プレスリリース
インテル プレスリリース
インテル コーポレーション
研究者がすべての 802.11 Wi-Fi 規格に対応できる CMOS トランシーバを開発


2005 年 6 月 20 日
<ご参考資料>
* 2005 年 6 月 17 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は、現在普及しているすべての Wi-Fi 規格(802.11a、11b、11g)、および現在策定中の 802.11n 規格で採用が予定される仕様にも対応できる、ダイレクト・コンバージョン方式デュアルバンド RF トランシーバのプロトタイプを、CMOS プロセス技術を利用して開発することに成功したと発表しました。このシステム・イン・パッケージ技術は、将来のインテル・プラットフォームにおいて強化された無線機能を低コストで提供する、CMOS トランシーバの集積化に向けた重要な一歩になります。

このトランシーバは、京都で開催された「2005 Symposia of VLSI Technology and Circuits」での技術論文として発表されました。同論文は、標準的な CMOS プロセス技術を用いて完全にフレキシブルなマルチモードの無線を実装するためにインテルが開発した構成要素について説明したものです。Wi-Fi 規格の将来技術である 802.11n は、現在利用されている規格に比べ、無線の伝送速度が 2 倍以上に向上される見込みです。

インテル コーポレーション 通信回路リサーチ・ラボ担当ディレクタのクリシュナムティ・ソーミャは「このシステム・イン・パッケージは、これまで以上に回路の低電圧化が図られているため、集積化し低コストで製造できるだけでなく、低電圧で、長時間のバッテリ動作を実現できます。このソリューションの対応帯域は、現在の 20MHz から 100MHz へと拡張され、複数の高画質ビデオを同時にストリーミングできる 100Mbps 以上の高速伝送を期待できます」と述べています。

今日のデバイスで採用されている RF トランシーバは、各用途向けに設計されているため、Wi-Fi 規格による無線 LAN など、特定のネットワークへの接続にしか利用することができません。このため、広域ネットワーク(WAN)向けの無線接続には、別のデバイスが必要になります。インテルでは今後数年内に、モバイル端末が複数の無線規格をサポートし、数々の異なった無線通信ネットワークを利用できるようになると考えています。インテルの研究成果により、デバイスに“スマート”アンテナ・システムと、シングル・デバイスの再コンフィグレーション可能な CMOS トランシーバを搭載し、無線の電力効率の向上と、小型化と低コスト化を将来実現できることが示されました。インテルの最終的な目標は、時間、場所、デバイス、ネットワークを問わず、接続できるようにすることです。

今回の研究での重要な成果の一つに、インテルがマイクロプロセッサや各種コンピュータ・チップの製造で使用している標準的な CMOS の製造技術を利用した点が挙げられます。CMOS の利用により、今後も製造コストを抑制できるとともに、無線製品を将来、量産製造できるようになります。研究論文で紹介されたこのデバイスの動作電圧は 1.4 ボルトで、その消費電力は、現在利用されているデバイスに比べ、極めて低い値になります。

ソーミャは「インテルは、CMOS でこの無線機能を実現することにより、将来の様々なチップに対し、統合化された無線機能を提供できるようになります」と述べています。

論文の詳細

研究論文で紹介されたこのデバイスは、CMOS で製造された 5GHz で動作する増幅器を集積しています。この 5GHz の増幅器は、周波数割当技術を用いてダイ上に実装されている増幅器により生じる干渉を最小化するとともに、米通信委員会(FCC)のスペクトル規制と相互干渉などの要件をすべて満たしています。これらの改良により、無線の性能が向上します。インテルの研究者はこれらの成果を達成するために、このトランシーバで量産製造にも対応する、新しい補正スキームを開発しました。この補正スキームは、従来困難とされていたレシーバとトランスミッタ間の影響を、正確かつ容易に分離できるようにし、無線部品の歩留まりの向上とコストの低減をもたらします。

無線技術、802.11 標準技術

802.11 は、IEEE(米国電気電子学会)が策定している無線 LAN 技術の標準規格です。802.11 は、無線端末とベース・ステーション、もしくは 2 台の無線端末間の無線通信を規定しています。

802.11a:802.11 標準規格の一つで、5GHz の周波数帯域を使用し、最大転送速度は 54Mbps
802.11b:802.11 標準規格の一つで、2.4GHz の周波数帯域を使用し、最大転送速度は 11Mbps(フォールバック速度は 5.5Mbps、2 Mbps、1 Mbps)
802.11g:802.11 標準規格の一つで、2.4GHz の周波数帯域を使用し、最大転送速度は 54Mbps
802.11n:現在策定中の 802.11 標準規格の一つで、最大転送速度は 100Mbps 以上に高速化。また、到達距離も現在のネットワークより延伸する見込み


世界最大の半導体メーカであるインテル コーポレーションは、パソコン・ネットワーク / コミュニケーション製品の世界的なメーカでもあります。インテルの情報は、http://www.intel.co.jp で入手できます。

以上