ベースバンド

インテル® FPGA は、コスト効率の高い 5G ソリューションに必要な柔軟性、性能、およびスケーラビリティーを提供します。 

5G ワイヤレス

ワイヤレス接続の将来

前世代と比較すると 5G は、単に飛躍的な進化というだけではなく、ユニバーサルに接続されるデジタル社会の基盤となるものです。それには、ますます多様化する一連のエンドユーザー・アプリケーションへの接続において、一般的水準に比べて 100 倍のエンドユーザー・データレート、100 倍の接続機器数、および 1,000 倍のモバイルデータ量という極めて高い要件を満たす必要があります。5G は、実用的に実装するコスト効率に優れたソリューションであり続けながら、既存および潜在的に新しい RAT の採用、大規模 MIMO (Massive MIMO) などの新しいテクノロジー、およびクラウドベースの RAN のような新しい展開シナリオの利用によってこれらの要件を満たそうとしています。

5G に関する同様の展開シナリオは、クラウドベースの無線アクセス・ネットワーク (C-RAN) です。これは、集中データセンターに似たアーキテクチャーを採用してさらに多くのリモート無線ヘッドのベースバンド処理を行います。インテル® FPGA は、インテル® Xeon® プロセッサーと併用することによってハードウェア・アクセラレーションと仮想化を実現できるため、このアプローチに不可欠です。

5G が多くの場面で必要とされることは明らかであるにもかかわらず、このような要求を満たすための具体的な技術はまだ不明確なままです。インテルのプログラマブル FPGA とソリューションは、5G ワイヤレス接続の意欲的かつ絶え間なく変わる要求を満たすために必要な柔軟性と性能を提供します。

5G 接続の課題

モノのインターネットの到来とともにワイヤレス接続機器の数が爆発的に増え始め、大幅に増えたさまざまなアプリケーション向けに多様な接続形式が必要となります。そのため、5G には次の事柄が要求されます。

  • 1 Gb/s から、ピークでは最大 20 Gb/s に達する信頼性の高いデータ・スループット
  • 車・車間通信などのアプリケーションに必要なほぼゼロの時間遅延
  • 数千億個にのぼるワイヤレス機器に対応する、信頼性の高い大容量のサポート
  • さまざまなアプリケーション向けの柔軟なデータレートとデューティー・サイクル

現在、5G の課題を満たしてユニバーサルに接続される社会を実現するだけでなく、コスト効率の点でも優れた無数のソリューションとテクノロジーが提案されています。例えば、以下のものがあります。

  • クラウドベースの無線アクセス・ネットワーク (仮想化された RAN)
  • 多元接続 (マルチアクセス) およびコーディング / 変調方式のさらに高度なソリューション
  • 新しいベースバンドおよび RF アーキテクチャー
  • 新しいビームフォーミング・テクニック
  • スペクトルを効率的かつ柔軟に使用するための高度な RF ドメイン処理

しかし、これらのテクノロジーをどのように組み合わせれば 5G の要求を最も完全に満たすコスト効率の高いソリューションが生み出されるかは明確になっていません。ワイヤレス・インフラストラクチャーが柔軟性と性能のバランスをうまく取り、変化しつつ高まるワイヤレス市場の要求に歩調を合わせることは不可欠です。

インテルの 5G ソリューションがプログラマビリティーによってもたらす柔軟性

インテルは、5G 実装への個々のビジネスニーズに適応可能なハイエンド、ミッドレンジ、および低コストのデバイスを提供しています。インテルの 5G ソリューションは以下を提供します。

インテルは以下の 5G テクノロジーに最適化したソリューションを提供します。

  • CRAN/VRAN
  • 大規模 MIMO (Massive MIMO)
  • バックホール
  • フロントホール
  • デジタル無線フロントエンド

C-RAN

C-RAN (Centralized/Cloud Radio Access Network) は近年、ワイヤレス・インフラストラクチャー業界から大きな注目を集めています。これは、TCO (総所有コスト) 削減、スペクトル効率向上、マルチスタンダード・サポートの簡素化、将来の展開など、C-RAN アーキテクチャーがもたらす大きな利点のためです。しかし、最大の理由は、ネットワーク・アーキテクチャー・コンバージェンスの観点から、このアーキテクチャーがネットワーク機能仮想化 (NFV) や SON (Self Organized Network) への業界の移行を補完することにあります。

推進要因

スマートフォンやその他のポータブル機器の普及が進む中、モバイル・ブロードバンド・データ・トラフィックが急増し、データ容量需要が急激に高まっています。その結果、既存のワイヤレス・ネットワークには以下のような大きな課題が生じています。

  • エアインターフェイス・リソースとデータ容量の増加率の乖離
    データ・トラフィック需要は従来のエアインターフェイス容量を超えて高まっており、新たなアーキテクチャーやアプローチが求められています。
  • コスト増加と収益成長の複合年間成長率 (CAGR) の乖離
    今後数年の間、データの急激な増加に対し、通信事業者の加入者当たりの収益は小幅な成長にとどまると予想されています。したがって、通信事業者は採算性を確保しながらサービスを維持するために、ビット当たりのコスト削減を迫られています。
  • グリーン化の義務
    基地局数が大幅に増加した結果、ワイヤレス・ネットワークの消費電力が跳ね上がり、それに応じて運用費も著しく増加しています。通信事業者は、総消費電力と運用費削減に向けて新たなアプローチが必要です。
  • ネットワーク・リソースの利用不足
    地域 (住宅地 / 商業地) や時間帯 (昼間 / 夜間、平日 / 週末) によって負荷のアンバランスが生じています。現在のネットワーク展開では、最悪状況の負荷に対応できるようにハードウェアをオーバープロビジョニングしなければならず、ネットワークは概して利用不足の状態です。
  • 高密度ネットワークに起因する干渉
    市街地では、基地局 (BTS) の高密度展開によってセル間干渉が発生し、性能が低下します。

