてきた Movidius のシニア・ソフトウェア開発者の Jonathan Byrne 氏は次のように述べています。「いくつかの点で、Violet の『人の検出』は動作させやすいのです。Stevie は 10 ~ 15 個のことを行う必要がありましたが、Violet は洗浄を行い人間を避けること、というずっと少ないタスクをするだけでいいのです。」

手を抜かずにクリーニング時間を削減

Violet は従来の手作業による消毒方法にとって代わる最初の試みというわけではありません。

今、一部の病院は他の化学物質ベースの消毒剤を備えた「触れない」アプローチを使用しています。それは効果的ですが 1 日の大半の時間、部屋を空にする必要があります。3 例えば、過酸化水素の蒸気は人々がそこで安全に働くことができるように部屋を完全に消毒するまで 5 時間以上かかることがあります。そして一部の病院の部屋では単に実施することができません。

世界中の保健システムにはこれまでに多数の医療画像の待機リストがあり、処理のスピードダウンは病院へのコスト圧力を悪化させるだけになります。例えば、放射線科には特有の課題があります。多くの場合、CT スキャナーのようなハイテク機器には強い化学物質を使用することはできず、手で洗浄する必要があり、このプロセスは X 線技師が 15 分の作業ごとに最大 1.5 時間かけて実施することが少なくありません。

2020年半ばまでに病院向けの準備が整うように、消毒プロセスによる長期のダウンタイムを削減するために、最近アイルランドにおいてCT スキャナーや隔離室の Violet による消毒テストが行われました。Akara はロボットが作業を高速化し、医療のスペシャリストに手作業で部屋の消毒をするという危険なタスクをさせずに済むことを発見しました。

Violet はコンパクトなサイズと人間がいる中でも安全に動作する能力により、病院以外の任務にも適しています。このプロトタイプは現在、ダブリン市の公共交通システムでテストされており、その他の人が密集しやすい交通機関およびトイレ、空港、ホテル、クルーズ船、待機室などの清掃が難しい場所の消毒に力を発揮する期待が持てます。

「COVID-19 の発生に関しては、まだ何とか鎮静化させようとしている状態です。私たちは人が毎日出入りするような病院や看護施設に焦点を当てています。」と Akara の共同設立者で AI および機械学習担当ディレクターである Niamh Donnelly 氏は述べています。

しかし、彼女は Violet がすぐに他の場所でも必要になる可能性があると認識しています。

「人々が仕事、休暇、そして生活を再開していくにつれて、Violet が必要になる場所は変化していきます。インテルは Violet のようなロボットを求めるさまざまな業界からのメールを毎日 10 ~ 20 以上受信しています。」

エンジニアはすでに COVID-19 の拡大を抑えるために、コンピューター・ビジョンのさらなるアプリケーションを探求しています。インテル® Distribution of OpenVINO™ ツールキットを使用したエンジニアは、マスクの使用とソーシャル・ディスタンス・ガイドラインの遵守状況をモニターすることに成功しています。

希望の光

パンデミックに対してより脆弱な世界では、学者は全住民の安全を確保する上で不可欠な役割を果たす Violet のようなロボットに関心を向けています。4将来の使用方法はすでに明確です。Stevie や Violet のようなロボットは、コンピューター・ビジョンを使用してソーシャル・ディスタンスの監視、個人用防護具 (PPE) 使用ルールの遵守を確保し、接触者追跡までも行えるようにさらに適応させることができます。これらの機能は現在、OpenVINO™ ツールキットのインテル® Distribution 上でオープンソース人工知能で探求されています。5

危機対応の初期段階では、迅速な判定テストとワクチンの開発に大きな焦点を当てています。この作業は非常に重要なものです。しかし、同時に他のイノベーションも必要です。この経験から、患者と最前線で戦っている方々両方のために、あらゆる病院がパンデミックに備える態勢を整える緊急性を学びました。私たちに必要なのは人的かそうでないかに関係なく、あらゆる支援です。

Akara と Violet による病院の支援について、詳しくはこちら を参照してください

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