インテル® Quartus® Primeプロ・エディション ユーザーガイド: パーシャル・リコンフィグレーション

ID 683834
日付 5/11/2020
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ドキュメント目次

1. パーシャル・リコンフィグレーション・デザインの作成

更新対象:
インテル® Quartus® Prime デザインスイート 20.1
この翻訳版は参照用であり、翻訳版と英語版の内容に相違がある場合は、英語版が優先されるものとします。翻訳版は、資料によっては英語版の更新に対応していない場合があります。最新情報につきまし ては、必ず英語版の最新資料をご確認ください。
パーシャル・リコンフィグレーション (PR) では、FPGAの一部のダイナミック・リコンフィグレーションを行いながら、残りのFPGAデザインは引き続き機能させることができます。複数のペルソナをデザイン内の特定領域に対して定義できます。このとき、その領域以外のエリアの動作には影響を与えません。この手法が効果的なのは、システム内の複数の機能で同じFPGAデバイスのリソースを時分割で共有する場合です。PRにより、より複雑なFPGAシステムの実装が可能になります。

インテル® Arria® 10 インテル® Cyclone® 10 GXデバイスファミリーのPR機能をサポートしています。

図 1. パーシャル・リコンフィグレーション・デザイン
パーシャル・リコンフィグレーションによって、次の利点がフラットデザインにもたらされます。
  • ランタイム・デザイン・リコンフィグレーションが可能です。
  • タイム・マルチプレクシングにより、デザインのスケーラビリティーが向上します。
  • ボードスペースを効率的に使用し、コストと消費電力を低減します。
  • デザインにおけるダイナミック・タイム・マルチプレクシング機能をサポートします。
  • より小さなビットストリームにより、初期のプログラミング時間を短縮します。
  • ライン・アップグレードによりシステム・ダウンタイムを削減します。
  • リモート・ハードウェアの変更が可能なため、システムのアップデートが容易です。
  • パーシャル・リコンフィグレーションのコンパイルフローを簡素化します。

階層型パーシャル・リコンフィグレーション

インテル® Quartus® Primeプロ・エディション開発ソフトウェアでは、階層型パーシャル・リコンフィグレーション (HPR) もサポートしています。複数の親および子のデザイン・パーティション、または複数レベルのパーティションが1つのデザイン内に含まれている場合です。HPRデザインでは、スタティック領域によって親PR領域をインスタンス化し、親PR領域によって子PR領域をインスタンス化します。同じPR領域の再プログラミングは、子および親のパーティションに対して可能です。HPRの詳細な手順については、Partial Reconfiguration Tutorialsを参照してください。

スタティック・アップデート・パーシャル・リコンフィグレーション

スタティック・アップデート・パーシャル・リコンフィグレーション (SUPR) を使用すると、特殊なスタティック領域の定義や変更が可能になります。このとき、すべてのペルソナを再コンパイルする必要はありません。この手法が役立つのは、リスク軽減のためにデザインの一部を変更する可能性があっても、それによりランタイム・リコンフィグレーションが必要にはならない場合です。SUPRパーティションのないPRでは、スタティック領域への変更があった場合は、すべてのペルソナを再コンパイルしてください。SUPR命令の詳細に関しては、Partial Reconfiguration Tutorialsを参照してください。

パーシャル・リコンフィグレーション・デザインのシミュレーション

インテル® Quartus® Primeプロ・エディション開発ソフトウェアでは、シミュレーション・マルチプレクサを使用したPRペルソナ遷移のシミュレーションをサポートしています。シミュレーション・マルチプレクサを使用して、シミュレーション中にPR領域内のロジックを駆動するペルソナを変更します。このシミュレーションでは、リコンフィグレーション可能なパーティションで生じる変化や中間効果を観察することができます。詳細に関しては、パーシャル・リコンフィグレーション・デザインのシミュレーション を参照してください。

インテル® Quartus® Primeプロ・エディション開発ソフトウェアでは、PRデザインのコンパイルを インテル® Agilex™ デバイスに対してサポートしていますが、 インテル® Agilex™ PRビットストリームの生成は未サポートです。