プログラマブル・ロジック・コントローラーの概要
インテル製品は、ロボットと産業オートメーションのアプリケーションでよく使用される、従来型およびソフト・プログラマブル・ロジック・コントローラー (PLC) の両方に搭載されています。
PLC とは
従来型のプログラマブル・ロジック・コントローラー (PLC) は、主に産業分野でマシンや電子機械プロセスの運用を管理するために導入される、単一用途の電子コンピューティング・デバイスです。現在では、製造業者やそのほかの産業組織はソフト PLC を活用するようになりました。これは、広く入手可能な汎用 PC ハードウェアで実行できるソフトウェア・ベースのコントローラーです。単一のデバイスで複数のソフト PLC を稼働させることも可能です。従来型 PLC とソフト PLC の双方は、一般的に SCADA システムとヒューマンマシン・インターフェイス (HMI) と併せて利用されます。
PLC の仕組み
PLC ではラダー・ロジック・プログラミング言語が利用され、エンジニアは電子機械システムを制御する仮想回路を構築できます。過酷な環境や厳しい産業用アプリケーションに耐えられる、堅牢な設計となっています。PLC は時間的制約のあるアプリケーションで利用されることが多いため、入力のスキャンとプログラムの実行を非常に高速に行える性能を持ちます。PLC は、入出力 (I/O) 接続を通じて接続された装置から情報を受け取り、適切な命令を出力できます。
PLC の重要なハードウェア・コンポーネント
インテルは、PLC がクリティカルな役割を果たすのに役立つプロセシング機能、イーサネットとワイヤレス接続テクノロジー、メモリー容量を提供します。
プロセッサー
時間的制約のあるアプリケーションに使用されることの多い PLC では、ほぼリアルタイムの処理が非常に重要です。インテル® Time Coordinated Computing テクノロジー搭載プロセッサーが、PLC ロボティクスと産業オートメーションに必要なパフォーマンスの実現に役立ちます。インテル® FPGA およびプロセッサー・ソリューションは、従来型のハードウェア PLC およびソフト PLC に利用される COTS ハードウェアの双方に搭載されています。
メモリー
メモリーには、運用上の判断に使用されるプログラムが保存され、マシンの理解と指示に利用される入出力を格納します。非揮発性メモリーに基づくインテル® Optane™ テクノロジーは、PLC アプリケーションの高速アクセスと高いパフォーマンスを実現します。
入出力
PLC がフィールドデバイスと統合し、状況を理解して適切な指示を出せるのは、これらのモジュールの働きです。例えば、PLC が接続されたモーターの速度を入力として受け取り、その速度をどのように調整するべきかの指示を出すといった用途があります。
通信
インテル® イーサネット・テクノロジーは、PLC のインターネット接続やエッジツークラウド通信に利用されます。クリティカルな PLC アプリケーションが必要とする速度と安定性の確保に役立ちます。
PLC プログラミング標準規格
PLC をプログラミングする際、開発者はさまざまなプログラミング標準規格を利用してパフォーマンスと結果を最適化します。これらの規格は、最新のソフトウェア原則を適用して、産業制御システムの設計と運用のプロセスを合理化、簡素化するのに役立ちます。IEC 61131 は長期にわたって業界主流の標準規格でしたが、多くの企業は、特に複数ベンダーのシナリオにおける IT/OT 統合を最大化するため IEC 61449 への移行またはその検討を行っています。
ソフト PLC 導入に役立つインテルのツール
インテルでは、現在の PLC プログラミング標準規格への対応に加え、ハードウェアおよびソフト PLC ソリューションが必要とするほぼリアルタイムのパフォーマンスの実現に尽力しています。インテルのテクノロジーは、双方の規格に対応するソリューションを最低限のコード変更で提供するのに役立ちます。
インテル® エッジ・ソフトウェア・ハブ
IT、OT、CT のワークロードを統合することで、デバイスおよびワークロード管理を簡素化し、インテル® エッジ・ソフトウェア・ハブで利用可能な Converged Edge Insights による新しいクラウドネイティブ機能を実現することができます。
事例: 産業界のエッジで容易なデータ共有を実現
TTTech Industrial が、産業向けインテル® エッジ・コントロールをどのように利用して、既存の PLC および I/O インフラストラクチャーからのデータのリアルタイム・ゲートウェイ接続を実現したかについて説明します。
関連ソリューション
PLC と共に頻繁に利用されるインテルのテクノロジーについて詳細をご覧ください。
よくある質問
PLC とは、主に産業分野でマシンや電子機械プロセスの運用を管理するために導入される、単一用途の電子コンピューティング・デバイスです。
PLC は、多くの場合、製造設備を管理するための産業用アプリケーションに SCADA システムと併せて利用されます。また、交通信号やエレベーターなど非産業用の使用事例もあります。
従来型の PLC は、通常は工場で単一の特定の目的のために利用される、固定機能を持つアプライアンスです。ソフト PLC は、ソフトウェア・ベースの PLC で、汎用の商用ハードウェアで実行可能です。単一のデバイスで複数のソフト PLC を実行することもできます。