既存ワイヤレス・ネットワークにおけるこれらの制約のため、業界はいくつかの重要なイノベーションを検討してネットワーク・アーキテクチャーの最適化を図ろうとしています。それらの改善策を総称して C-RAN と呼んでいます。

  • 基地局数の削減
    基地局数の削減はコスト (設備投資と運用費の両方) の削減と将来のアップグレードの簡素化につながります。
  • COMP (Coordinated Multiple Processing) の使用
    高度な COMP 機能は高密度地域におけるセル間干渉の問題を解決します。
  • シェアド・プロセシング、ロードバランス、SON (Self-Organizing Network) シェアド・プロセシングは、要求または容量に基づいてセルサイト間で処理能力を割り当てることで運用効率の改善を実現します。また、処理能力の共用によってマルチセルサイトの調整が可能になるほか、マルチバンド・サポートと併せて、負荷の変動に対するエアインターフェイスの動的な適応を可能にします。ロード・バランシングは、帯域幅需要の急増に対するネットワークの対応を支援し、リソースを自動的に割り当てることでネットワークの安定稼働を確保します。インテリジェント SON (Self-Organizing Network) は、ネットワークの計画、設定、管理、および最適化の簡素化によってネットワーク運用コストを削減することが期待されています。

こうしたアーキテクチャーのイノベーションによって推進される C-RAN ソリューションは、基地局処理を 1 カ所に物理的に集約することで、非常に大きな利点をもたらす可能性を秘めています。

C-RAN の概要

完全な集中アーキテクチャー

図 1 は、完全に集中化した C-RAN の基本原理を示しています。リモート無線ユニット (RRU) サイトの配置は従来の無線ネットワークと変わりませんが、ベースバンド・ユニット (BBU) の配置は従来の RRU と同一の場所ではなく、集中化された場所に変わります。BBU は物理層 (L1) 以上のレイヤー機能を備えており、処理リソースの大規模なプールにマッピングされて NodeB 機能を仮想化します。

また、複数のトラフィック・ストリームを動的に相互接続するために、クラウド・ターミネーターと呼ばれるスイッチレイヤーも導入されます。このレイヤーを使用して異なるインターフェイス・プロトコルのブリッジ、接続、およびコントロールを行うことにより、動的なロード・バランシングを容易にします。

LTE はデータ処理に対するレイテンシー要件が非常に厳しく、 例えばラウンドトリップ・レイテンシーは 5 ms 未満、ベースバンド・フレーム処理は 1 ms 未満でなければなりません。そのため、RRU サイトと中央の BBU サイト間の伝送は高スループット (10 Gbps 以上) でなければならず、数十ミリ秒という低いレイテンシーが要求されます。

FPGA は CRAN アーキテクチャーの要件

CRAN の重要な要件として、リコンフィグレーション性能、確定的な低レイテンシー動作、柔軟なハードウェア・アクセラレーター、高速スイッチング性能が挙げられることから、FPGA は必然的に CRAN アーキテクチャーのコンポーネントとして最適といえます。

既存のネットワーク

図 1. 標準的な基地局レイヤー 1 における PUSCH および PDSCH 処理のブロック図

既存の携帯電話インフラストラクチャー

無線アクセス・ネットワーク (RAN) と呼ばれる携帯電話インフラストラクチャーは、1980 年代の第 1 世代 (1G) アナログ FM 方式から進化を続けています。この進化の中で、無線アクセス技術 (RAT) は GSM 方式から LTE 方式へ、ネットワーク・トポロジーは回線交換 (TDM) 方式からパケット交換 (IP) 方式へと移行し、それとともに継続的にレイテンシーの低減とスループット、スペクトル効率、およびピーク速度の向上が図られてきました。こうした変化の結果、より高速かつスマートで、リソースのより弾力的な利用が可能な新しいインフラストラクチャーが必要になっています。この移行のために、基地局や eNodeB により高い処理能力とインテリジェンスが要求されています。

基地局は現在、スーパーインテリジェント・ワイヤレス・ルーターへと変貌しています。特に、基地局や eNodeB は、複数のインターフェイス規格の PHY、MAC、RLC (無線リンク制御)、PDCP (パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル)、および RRC (無線リソース制御) を 10 倍のデータ・スループットですべて処理します。

これらの進歩の結果、複数の規格を適切な価格でサポートする柔軟な「ソフト」基地局が生まれています。さらに、基地局ソリューションはピコセルからマイクロセル、さらにはマクロセルへの拡張性もなければなりません。

基地局シャーシを再利用したいという OEM の要望、次世代基地局アーキテクチャーの高度な処理要求、そして全体的なシステム・レイテンシーを低減し、柔軟性と拡張性に対処する必要性から、ハードウェアとソフトウェアによるインターフェイスと処理の柔軟性と、固有の拡張性を兼ね備えた、高度に統合された SoC ソリューションのニーズが高まっています。上の図に、標準的なマクロ基地局アーキテクチャーを示します。

ワイヤレス・ソリューションの参照リンク

関連情報

アプリケーション別ソリューションを活用し、デザインの課題を解決する方法を紹介します。

すべてのアプリケーションを見る

重要なワークロードの高速化を可能にし、規格の進化または要件の変更への適応を支援するカスタマイズ可能なデバイスです。

すべてのデバイスを見る