高性能データ・コンバーター搭載インテル® FPGA
パフォーマンスの向上、消費電力の削減、かさばるアナログ・コンポーネントを削減しつつ、広範な瞬時帯域幅やダイレクト RF 機能を実現します。
従来のアナログや RF 信号の処理では、アナログ信号をベースバンドに変換するディスクリート・アナログ・コンポーネントが必要になります。電力を大量消費するインターフェイスとアンテナの共用には、効果的なスケーリングという課題があります。さらに、全面的なデジタル変革の推進により、思い切った柔軟性、ビームの独立性、ビーム幅の向上への需要が高まっています。データ・コンバーター・テクノロジー搭載インテル® FPGAにより、アンテナ数、周波数帯域、帯域幅などのさまざまな面で優れた柔軟性、DSP の機能性、拡張性を実現し、高性能、低消費電力、小規模フットプリント、RF スペクトルでの共通のフロントエンドを備えたアナログ / RF システム開発が可能になります。
ADC/DAC 搭載インテル® FPGAの紹介
最大 64GSPS のサンプルレート対応のチップレットをベースにした最適化により、防衛、レーダー、ハイエンドなテスト、ワイヤレス・ソリューション向けの共通フロントエンド、柔軟なコンピューティング、接続性、周波数の俊敏性を提供します。
デジタル・ビームフォーミングのニーズに対応
データ・コンバーター搭載インテル® FPGA は、高いサンプルレート、広範な帯域幅、プログラマビリティーにおいて市場の他の製品との差別化を図り、ダイレクト RF の機能を必要とするシステムのニーズに応えます。
多くのアプリケーションに対応するヘテロジニアスな FPGA
EMIB (Embedded Multi-die Interconnect Bridge) チップの相互テクノロジーやオープン規格 AIB (インテル® Advanced Interface Bus) を利用したヘテロジニアス・インテグレーションにより、プロセスノード、ファウンドリー、IP プロバイダーに関わらず、高性能アナログ・コンバーター・チップとインテル® FPGA プログラマブル・ロジック・ファブリックを集約したシングル・パッケージ化が実現します。これらのテクノロジーにより、多岐にわたる高度な ADC/DAC のテクノロジーと、理想的に適合する FPGA ファブリックや処理チップレットとの統合が実現し、アナログ、デジタル化、コンピューティングのさまざまな機能を構築できるようになり、今までとは比べ物にならない程、各アプリケーションに特化した最適化が可能になります。
防衛および政府機関
データ・コンバーターの高いサンプルレートにより、レーダーや防衛システムは大きな瞬時帯域幅を有することになり、電波受信や電波妨害、探査、ビーム形成に関するアプリケーション要件にも対応できるようになります。
テストおよび計測機器
ダイレクト RF の機能の利用により、アナログシステムの削減、低レイテンシー、低消費電力によるフットプリントの低減を実現し、低 SWaP で高性能なハイエンド・テスト機器に大きなメリットをもたらします。
ワイヤレス通信
FPGAに搭載されたADC/DAC テクノロジーや、チップレット集約の戦略による異なるデータ・コンバーターを備えた、将来のバリエーションに富んだ製品開発の可能性により、新たな機能を付与するワイヤレス通信分野にも最適です。
データ・コンバーターを搭載するFPGAの利点
ダイレクト RF の機能
変換や処理を統合。
低消費電力
JESD204 インターフェイスが不要に。
回路の複雑性を軽減
アナログ・コンポーネントを削減。
広範な瞬時帯域幅
高いサンプルレート。
高性能と柔軟性
インテル® FPGA ファブリック。
お客様やパートナーの皆様からの声
Lockheed Martin* 社 スペクトラム・コンバージェンス部門 バイス・プレジデント Deon Viergutz 氏
「このテクノロジーのおかげで、航空機のサイズ制約のためこれまで実現できずにいた、小型の空輸プラットフォームや空中発射エフェクトと、最新世代の電子戦システムとの統合が可能になります。これにより、21 世紀の高度な戦闘力をもたらす超小型かつ価格競争力のある電子戦 (USAEW) センサーを構築し、システムのサイズ、重量、消費電力、コストを桁違いに削減することができました。」
BAE Systems* 社 電子システム・マイクロエレクトロニクス部門 ディレクター James Li 氏
「インテルとこの新しいテクノロジーを用いた素晴らしい連携ができ、サイズ、重量、消費電力で制約のあった電子システム向けマイクロシステムにおける高度な統合が実現しました。私たちは商用のアナログ FPGA と防衛強化アプリケーションに特化した集積回路を 1 つの高度な統合ソリューションに集約することで、防衛関連のお客様の新たなミッションの遂行を全面的に実現する一方で、倍以上のパフォーマンスを達成しました。」
MITRE Corporation* 社 テクノロジー・トランスファー部門 戦略的パートナーシップ & ディレクター代理 Karen H. Viani 博士
「インテル® アナログ FPGA テクノロジーのおかげで、絶対的なニーズのある広帯域のデジタル・フェーズド・アレイ・ソリューションへの新たな道が開き始めています。MITRE Corporation* は、当社の Frequency-scaled Ultra-wide Spectrum Element (FUSE*) テクノロジー搭載インテル® アナログ FPGA を検証できることをうれしく思います。これにより、サイズ、重量、電力、レイテンシーを低減し、新たな能力の実現を通して、多機能ミッションのパフォーマンス向上を実現していきます。
FAQ
データ・コンバーター統合テクノロジーとは
データ・コンバーター統合テクノロジーにより、インテル® EMIB を活用して、アナログ・データ・コンバーター (ADC/DAC) の機能性と、理想的に適合する FPGA ファブリックが統合し、RF アナログ機能を備えたプログラマブル・ソリューションが提供されることになります。この統合により、JESD204 インターフェイスが不要となり、システム消費電力の低減、アナログ・コンポーネントの削減によるフットプリントの軽減、複雑性の軽減が実現します。
ダイレクト RF とは
ダイレクト RF サンプリングは、RF のアナログデータをダイレクトにデジタル化して、そのデータを FPGA ファブリックに移動し、デジタル領域での処理を可能にする機能です。インテグレーテッド・データ・コンバーター・テクノロジー搭載インテル® FPGA は、RF-IF 変換を不要にし、RF ベースバンドを提供するアナログ部分のソリューションを統合します。
ヘテロジニアスな統合・インテグレーションとは何でしょうか。
パッケージング・テクノロジーの進歩により、複雑なシステムを複合的な機能やマルチ・テクノロジーのチップで構成される単一パッケージに組み込むことが可能になりました。パッケージング・テクノロジーのイノベーションにより、設計者は自身のシステムを、最適なプロセス・テクノロジーを用いて特定の機能を最適化するチップを備えた単一パッケージに統合することが可能です。今後のシステム要件では、インターフェイスのビット当たりの消費電力を最小限に抑えた、非常に広い帯域幅のインターコネクトが求められます。インテルは、これを可能にする 2 大要素となる超短距離インターフェイス規格とインテグレーション・パッケージング・テクノロジーを提供します。